(2012年5月12日) 【中日新聞】【朝刊】
.因果関係不明 一宮市が改善指導
愛知県一宮市の介護施設「ニッケふれあいセンター今伊勢」に通所していた寝たきりの女性(88)が4月22日夜、自宅で亡くなっているのを帰宅した長女(58)が見つけた。施設のミスで当日予約していた送迎が来ていなかった。一宮市は介護保険法に基づき施設を立ち入り調査し、11日、施設に運営の改善を指導する文書を送付した。
亡くなった女性は寝たきり状態で認知症があり、たんの吸引が必要だった。デイサービス(通所介護)のための送迎を受けて施設にいれば何らかの対処ができた可能性がある。一宮署は司法解剖で、たんがのどに詰まっていないことは確認したが、死因を調べるとともに施設職員から事情を聴いている。
市や遺族によると、女性は長女と2人暮らしで、状態が最も重い「要介護度5」。一昨年3月から週5回ほど、長女の仕事がある日にデイサービスを利用していた。普段は出勤の1時間半後に合鍵を持つ施設職員が自宅に迎えに来て、施設でチューブによる食事提供やたんの吸引をしていた。
4月22日は、施設から長女に渡された個別の予定表で送迎の予定となっていたが、施設が管理している全利用者の予定表からは抜け落ちていた。女性は職員の送迎を受けずに自宅にいたままで、午後7時ごろ帰宅した長女が心肺停止状態で発見した。
市の指導文書は、施設が個別の予定表と全利用者の予定表を突き合わせて確認する作業を怠ったと指摘、改善策を求める内容。施設側は市の調査に、パソコンのエクセルソフトを使って個別の予定表にデータを入力すると自動的に全利用者の予定表に反映される仕組みで、照合作業はしていなかったと説明した。反映されなかった理由は不明という。
ニッケふれあいセンター今伊勢は、毛織物製造大手ニッケ(大阪市)のグループ会社「ニッケ・ケアサービス」(兵庫県加古川市)が繊維工場の隣接地で運営する定員25人の小規模多機能型の居宅介護施設。大跡秀男社長は取材に「確認を怠ったのは大きな問題だ」と過失を認めた。近く長女に経緯を説明し、謝罪する。
長女は「仕事をしながら介護するため通所型の施設を選んだのに」と話している。
法改正で在宅シフト
国は昨年6月、たんの吸引など医師や看護師にしかできなかった医療行為を介護職員でもできるように介護保険法を改正した。介護の現場は「入所型の施設から在宅へ」と重心が移され、要介護者と暮らす家族が1人しかいない「シングル介護」が増えている。
こうした家庭では要介護者が1人になる「空白の時間帯」が発生する。今回、立ち入り調査した一宮市の担当者は「施設が確実に送迎することは絶対条件だ」と強調する。
在宅介護と併用できる小規模な通所施設の重要性は高まる一方だ。施設の実態に詳しい淑徳大(千葉市)の結城康博准教授(社会福祉学)は「小規模施設はどこも人員に余裕がなく、予定表作りなどの事務作業がおろそかになりがちだ。介護報酬の引き上げといった財政的な支援が欠かせない」と指摘している。 .
hanacafeの父ももっとも重い『要介護度5』
父が倒れたのをきっかけにこのホ-ムヘルパ-2級を一番最初に習得!
『要介護度5』ですもの
いつかは、政策で在宅介護を押し付けられると思い…準備していました。
やはり、的中『シングル介護』が話題になる今日
『入所型の施設から在宅へ』とシングル介護への不安『空白の時間帯』を
どう解決への道のりは…一番弱い人にしわ寄せが…
もつと財政的支援が必要では…!?
hanacafeのバナ-です。