![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/d0/55a663e091d9a3bc8b5eea4bd6fb509e.jpg)
能登の観光地を、ぐるっと回ってきた。
天候は最悪であった。
前日から気温ががくんと下がり、風が強く、雨も降った。
それでも、とにかく行ってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/af/f47c0eefd134600ec029d1c3aa9d36ef.jpg)
能登半島の中ほど、旧富来町の海岸線には、険しい断崖や奇岩が多い。
それらが能登金剛と総称されている。
その南端にあたる巌門は、無傷のようだった。
潮が満ちていて、おまけに波がものすごいから、洞窟に降りるのはやめたけど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/26/7aef5f5404f67c84630d6a9b02864186.jpg)
入り口にあるドライブイン「能登金剛センター」も、元気に通常営業。
貝類のつくだ煮と焼き海苔を買う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c4/a57c1c70e7a69e682c6bea1d84bbcf4e.jpg)
機具岩(はたごいわ)も無事。
…にしてもすごい風と波。
駐車場脇の無料休憩所が退避所に思えた。
国道249号線を北上し、旧富来町の中心部にさしかかると、海辺の公園に、ごみが堆く積み上げられていた。
八朔祭り(能登のキリコ祭りのひとつ)のときには、観光客向けの臨時駐車場になる場所だった。
マスメディアから流れてくる情報はどうしても旧門前町に偏るが、隣接する旧富来町の被害も大きい。
オレンジのウィンドブレーカーを着た、たくさんのボランティアが片付けをしていた。
忘れられてはいない。
ちゃんと、手は差し伸べられていた。
能登金剛の北端にあたるヤセの断崖が崩れたことは、ニュースで見て知っていた。
敢えて、行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/8f/70e7173bc096a62bee8f6416c0c0f6b4.jpg)
近くの「義経の舟隠し」はまったく無事。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/b6/7a96afa7c919b6c0410dd6d515a364c8.jpg)
古びた遊歩道にはひび割れも見られたが、とくに歩きにくくもなかったから、たんに古くなって傷んだだけかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7d/18f714d4bc5c79bb9a6b1e2cc227627e.jpg)
ヤセの断崖は崩落して形が変わっていた。かつては断崖の突端近くまで歩けたが、いまは立入禁止になっている。
地震で損傷した家屋を見ると、破壊された暮らしが思われて、胸が痛む。
だが、ヤセの断崖に関しては、「残念」という感情がわかなかった。
ただ、感動だけがあった。
それは、人が作り、命を与え、守ってきたものと、自然に出来上がったものとの違いだろう。
たとえば、わずか十万年遡るだけで、ここは全く違う姿をしていた筈なのだ。
ひょっとすると海岸でさえなかったかもしれない。
それが、長い長い年月を経て、隆起や沈降、侵食や崩落によって、あの、人の横顔に似た奇岩が形成された。
今回、それが失われたこともまた、自然による造形のひとつに過ぎない。
たかだか百年に満たぬ寿命の人間が今、地球が鏨(たがね)を打ち込む瞬間に立ち会うことができた。
それを私は、純粋にすごいと思う。
天候は最悪であった。
前日から気温ががくんと下がり、風が強く、雨も降った。
それでも、とにかく行ってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/af/f47c0eefd134600ec029d1c3aa9d36ef.jpg)
能登半島の中ほど、旧富来町の海岸線には、険しい断崖や奇岩が多い。
それらが能登金剛と総称されている。
その南端にあたる巌門は、無傷のようだった。
潮が満ちていて、おまけに波がものすごいから、洞窟に降りるのはやめたけど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/26/7aef5f5404f67c84630d6a9b02864186.jpg)
入り口にあるドライブイン「能登金剛センター」も、元気に通常営業。
貝類のつくだ煮と焼き海苔を買う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c4/a57c1c70e7a69e682c6bea1d84bbcf4e.jpg)
機具岩(はたごいわ)も無事。
…にしてもすごい風と波。
駐車場脇の無料休憩所が退避所に思えた。
国道249号線を北上し、旧富来町の中心部にさしかかると、海辺の公園に、ごみが堆く積み上げられていた。
八朔祭り(能登のキリコ祭りのひとつ)のときには、観光客向けの臨時駐車場になる場所だった。
マスメディアから流れてくる情報はどうしても旧門前町に偏るが、隣接する旧富来町の被害も大きい。
オレンジのウィンドブレーカーを着た、たくさんのボランティアが片付けをしていた。
忘れられてはいない。
ちゃんと、手は差し伸べられていた。
能登金剛の北端にあたるヤセの断崖が崩れたことは、ニュースで見て知っていた。
敢えて、行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/8f/70e7173bc096a62bee8f6416c0c0f6b4.jpg)
近くの「義経の舟隠し」はまったく無事。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/b6/7a96afa7c919b6c0410dd6d515a364c8.jpg)
古びた遊歩道にはひび割れも見られたが、とくに歩きにくくもなかったから、たんに古くなって傷んだだけかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7d/18f714d4bc5c79bb9a6b1e2cc227627e.jpg)
ヤセの断崖は崩落して形が変わっていた。かつては断崖の突端近くまで歩けたが、いまは立入禁止になっている。
地震で損傷した家屋を見ると、破壊された暮らしが思われて、胸が痛む。
だが、ヤセの断崖に関しては、「残念」という感情がわかなかった。
ただ、感動だけがあった。
それは、人が作り、命を与え、守ってきたものと、自然に出来上がったものとの違いだろう。
たとえば、わずか十万年遡るだけで、ここは全く違う姿をしていた筈なのだ。
ひょっとすると海岸でさえなかったかもしれない。
それが、長い長い年月を経て、隆起や沈降、侵食や崩落によって、あの、人の横顔に似た奇岩が形成された。
今回、それが失われたこともまた、自然による造形のひとつに過ぎない。
たかだか百年に満たぬ寿命の人間が今、地球が鏨(たがね)を打ち込む瞬間に立ち会うことができた。
それを私は、純粋にすごいと思う。
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