新しい事業仕分けが始まり、Twitterのタイムラインが、いつになく、かまびすしい今日この頃。皆さん、いかがお過ごしですか。
「事業仕分け」でググって来てくださってる方も多いみたいですが、何を書いても「唇寒し」となりそうなので、今日は別の話題を。(USTで中継されて録画も保存されているようなので、ちゃんと聞いてから書きますぞ)
そんなわけで・・・。
普天間基地の返還問題、約束された期限まであと1ヶ月と迫りました。
本日の時事通信ニュースで、たいへんな記事が出ております。これは事実なのでしょうか。
「桟橋方式」軸に調整へ=現行案修正、名護市長は拒絶-普天間@時事ドットコム
辺野古沿岸部を埋め立てて、2本の滑走路をV字型に建設する現行計画について、首相は24日、「自然に対する冒涜(ぼうとく)」と再検討を強く否定した。これに関し防衛省幹部は27日、「首相が埋め立ては駄目だと言うのでくい打ち桟橋方式を検討する」と明言した。辺野古の沖合の浅瀬に1500メートル級の滑走路を建設する案が有力とみられる。
防衛省幹部の発言ですね。まったく情けない・・・。
もちろん自民党政権で13年間行き詰ってきた、それだけ解決の困難な問題。そう簡単に奥の手があるとは思えなかったわけですが、これはあんまりだ。
ここまできて、辺野古沖に戻る案は、もうありえないと思ってました。フジか日テレが修正案を提出したと報道をした翌日、即座に鳩山総理は否定されてましたしね。でも、今度は時事通信・・・。
辺野古沖と言えばジュゴン。 幸せのマスコット・ジュゴンですぞ
そういうイメージが定着しているところに、ヘリポートを造るんですか。恥知らずやな、ホンマに。
今年2010年は、生物多様性年で、生物多様性条約の締約国会議COP10が10月に名古屋で開催されるし日本がホストなのです。
あと国際ジュゴン年でもあるのですし。
これで辺野古沖(修正案)なんぞに決まったら、世界中の笑いものですよ。
だってね、2010年国際ジュゴン年ってNPOや市民が勝手に言ってるわけじゃないですよ。2008年10月に国際自然連合第4回世界自然保護会議で「2010年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の推進」が決議されてるわけです。
だからどうしたと言われればそれまでですが、内田せんせいの理路に従えば、アメリカは世界から不評を買うんですよ。もちろん日本も道連れですが。
内田せんせいの理路とはたいへん入り組んだものであります。
従者の復讐@内田樹の研究室
基地問題をめぐる外交交渉をめぐって、手札の限られた日本に許される「勝ち」は、「この交渉を通じてアメリカの国力を殺ぐこと」である。
アメリカ政府高官たちを悪代官的な「憎々しげ」な対応に追い込み、日本人の反米感情に心理的エネルギーを備給し、アメリカとは「軍事力だけで属国を恫喝しているあくどい超大国」であるというイメージを広く国際社会に印象づけ、国際社会における威信を低下させ、覇権を脅かし、ついには「帝国の瓦解」を達成することである。
基地交渉の過程でもし、日本政府がアメリカの植民地主義的本質を露呈させることに「成功」するならば、沖縄の基地問題が「解決しない」ということそれ自体が日本のアメリカに対する「得点」にカウントできる。
ふむ・・・。「解決しない」ことが日本の「得点」か・・・。
たしかに、「解決する」=「国外、最低でも県外」であればいいですけど、「現行案(辺野古沖)」に後戻りする可能性もあるなら、「解決しない」ほうがよっぽどいい。そして行き詰ったまま長引くほどアメリカは世界から不評を買う。アメリカの没落を誘引することで相対的に日本の立場を上げる作戦。
せこい!
せこいですけど、これが従者である日本の生きる道だと。
とすると、今回の「桟橋案」も。→「そんなのありえない」→「バカにするなアメリカ」→「世界:アメリカ酷いぞ」→「アメリカなんて嫌い」→「世界:日本がんばれ」→「日米同盟なんて破棄」みたいな展開になるんだろうか。
内田せんせいは、その後、鳩山総理にお会いになったようですが(政治と経済と武道について語る週末@内田樹の研究室)、こういった話を懇々とされたのかしらん。 ジュゴン保護区を!
ジュゴン保護キャンペーンセンターの方々
そんなわけで、もう1ヶ月前のことですが、ジュゴン保護キャンペーンセンターの勉強会で「国際生物多様性年」に関する話を聞いてきたので、次回はそれをご紹介します。(次回かよと。)
たいへんだー。