高山さん
「句集 雲の峰」上梓おめでとうございます。
長年の努力が実ってほんとうにおめでとうございます。
「型の美に惹かれる」とあとがきでも書いていらっしゃるように、
お茶、お花、日常生活の所作、しぐさに手際よくきびきび動かれる姿が
生まれつき備わっているものとばかり思っておりました。
実際は、型を熟知し、それにそぐわないものは、迷いなく捨てる。
その姿勢をつらぬいていらっしゃったからできていたのですね。
何も考えず、捨てられず、もたもたしている私としてはとても羨ましく
思っておりました。
その姿勢が俳句にはとてもうってつけでした。
早い段階から二句一章を上手に詠っていました。
天眠先生が檀さんの句は何が出るかわからない楽しさがあると
よくおっしゃって目を細めていた姿が印象てきでした。
最初に俳句の本質を厳しく叩きこまれ、
春月の戸恒主宰のもとで大きく花開いた気がいたします。
箸先で一度沈めておでん盛る
かざしては胸に当てては毛糸編む
竹ぐしで臍を弾きて梅酒漬く
振って買う魔除けの土鈴花曇
ストローで吸いこめさうな春の雲
細かい観察とユニークな着眼、
日常生活のなかに型の美を追求していらした檀さんならではの句が
私は特に好きです。
強力な応援を惜しまなかったご主人様、
野球をともに楽しみ戦っていらした二人の息子様の
お喜びはいかばかりでしょうか。
これからも佳い句を多作多捨して頑張ってください。
本日は本当におめでとうございました。