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今年9月のサウジアラムコ油田施設への攻撃の犯人は誰なのか?

2019-12-23 18:31:01 | インテリジェンス
今年の9月14日にサウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設が18機のUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と7機の巡航ミサイルで攻撃され、生産量が半分に落ちるという被害を受けた、と言われている。(桜井春彦の記事より)

こうした世界を揺るがすような「石油施設への攻撃」は、一体、誰がやったのか?
以下、検討してみましょう。

桜井春彦氏は、こう書いています。
引用・・・
この攻撃についてイエメンのフーシ派は自分たちが実行したと発表しているが、アメリカやサウジアラビアはイランによるものだと主張した。
それに対し、アメリカの好戦派やイスラエルによる偽旗作戦だとする人たちもいる。
ドナルド・トランプ大統領やサウジアラビアがイエメンでの戦争を止めたがっていると言われているが、戦争を継続し、軍事的な緊張を高め、あわよくばイランを攻撃したいと好戦派やイスラエルは思っているからだ。
 今のところ、誰が実際に攻撃したのかを示す明確な証拠は見当たらないが、フーシ派がサウジアラビアの油田地帯を攻撃できるUAVやミサイルを開発しつつあったことは事実。
実戦でも使用されてきたと言われているので、フーシ派が行ったとする説が有力なようだ。
 いずれにしろ、アメリカ製の防空システムは石油施設を守れなかった。
・・・・・・

桜井春彦氏は、速報としては、誰が犯人とは書かず、以下のように書いただけだった。
2019.09.16   
◆サウジに対するイエメンの反撃で米好戦派の軍事力による中東制圧の破綻は明確に 
引用・・・
今回の攻撃についてアメリカのマイク・ポンペオ国務長官はイランが実行したと非難、イランはその主張を否定している。またイラク領からの攻撃があったとする情報もあるが、これをイラク政府は否定した。
・・・・

次に、国際政治学者の藤井厳喜先生は、直接はフーシ派が犯行声明しているが、バックにイランがいるだろうと、米国のポンペオの発表通りの説。加えて、巡航ミサイルで攻撃した説もあるので、巡航ミサイルをフーシ派が単独で使えるわけもないので、安倍首相のイラン訪問時の日系タンカー攻撃の時と同様、イラン革命防衛隊の「はねっかえり」が暴走して、フーシ派を使ってやった可能性もあるとする説です。(ワールドフォーキャスト10月上旬号にて)

しかし、この藤井説は、以下の点で不自然です。
これほど重大な、国家的犯罪、国家同士の戦争の戦端を開くような攻撃を
イラン軍部の厳しい軍事規律の中で、イラン政府に不満を持つはねっかえりのイラン革命防衛隊のメンバーが勝手に暴走してやったと言う期は、考えにくいです。
こうした反逆をすれば、反逆工作者は厳しく粛清され死刑もあり得ますが、粛清されたという報道もありません。

また、藤井厳喜先生は、ウォールストリートジャーナルの記事を引いて、
「トランプ政権はイエメンのフーシ派と直接対話をする準備を進めていた」としています。
そうした準備が、今回の攻撃事件で、すべておじゃんになってしまったと。
つまり、
イエメンでの紛争を解決させたくない勢力の仕業である可能性がある、ということです。

次に、田中宇氏は、無料記事の範囲内では、フーシ派が犯人説(犯行声明通り)のようです。
【田中宇2019年9月24日】 サウジ王政はイエメン戦争で苦戦し、フーシ派に反撃されて製油所を破壊されて窮地に陥り、米国との関係をあきらめてイランと和解せざるを得ない状況になった。中東は、イラン、イラク、シリア、レバノンといった「イラン陣営」と、サウジ、UAE、トルコといった「非米諸国への鞍替え組」、それからエジプトやヨルダン、パレスチナといった「いずれムスリム同胞団の国になる諸国」に分類され、従来型の対米従属の国がなくなっていく。イスラエルも米覇権衰退後に「非米諸国への鞍替え組」に入る。今回のサウジの製油所に対する攻撃は、こうした「トランプ中東覇権放棄の大詰め」の始まりを告げるものだ。
・・・・・・

以上、藤井厳喜氏、桜井春彦氏、田中宇氏、と3氏の見解を見てきました。

次に、真犯人扱いされているイランの主張を見てみましょう。
リンクが不具合の時は、こちら経由でどうぞ。

引用・・・
イラン外務省は、(・・・)イランがサウジアラムコ社の石油施設攻撃の背後にいるとした米政府の主張に反論し、
「イランは攻撃には関与していない。米トランプ大統領とポンペオ国務長官の主張は嘘だ」としました。(・・・)
イエメン軍は14日、サウジ主導アラブ連合軍への報復として、10機の無人機でサウジアラビアの石油施設を攻撃しました。
その後、イエメン軍の報道官は声明の中で、
「今回の作戦はサウジ連合軍の侵攻とイエメンを5年間包囲した犯罪に対する報復だった。イエメン人の正当な権利の枠組みの中で行われたものだった」と表明しました。
・・・・・・

さて、ヤフーの記事を見ても、ドローンだけでなく、巡行ミサイルが使用されたのは明らかと言えるでしょう。

ロイターの写真をみても、穴の形が巡行ミサイルによるものです。



焦点:サウジ防空システムに欠陥、ドローン攻撃に無防備

・・・・・・
以上を材料にして、当総研の見解を述べます。

結論としては、
ディープステート・サイドの「なりすまし、偽旗作戦」の可能性が極めて高いと言えるでしょう。
安倍首相のイラン訪問時の日系タンカー攻撃と同様、イランには、ここで、サウジと戦争をするために積極的に戦争を仕掛けて行く必要は皆無なので、動機がありません。
加えて、サウジ側にしても、国防相を兼任するサルマン皇太子が、今回の攻撃を防げなかったことで、皇太子の国防手腕や政治能力への懸念と批判の声が高まっている、という報道から推察して、今回の攻撃は、反ディープステート側であるサルマン皇太子潰しの材料になりうるものでした。

7機の巡行ミサイルを正確に標的に命中させるには、
衛星システムを使用した誘導が必要です。そして、目標付近では、衛星誘導から地上誘導に切り替える必要もあります。
そうした高度な軍事システムを保有している勢力は、極めて限定されます。
少なくとも、フーシ派は、巡行ミサイルには関わっていないはずです。
ということは、やったのは、あそこか、或いは、あそこか・・・・。


本日は以上です。
それではまた。

(補記)
2020年1月3日のトランプ政権による
イランの革命防衛隊のコッズ部隊のソレイマニ司令官の殺害により、
「ソレイマニ司令官がディープステート側の工作員であったこと」が
Q 情報により、明らかにされました。
このことから、
サウジアラムコ油田施設の巡行ミサイル攻撃も
コッズ部隊によるものと、推察されます。


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