離婚を切り出したことで事態はますますおかしな方へ動き出した。
夫はわたしがそんなことを言い出したこと自体、
もうすでに それが許せないのだった。
薄々わかっていた。
夫が一度手にしたものを手放すはずがないことを。
とくにわたしに執着していることを。
わたしに対して怒りと憎しみを増幅させていった。
毎日が恐ろしく
でも誰にも言えない。
夫は 母に言わせれば「働いて」「稼いで」「家に居ない」
という3拍子揃ったいい相手なのだ。
いくら心を傷つけられても
いくら魂が削られていっても
「いい相手」なのだった。