今月は、ブログの更新は滞り、本もほとんど読めていませんが、いろいろと充実していたので良しとします。来月から学生生活最後の夏休みです。遊ぶところは遊び、やるところはしっかりやろうと思います。
『ブレイブ・ストーリー(上)(中)(下)』
宮部 みゆき〈著〉 角川書店
☆☆☆☆☆☆
少年ワタルが、自分の運命を変えるために、玄界へと旅立つ物語です。
「模倣犯」以来、約六年ぶりに宮部作品を読みました。宮部さんは大好きな作家の一人ですが、ファンタジーには初めて手を出しました。
序盤は、ワタルの家庭の問題が書かれています。離婚騒動に揺れる家族、関係者の描写が生々しくて、ぐいぐいと引きこまれました。てっきりファンタジーがすぐに始まると思っていたので、いい意味で肩透かしをくらいました。
ワタルの不条理な運命がたっぷりと書かれたあと、幻界を舞台にした物語へと展開します。母親がガスで心中を試みる現実から剣と魔法が登場するファンタジーへと世界観が一変するので、少しだけ戸惑いました。
幻界を訪れて、いきなり殺人事件が起こるところは、さすが宮部作品だなと思いました。ヒトの悪意も容赦なく書かれていて迫力があります。
水人族のキ・キーマ、ネコ族のミーナとともに繰り広げる冒険は、だんだんと読むのがつらくなってきました。物語の先が気になって仕方なくなるような、小説を牽引する要素があまりなかったからだと思います。ワタルが旅をしていくにつれて成長していく様子は好感がもてましたが、もうちょっとストーリーに緊迫感がほしかったです。
読後は、ボリュームが多いこともあって、それなりに心地よい疲労を感じられました。小説の世界観はしっかりと構築されているし、怪物との戦闘シーンも読み応えはあるので、ファンタジーが好きな人には楽しめる小説だと思います。
『ブレイブ・ストーリー(上)(中)(下)』
宮部 みゆき〈著〉 角川書店
☆☆☆☆☆☆
少年ワタルが、自分の運命を変えるために、玄界へと旅立つ物語です。
「模倣犯」以来、約六年ぶりに宮部作品を読みました。宮部さんは大好きな作家の一人ですが、ファンタジーには初めて手を出しました。
序盤は、ワタルの家庭の問題が書かれています。離婚騒動に揺れる家族、関係者の描写が生々しくて、ぐいぐいと引きこまれました。てっきりファンタジーがすぐに始まると思っていたので、いい意味で肩透かしをくらいました。
ワタルの不条理な運命がたっぷりと書かれたあと、幻界を舞台にした物語へと展開します。母親がガスで心中を試みる現実から剣と魔法が登場するファンタジーへと世界観が一変するので、少しだけ戸惑いました。
幻界を訪れて、いきなり殺人事件が起こるところは、さすが宮部作品だなと思いました。ヒトの悪意も容赦なく書かれていて迫力があります。
水人族のキ・キーマ、ネコ族のミーナとともに繰り広げる冒険は、だんだんと読むのがつらくなってきました。物語の先が気になって仕方なくなるような、小説を牽引する要素があまりなかったからだと思います。ワタルが旅をしていくにつれて成長していく様子は好感がもてましたが、もうちょっとストーリーに緊迫感がほしかったです。
読後は、ボリュームが多いこともあって、それなりに心地よい疲労を感じられました。小説の世界観はしっかりと構築されているし、怪物との戦闘シーンも読み応えはあるので、ファンタジーが好きな人には楽しめる小説だと思います。