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長谷川幸洋「ボルトン解任は米外交史上に残る大惨事」との評価は正しいか?

2019-12-25 17:15:43 | インテリジェンス
月刊「Hanada」2019年12月号の紙面で、長谷川幸洋氏が
「ボルトン解任は米外交史上に残る大惨事」という見出しの記事を寄稿しています。
この記事についてインテリジェンス的に「どう分析・理解すべきか」を以下で述べます。

長谷川幸洋 ウィキより
「2018年3月31日付で東京・中日新聞を定年退職。
退職を機に、フリーランスのジャーナリストとして言論活動は継続している。」
月刊「Hanada」のプロフィールには
ジョンズポプキンス大学院(SAIS)卒、とある。

アメリカに留学した時に、米ディープステート関係者と接触して、影響され、そちらサイドの立場を代弁する形で言論活動を行うようになってしまう日本人は、少なくありません。
さて、長谷川幸洋氏の場合は、どうでしょうか?
今回の記事を分析してみましょう。

2019年9月10日、ボルトン補佐官は解任された。
トランプお得意の「You are fiered」です。

長谷川氏は、記事の冒頭から、

「米国のドナルド・トランプ大統領が「大ヘマ」をやらかしてしまった。大統領によるジョン・ボルトン補佐官(国家安全保障問題担当)」の解任である。」

と、トランプ批判。

「双方が白昼、公開の席で「あいつは馬鹿だ」と罵っているような光景である」
「解任を大喜びしたのは、イランと北朝鮮だ。サウジアラビアの油田施設は9月14日未明、何者かによって攻撃された。・・時差7時間を考えれば、わずか3日後だ。
攻撃者は、大統領が最強硬派のボルトン氏を解任したからには
「サウジを攻撃しても、同盟国である米国は報復してこない」と読んで、攻撃を決断したに違いない」

と、「攻撃者の心理分析」をして見せ、さらに、解説を続けて、

「ボルトン氏解任が「大統領の弱腰」を示すサインになり、サウジ攻撃の引き金になってしまったのだ。」
「後世の国際関係論の教科書は必ず、そう記述するだろう。・・・
これは敵に甘いサインを出した典型的なケースだ。」

と、「大統領の弱腰 → 敵に甘いサインを送る → サウジ攻撃の引き金になった」
論法で、「トランプが悪い → だからサウジ攻撃が勃発した論」を展開しています。

さらに、
「トランプ政権は攻撃の直後から「サウジ攻撃はイランの仕業」と断定しながら、イランになんの報復もしなかった。これで、大統領の弱腰は証明されたも同然だ」

とし、
9月29日フーシ派がサウジの兵士数千人を捕虜にした、という報道を挙げて、

「サウジアラビアと米国はその後、イランにもフーシ派に対しても、軍事的に反撃していない。一方的に「殴られまくっている」状態である。」

と表現しています。
そして、標記の見出しの結論を導きます。

「政権自身が招いた不手際のために、重要な同盟国のサウジが攻撃され、中東情勢の不安定化をもたらしてしまった。これは「米外交史に残る大惨事」と言って間違いない」
と。

・・・・
では、当総研による反論を述べましょう。

まず、プロのジャーナリストなのに、一点、大きなウソを付いています。

<一方的に「殴られまくっている」状態である。>

という部分がそれです。
イエメン紛争については、既に、当総研で、2本の記事を書いています。


これで紹介した通り、
「サウジによる一方的な空爆」が延々と続行されており、悲惨なことになっているのは、イエメン側なのです。
長谷川氏のようなプロのジャーナリストなら、「知らない」では済まされませんし、
「知らないはずはない」のです。
となれば、「意図的な言論誘導」として、
「サウジが、イエメンやイラン側から一方的に殴られている」
という形の「印象操作を行っている」のではないか、という疑惑になります。

また、「最強硬派のボルトンを解任したのは、大ヘマだ」
と「ボルトン擁護」の論陣を張り、「ボルトン解任がサウジ攻撃を招いた」
と結論付けており、
「このトランプの大ヘマは米外交史上の大惨事だ」としていますが、
これも、フェイク・ニュース側の代弁に過ぎません。

なぜなら、当総研で既に、「サウジアラムコ油田施設攻撃の犯人は誰か?」
を分析する記事を上げておりますように

イラン側がやった可能性は極めて低いか、やっていないと断定しても良いだろう、
と見ることができるからです。

ネオコン利権の代弁者であるボルトン氏に関して
長谷川氏は、かくも「あからさまに擁護」している。
これは、ヤバイですね。
ご本人は、もはや「自分がどちらサイドの人間か、バレバレでも構わない」
というスタンスなのでしょうね。そうでなければ、
これほどの「ボルトンよいしょ記事」書けませんから。

トランプは、ボルトン解任の際に、ボルトンの言う通りにしていたら、
米国は4つの戦争を抱え込むことになったろう、とツイートしています。
「4つの戦争」とは、
北朝鮮、シリア、ベネゼエラ、イラン
でしょう。
ディープステートがやろうとしていること、マジ、半端ネェー、ヤバさです。

そのボルトンをかくもあからさまに擁護する言論を展開している長谷川氏。
つまり、「新たなる令和の時代の流れ」に逆行する言説を堂々となさっている。
定年を過ぎて、「恐いもの知らず」なのでしょう。

同記事で、長谷川氏は、トランプ弾劾の「ウクライナ・ゲート」についても

「このスキャンダルが表面化したのは、政権内部からの告発がきっかけだった。
軍事援助の停止を含め、トランプ氏の弱腰に対する不満が告発につながった可能性もある」

と、反トランプ・サイドの解釈を展開しています。

長谷川氏は「ウクライナ・ゲート」が「民主党側のでっちあげ」であることを知らないのでしょうか?
なんなら、田中宇氏の国際情勢解説でもお読みくださいね。
知らないのなら職務怠慢。知っているのなら、意図的な偏向言論誘導。
いずれの場合にせよ、
彼について、ジャーナリストとして、高い評価の星を付けてあげることは不可能
というのが、当総研の分析です。

みなさんも、日本に流布する「ディープステート側の言論」を
「見抜く眼」を 日頃から養っておいてほしいと思います。
そうすると、見えるわ、見えるわ、・・・・もう、面白いように、
裏が見えるようになります。



最後に、ボルトン解任報道を報じるBBCニュースサイトに上がっている
興味深い動画をご覧下さい。


当時の国防長官を勤めるマティス(元海兵隊大将)が、ボルトン氏と初体面する場面です。
マティス長官の言葉
「なんでも、あなたは悪魔の化身だそうで、あってみたかったんですよ」
と、初対面から、軍人特有の「事態の核心を突く一撃」の
「強烈な皮肉のジャブ」を繰り出しています。
(NSAは何でも知ってますよ、という暗示)
これに対して、苦笑するしかないボルトン

本日は以上です。
それではまた。

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