木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 端午の節句・鯉のぼり 」
‥さて 、早速 ‥
第5位 見上げる子たち口のあき方鯉のぼり (20点)
鯉のぼりみたいな口で子ら見上ぐ
7・7・5
字がどうしても余る時に上五で余らせる
ここはちゃんと押さえているが、
そこを押さえたことが 何ら効果を及ぼしていない
ルールを知っていたからといって どうって事はない句
全体が散文の叙述
「見上げる子たちの」「口の空き方はまるで」「鯉のぼりみたい」
調べ、詩が ほとんどない
誌の欠片をひと欠片入れる
「鯉のぼりみたいな」 「口のあき方で」 「見上ぐげる子たちら」
小さな詩の欠片は少しは入った感じ
第4位 蒼穹へ競いて跳ねる幟かな (55点)
蒼穹へ競いはためく幟かな
【蒼穹】 青空のこと
「跳ねる」とあるので「(鯉)のぼり」かな、と思う
「鯉幟かな」
「幟」にしたかったら 「競いはためく」
第3位 朝戸風隣家の幟雲揺らす (63点)
朝戸風雲揺る隣家の鯉幟
「朝戸風」風の名前を自分で調べて
その言葉を「キレイだな」と思って俳句に使いたいと思う
ここがとても大事な表現行為
「朝の戸の風」 響きもキレイ
「雲揺らす」 雲の表情を描写したあたりもいい
問題点が1か所だけ
「幟」も「鯉のぼり」も どちらも季語
「鯉のぼり」は鯉が泳いでる、「幟」は旗がはためいている
描きたいのは「鯉のぼり」のほう
真ん中の7音が8音になってしまうけど、自分の描きたい光景に寄せていく
「朝戸風」「雲揺らする」「隣家の鯉幟」
読み手に誤解されない表現を
「幟」も「鯉のぼり」も端午の節句を表す季語
鯉のぼりを詠みたいのなら明確に「鯉幟」としなければ
写真を見ていない人は全然違う光景を思い浮かべてしまう
第2位 雲がゆく又雲がすぎ鯉のぼり (73点)
雲がゆき又雲がすぎ鯉のぼり
5月の雲が生き生きと表現されている所が上手い
読んだ時に気持ちいい
俳句をカットの切れ目という形で考えた時に
悩ましいところが1点だけ
「雲がゆく」 雲がゆき /又雲がすぎ鯉のぼり
全部がゆっくりと流れながら 最後の鯉のぼりに焦点が当たっていく
こういう形にしたほうが この俳句にとっては良い
1カットのシーンでスーッと動いていって 最後に鯉のぼりに焦点が当たる
上手いです
必要ゆったりとした句は1カットの映像で
「雲がゆく」のように 俳句を途中で区切ると
そこから映像のカットを切りかえる効果があるが
この句の場合は、1カットの映像をゆったりと描くのが正解
第1位 青く濃きさつきの空に舞う大魚 (75点)
青く濃きさつきの空を舞う大魚
「さつき」 ひらがなで書いた配慮も本当に良い
時候の季語 「さつき」自体は映像を持っていない
「さつきの空」 5月の明るい空は見えてくる
「さつき(季語)」+「大魚」 → 「鯉のぼり」
根本的に表現しようとしているレベルが違う
惜しいところがちょっとだけある
動詞「に」は 単純な場所を示す
「さつきの空にを」 大魚に動きが出てくる
空を動いていく、 経過していく空間を表現
「舞う大魚」 結構みんなが使う表現、ちょっと手垢が付いた感じがする
「舞う行く大魚」 大魚は「舞う」なんて踊っている場合ではない
ガーッ!!!と進む感じ 特待生クラスの句になる
見直した
そして 、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生1級の 梅沢富美男さんっ!
菖蒲葺く背伸びの空や鯉3つ
菖蒲葺く背伸びの空や鯉三つ
「菖蒲葺く」が出てきたことに ささやかな驚きを感じた
【軒菖蒲】 菖蒲の束を軒につるして邪気や災厄を防ぐ端午の節句の習慣
この後が上手い
「背伸びの空や」 背伸びの向こうに空がバーッと広がる
その空は、当然、5月の節句の頃の空
映像の作り方はさすが
「や」の切れの使い方 カットが変わって 鯉の姿に切り替わる
この映像的な効果も十二分に分かっての形
果たして 査定はっ ‥‥‥ 現状維持ーっ!
降格させるか迷うほどの凡ミス!
「3つ」 敢えてやったの? そう!
この流れで算用数字を入れちゃダメ! ここは普通に漢数字!
鯉の出荷票 「はぃ、鯉3匹ですかぁぁぁぁ」みたい
降格させたいくらいの話
名人への道は今、ガラガラと崩れ落ちております
先生!現状維持? 上五・中七が上手いからねぇ ‥
ちょっと血迷っただけだから ‥ 次に期待
俳句の雰囲気に合わせて一語一語をこだわり抜く
俳句に算用数字がタブーということはない
ただ、今回の句の場合は漢数字が正解
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