お久しぶりです。4月はアップできませんでした。このままズルズルとフェードアウトにならないように、がんばってアップしておきますw (特に義務ではないけれど)
いまだ、収束とならない福島第一原発の「原発震災」について、自分メモとして少しまとめておこうかと思いました。
山のような情報、そのひとつひとつが長文の、決して読みやすいとは言えない文章で、かつ刻一刻と状況も変化もしていきます。
いったいどれが最新情報で、あの件はどうなっただろう。誰か進捗状況をまとめてくれないかしらと思ったんですが、そのまとめサイトを探すのも大変なので(まとめ方自体に吟味が必要だし)、とりあえず自分でやっていこうと思いました。ずいぶん抜けているので、あとから追加していくという、ゆるい体制でやろうと思います。(おすすめのサイトがあればご紹介願います。)
なぜまとめようと思ったか。
ご存知の通り、4月29日に原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が内閣官房参与を辞任し、衝撃的な記者会見を行いました。
資料の全文はここ(NHK「かぶん」ブログ)で読めますが、何が衝撃的かと言うと、原子力災害対策の柱である「環境、放射線、住民に係る部分」すなわち「放射線防護」を中心にカバーしておられた小佐古氏が、現政権の対応を場当たり的と厳しく批判し辞任していったということです。
特に、小中学校などの限界放射線量を文部科学省が年20ミリシーベルトに決めたことについて、「自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と涙ながらに訴えたことは、皆様ご存知と思います。
ワタシとしては、原子力災害対策のもうひとつの柱「原子力プラントに係る部分」はもうどうでもいいのです。もちろん原子炉の状態がいつまでも放射能を出し続けるのではいけないわけですが、これは現場のエンジニアや作業員の方々(あるいは原子力工学の研究者の方々?)に頑張ってもらわないと我々には最初からどうしようもない部分なのです。
祈るしかないってやつね。。。最初の頃にみんなでやったよねw
しかし、「環境、放射線、住民に係る部分」に関しては我々自身が何とかできる話だと思うのです。もちろん公式発表に従うもよし。公式発表に留保をつけ独自に防護するもよし、という選択が可能という意味で。。
ですから、「原発震災」のまとめと言っても、「原子力プラントに係る部分」は省こうと思います。「環境、放射線、住民に係る部分」に関して、ワタシの疑問に思う部分をまとめていきたいと思います。(解決したら随時、追加で訂正入れます)
ではどぞ。
【はじめに】
公式発表のまとめと言えば、このページですね。ここから各省庁の情報にもつながります。更新情報も随時アップされております。
直近の政府発表の平成23 年(2011 年)東京電力(株)福島第一・第二原子力発電所事故(東日本大震災)について[PDFファイル] はすごいですよ。5/8現在で262ページもありますけど、これまでの経緯がすべてまとまっております(正確にかどうかは私にはわかりませんが。。)
(5/11)上のPDFファイルは、日付ごとにURLが変わるみたいですので、リンクを外しました。首相官邸ホームページから辿ってください。
特に「原発震災」関連情報についてはこちらが簡潔にまとまっていますね。
とりあえず、このページの項目分類に沿って、ここでもまとめていきたいと思います。
それから、原子力政策のお膝元、経済産業省のページも素晴らしい。こっちのほうが詳細なデータを調べる際には便利かな。。私には見やすかったです。
【1.放射線量計測】
文部科学省管轄ですが、SPEEDIの予測結果が5月2日からようやく公表されることになりましたね。これも小佐古氏が辞任の際に指摘したことでした。「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」が法令などに定められた手順どおりに運用されていないという訴えでした。
文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI) これまでの予測計算結果
(5/11)上のSPEEDIの結果公開は5/5まで更新が止まっているようですので、あたらしいページをリンクいたします。。。
文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による計算結果
単位量放出を仮定した予測計算結果(これまでに行った1時間毎の予測)
確かに今頃公開しても「迅速」とは言えないですもんねw(一般に公開する決まりはなかったという話もありますがどうなんでしょうか)
実はこのシステムを2~3年前に知ったときは、こりゃパニックになるぞと思いましたが、きっと為政者もそう思ったんでしょうね。んで、パニックになる機会さえ与えられなかったわけですね(ツイッターでもつぶやきました。しつこくてスミマセン)
SPEEDIは、放射能影響の広がり(予測)だけなので、実測値(地表あたりの数値)とは分けて考えるベキなのは当然ですね。(しかも放射能雲の広がりのみらしい)
んでも、その実測値が、最も早くても3月16日からしか測られてないんですよね。これ文部科学省の表です↓
(5/11)研究者の有志の方々の労作。上にリンクした文部科学省の表と趣旨はかぶりますが、文部科学省の表の測定地点2138地点より多いですね。データは3/30以降の福島県、文部科学省の公開データを使っているようです。
「福島県内4,400箇所の放射線量を可視化し、年間積算被曝量も推定してみた」
ツイッターで大人気のハヤノさん( @hayano)は放射能汚染が広がったのは、3月15日からだと断言してはるんですが、実測値がないのにどうして断言できるのかなー。
http://twitter.com/hayano/status/65789323257184257
↑ つぶやきによると、雨が降ったかららしいですね。。。放射性の「雲」から雨が降って落ちてきたという極めて単純な推測なんですね。
そんなわけで、3月12日、15:36の最初の爆発(1号機)後の放射線量がわかる資料としてはこれ(東電のモニタリングカーによる福島第一原発内の計測結果:PDFファイル)だけしかみつかりませんでした。どなたか他にご存知でしたら教えてください。
↑ と思ってたら。。。このPDFファイル、ツイッターでつぶやいた直後に消えちゃったみたいなんですよね。。関連は不明ですがw 3月12日、15:50の計測が激増してたんだけどな。まぁ、水素爆発があったのだから当たり前ですが。。。
(5/11)と思ってたら。。。PDFファイルが復活していました。んで、確認してみますと、15:50の値は、それほど高くありませんでした。。(小数点以下の桁が一桁多くてずれていたようです。すみません。)そのかわり、3月12日の10:20頃と10:30頃の正門の計測値が大きいですね。12日の10:17からベントを開始した影響でしょうか。
(んでも、最初の頃ツイッターで、「計測機器も地震か津波で壊れちゃって計測できてないのか?」「それはありえないだろ?」というやりとりをしたんだっけ。。。どうなってるんだろう。ホンマに不思議www)
今、3月12日の爆発直後の近隣の町村の放射線量がわかる資料としては、広河隆一氏らが、双葉町に3月13日に特攻取材した際の、ガイガーカウンター振り切れした映像のデータしかないんですよね?
(5/11)当初は公式に計測できないのは計測機器が壊れてしまってるんだから仕方が無いと思ってましたが、ツイッター上でやり取りするうちに仕方が無いではいけない話なんだと気づかされました。モニタリングカー(つまり移動式)という方法があるんだし、近隣の町村を含めた放射線量をなんとかして計測しただちに公表すべきだったと思います。。。いや実は12日からデータはあり、公表していないだけではないか(爆)。。 池田香代子ブログ でまとめてもらってますが、あの放射線アドバイザーの山下氏も「3月12日からのデータもそのうち出る」と示唆してますし。。
水素爆発ってどれくらい飛沫が飛び散るんだろうなー。それって雲なんかになる前に落ちてるんじゃないだろうか。。
ハヤノさんが紹介されていた民間のシュミレーション会社によると、確かに広範囲に影響が広がったのは15日の夕刻からみたいです。
福島第一原発 緊急事態 大気放出に係る事故解析/㈱ヴィジブルインフォメーションセンター
でもこれ、前提となる放射線放出量に関しては「現状では正確な放出量がわかっておりません。正門における線量率に係数を掛けて放出量を見積もりました」となっているな。。
んで、12日の爆発直後はむしろ放出率が下がってる?ちょっとよくわかりません。。(どなたか教えてください)
(5/11)爆発しても放出量が上がるとは限らないそうです。何故なのかわかりません。どなたか教えてください。。
(5/11)思うに爆発時に放射線の放出量が上がってないのは、10:17のベントの際に出し尽くしたからでしょうか。最初のベント(あるいは事故)は公式発表には書かれてないですが04:00だった可能性があるらしい(仏アレバの資料より)
あと、他に実測値の資料、ご存知な方がおられましたらお教えください。
というわけで、今回はこのへんで。。。
続いて、【避難/警戒区域の推移】【食品/水の制限推移】【放射線核種の分析問題】【補償問題】などについてまとめたいと思います。続くかな。。。
最後に、有用と思われる情報のいっぱい詰まったサイトをいくつかあげておきます。お暇なときに目を通してみてください。