キーボードを買い、髪を切り、お酒も飲んで、いい気分で今月のブックレビューです。
『イン・ザ・プール』
奥田 英朗〈著〉文藝春秋
☆☆☆☆☆☆☆
トンデモ精神科医の伊良部と、悩める患者たちのドタバタ短編集です。筒井康隆からちょっと毒気を抜いたようなストーリーでした。
伊良部医師のキャラクタが抜群にいいですね。会話のテンポも良いのですらすらと読めます。
ご都合主義のストーリー展開がたまにありましたが、スラップスティックものとして純粋に楽しむことができると思います。
『最悪』
奥田 英朗〈著〉講談社
☆☆☆☆☆☆☆☆
「イン・ザ・プール」が楽しかったので、奥田英朗を続けて読みました。これぞ群像劇!という感じでかんなり面白かったです。
小説のボリュームは多めですが、ストーリーのスピード感がたまらなく良いので途中でだれることはありません。群像劇ならではのサスペンス、構成の面白さも味わえて、あっという間に読めました。これは自信を持って薦められる小説です。
『ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集』
筒井 康隆〈著〉新潮社
☆☆☆☆☆☆☆
川端康成文学賞を受賞された表題作、キモ楽しい「薬采飯店」、不思議な質感の「エロチック街道」など、筒井康隆の魅力が存分に味わえます。
なかでも、「九死虫」という短編がいちばん面白かったです。九回死ぬことのできる虫が死の恐怖について生々しく語っており、とても興味深かったです。ふわふわと、幻想的な気分に陥りたい人に薦めたいです。
『そして扉が閉ざされた』
岡嶋 二人〈著〉講談社
☆☆☆☆☆
地下のシェルターに閉じ込められた四人が、脱出を試みながら、過去に起きた事件の真相を暴いていきます。密室の状況で行なわれる推理は緊迫感があって、途中までは面白かったです。
人によって評価は分かれそうですが、僕は、結末に納得がいきませんでした。
『迷路館の殺人』
綾辻 行人〈著〉講談社
☆☆☆☆☆☆
館シリーズの三作目です。結末の意外性はあると思いますが、なんとなく読者を置き去りにしている感じがしました。真犯人に関するトリックは面白かっただけに残念です。
『九尾の猫』
エラリイ・クイーン〈著〉大庭 忠男〈訳〉早川書房
☆☆☆☆☆☆
ニューヨークで起きた連続殺人事件。被害者にまったく共通点がないせいで捜査は難航します。そこでクイーンが名推理を発揮して、事件を鮮やかな解決に導くことを期待していましたが、そうは問屋が卸しませんでした。ただ、ひたすらクイーンが苦労しています。現実的な展開といえばそうかもしれませんが、説明的な描写が多いことも相まって、かなり退屈させられました。ミステリ小説というか、教科書という印象です。ストーリーの始め方や事件に対する街の反応など、小説を書く上で勉強になる箇所はいろいろありました。
『イン・ザ・プール』
奥田 英朗〈著〉文藝春秋
☆☆☆☆☆☆☆
トンデモ精神科医の伊良部と、悩める患者たちのドタバタ短編集です。筒井康隆からちょっと毒気を抜いたようなストーリーでした。
伊良部医師のキャラクタが抜群にいいですね。会話のテンポも良いのですらすらと読めます。
ご都合主義のストーリー展開がたまにありましたが、スラップスティックものとして純粋に楽しむことができると思います。
『最悪』
奥田 英朗〈著〉講談社
☆☆☆☆☆☆☆☆
「イン・ザ・プール」が楽しかったので、奥田英朗を続けて読みました。これぞ群像劇!という感じでかんなり面白かったです。
小説のボリュームは多めですが、ストーリーのスピード感がたまらなく良いので途中でだれることはありません。群像劇ならではのサスペンス、構成の面白さも味わえて、あっという間に読めました。これは自信を持って薦められる小説です。
『ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集』
筒井 康隆〈著〉新潮社
☆☆☆☆☆☆☆
川端康成文学賞を受賞された表題作、キモ楽しい「薬采飯店」、不思議な質感の「エロチック街道」など、筒井康隆の魅力が存分に味わえます。
なかでも、「九死虫」という短編がいちばん面白かったです。九回死ぬことのできる虫が死の恐怖について生々しく語っており、とても興味深かったです。ふわふわと、幻想的な気分に陥りたい人に薦めたいです。
『そして扉が閉ざされた』
岡嶋 二人〈著〉講談社
☆☆☆☆☆
地下のシェルターに閉じ込められた四人が、脱出を試みながら、過去に起きた事件の真相を暴いていきます。密室の状況で行なわれる推理は緊迫感があって、途中までは面白かったです。
人によって評価は分かれそうですが、僕は、結末に納得がいきませんでした。
『迷路館の殺人』
綾辻 行人〈著〉講談社
☆☆☆☆☆☆
館シリーズの三作目です。結末の意外性はあると思いますが、なんとなく読者を置き去りにしている感じがしました。真犯人に関するトリックは面白かっただけに残念です。
『九尾の猫』
エラリイ・クイーン〈著〉大庭 忠男〈訳〉早川書房
☆☆☆☆☆☆
ニューヨークで起きた連続殺人事件。被害者にまったく共通点がないせいで捜査は難航します。そこでクイーンが名推理を発揮して、事件を鮮やかな解決に導くことを期待していましたが、そうは問屋が卸しませんでした。ただ、ひたすらクイーンが苦労しています。現実的な展開といえばそうかもしれませんが、説明的な描写が多いことも相まって、かなり退屈させられました。ミステリ小説というか、教科書という印象です。ストーリーの始め方や事件に対する街の反応など、小説を書く上で勉強になる箇所はいろいろありました。