【子規365日】■6月1日
其中(そのなか)に衣更(ころもか)へざる一人かな 1896(M29)年
夏井いつき【子規365日】朝日文庫
一茶さんの俳句です。矢羽勝幸 ジョイ・ノルトン「雪五尺 四季の一茶」信濃毎日新聞社 より
金田一春彦「ことばの歳時記」新潮文庫 より 《衣がえ》
瀬戸内寂聴・齋藤愼爾「生と死の歳時記」知恵の森文庫 より 《衣更》
谷口 璽照さんのコメントです。
《お説教から (谷口璽照)
「何事も時ぞと思え夏きては 錦にまさる麻の羽衣」
何事によらず、時ということがあります。花見に出掛けるのは弥生の頃、月を眺めるのは旧暦八月十五夜、紅葉狩りは秋。炬燵は冬、蚊取り線香は夏。夏の炬燵に冬の蚊取り線香、誰も手を出しません。
季節が違うんです。冬には綿入れでなければ売れませんが、夏には単衣(ひとえ)でなければ売れません。40℃を超えるような猛暑日に、狐の襟巻を買う気にはなれないでしょ。法然さまの時代は自力修行の寒中ゆえ、念仏の中に信心の綿を入れて広めたもうが念仏為本。しかるに親鸞聖人は末法万年の土用の中ゆえ、信心正因の単衣をもって広めたもうなり。》
何事によらず、時ということがあります。花見に出掛けるのは弥生の頃、月を眺めるのは旧暦八月十五夜、紅葉狩りは秋。炬燵は冬、蚊取り線香は夏。夏の炬燵に冬の蚊取り線香、誰も手を出しません。
季節が違うんです。冬には綿入れでなければ売れませんが、夏には単衣(ひとえ)でなければ売れません。40℃を超えるような猛暑日に、狐の襟巻を買う気にはなれないでしょ。法然さまの時代は自力修行の寒中ゆえ、念仏の中に信心の綿を入れて広めたもうが念仏為本。しかるに親鸞聖人は末法万年の土用の中ゆえ、信心正因の単衣をもって広めたもうなり。