花日和 Hana-biyori

進撃の巨人 23巻 ネタバレのあらすじと感想

23巻 エレンたちのいるパラディ島ではなく、大陸マーレ側から内情が描かれる巻。ライナーたちに続く巨人の器、“戦士候補生”の子供たちが登場する。

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マーレは9年前から始めたパラディ島の始祖奪還作戦が失敗し、2つの巨人(女型と超大型)が失われたことで国力が低下したと諸国からみなされ、4年前から戦争を仕掛けられていた。

戦士候補生の少女ガビや、顎(アギト)、車力(シャリキ)の巨人、ジークやライナーらの活躍でかろうじて中東連合戦には勝利したが、他国は対巨人戦のための兵器の技術力を高めており、もはや巨人の力だけに頼ることはできない時代になっていた。

それをマーレ軍トップも認めざるを得ず、ジークが「軍備を増強する間にパラディ島の始祖の巨人奪還を急ぐ」よう進言すると了承される。再びパラディ島に刃が向けられることになる。

■ライナーの幼少期

鎧の巨人であるライナーはマーレ名誉市民として子供たちの尊敬を集めていたが、親族の前で“パラディ島の悪魔”のことを上手く(悪く)話せない。

ライナーは母子家庭で、母親から「父さんがマーレ人だから一緒に暮らせない」「私達には過去に悪いことをした悪魔の血が流れている」と聞かされて育った。ライナーは家族三人で暮らすため戦士候補生に志願する。

ライナーが厳しい訓練に耐える同じ頃、エレンは壁内で青空を見つめ退屈な日々をぼんやり過ごしていた。

■104期兵、ユミルの最期

無垢の巨人だったユミルがたまたま喰ったのは、ライナーの戦士候補生の同期ポルコ・ガリアードの兄マルセルで、アギトの巨人だった。これによりユミルは無垢から9つの巨人の一人になる。(人間にもどったユミルは訓練兵となりヒストリアやエレンたちと出会う)

一度目の始祖奪還に失敗したライナーたちと共にマーレに渡ったユミルは、ヒストリアに手紙を残した後、自分の意思でガリアード弟に喰われ命を絶つ。

■ガリアード弟とライナーとの確執

ユミルを喰ったガリアードの弟ポルコはアギトの巨人を奪還。ユミルの記憶も受け継ぎ、ライナーがパラディ島で頼りになる兄貴分をしていたことを知りライナーに皮肉をぶつける。ライナーは罪悪感まみれで全て認めざるを得ない。

*** 感想

冒頭の戦いでは、エルディア人の集団を巨人爆弾として飛行船から投下するなど、マーレ人も大概だと思う残虐非道さが目に余る(ジークの脊髄液を注射されたエルディア人は、ジークが叫んだだけで巨人化する)。「パラディ島の悪魔」ってどの口が言うのか、という感じ。これではマーレもエルディア人ごと世界から批判を浴び驚異の対象になるのも当然だ。

マーレにいるライナーの母は憎しみを“パラディ島の悪魔”に向けているが、「悪魔の血」と蔑む所業を自分達がマーレにされていることには、目を逸らし続けている。恐らくその状況なら、それに気付いて憎しみをマーレに向ける人々が、エルディア復権派だけでなく他にいてもおかしくない。

しかし子供のころからの教育によるものだろう、ガビが「私達は島の悪魔とは違うことを証明する」という強い意思で迫害者たちのために戦うのが痛々しい。
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