小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

193・194 陳根委翳 落葉飄颻

2022年02月20日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《陳根委翳 落葉飄颻》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「根」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、根にふくまれる「艮」は易の卦の名で、動きがとれないさまを象徴しているそうです。
 ここから、艮をふくむ字には、
 「いつまでもじっと残る」
 「じっと動かない」
 というイメージがあるといいます。
 根 艮(じっと跡が残る)+木 いつまでもじっと止まって跡を残す木の根。
 眼 艮(いつまでも残る)+目 頭蓋骨にのこる目玉を入れる穴。転じて、見分ける力。眼識。
 恨 艮(いつまでも傷跡が残る)+心 いつまでも悪感情が残るさま。
 限 艮(いつまでもあとが残る)+阜(盛り土) 盛り土をして、いつまで残る境界をつくる。限界。
 銀 艮(いつまでもあとが残る)+金 はめ込み細工で、はめ込んで後にのこる金属。
 墾 艮(いつまでも残る)+豚+土 豚が深く噛んで歯の跡をつけるさま。荒地に深くくわを入れるさま。
 懇 艮(いつまでも残る)+豚+心 心を細かくかみくだくさま。
 痕 傷跡。あと。血痕。
 齦 ギン。歯茎。歯の根本。
 艱 辛いこと。傷跡。艱難。災害で動きが取れないさま。
 となるそうです。
 艮が跡、というのは、字を見るとわかりやすいですね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

191・192 枇杷晩翠 梧桐早彫

2022年02月20日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《枇杷晩翠 梧桐早彫》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、梧のなかにふくまれる五は、2本の線の間にバツ(×)を入れた形で、「交わる」ことを示しているといいます。
 五をふくむ字には「交わる」というイメージがあり、
 語 吾(交わる+口で、他者と互いに交わる自分)+言 互いに言葉を交えるさま。
 悟 吾(二つのものが互いに交わる)+心 意識が対象と交差して、それがなんであるか悟るさま。
 伍 軍隊などで5人で一組の単位。
 吾 他者と交わる接点にあたる当事者。
 梧 果実が五つのがくをもった木。アオギリ。
 晤 互いに向き合う。面晤。
 寤 意識が対象と交差して目覚める。寤寐。
 齬 歯が互い違いになるさま。齟齬。
 となるそうです。
 
 プリントにある「梧桐一葉落 天下尽知秋」は、
 「梧桐一葉落チテ 天下尽(コトゴト)ク秋ヲ知ル」と読むそうです。
 「逍遥」「荷風」に続いて恐縮ですが、梧桐といえば俳人の河東碧梧桐がいます。
 碧なので、まだまだ青々とした葉なんでしょうね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
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189・190 渠荷的歴 園莽抽条

2022年02月18日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《渠荷的歴 園莽抽条》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「荷」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、荷のなかにふくまれる「可」は、¬型(直角)に曲がることを示し、口の形を合わせることで、声をのどで屈曲させて、かすらせてやっとだし、「まあ、よしっ」と怒鳴るさまを暗示しているといいます。ここから、
 何 可(直角に曲がる)+人 肩に荷を担ぐさま。この字が「なに?」という疑問詞で使われるようになったため、「荷」がもとの意味で使われるようになった。
 荷 可(直角に曲がる)+艸 葉が茎の上にT字型に乗っている草。ハス。転じて、担う。出荷。
 河 可(直角に曲がる)+水 直角に屈曲して流れる川。とくに黄河。
 歌 哥(声を喉でかすらせてうなるさま+可)+欠(しゃがんで大きな口を開けた人の形) うた。哥を「あに」の意味で使うため、あらためて歌の形にした。
 阿 くま。山や川が曲がって入り組んだところ。
 呵 声をかすらせて怒鳴る。呵責。
 苛 かすらせてヒリヒリするさま。苛政。

 「荷」が、本来はハスの意味であることを、このプリントをつくっていて初めて知りました。
 そして、永井荷風の「荷風」が、ハスの花のうえを吹く風であることも、初めて知りました。
 なんとおしゃれな名前なんでしょう。

 逍遥でも書きましたが、千字文は江戸時代の寺子屋で使われていた漢字のお手本です。そのころの子どもたちは「荷」がハスを意味していたことは、あたりまえのように知っていたのでしょう(少なくても、まじめに寺子屋で勉強していた子は)。
 荷がハスだと知っている人は、永井荷風の名前を「おしゃれ」と感じるでしょう。でも、知らなければ、「風の荷物って、なに?」って感じです。
 いま、荷にハスの意味があることを知っている人は、ほとんどいないと思います(私は知りませんでした)。
 身近な漢字であっても、いまと昔では素地がぜんぜんちがうんだなぁと、強く思いました。
 まあ、墨東奇譚あたりは、子どもには早いかもしれませんけど。
 
 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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187・188 欣奏累遣 慼謝歓招

2022年02月17日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
 お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《欣奏累遣 慼謝歓招》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「招」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、招のなかにふくまれる「召」には「呼び寄せる」という意味があり、刀( ⌒ 型に曲がる)+口で、手を⌒型にしながら口で呼ぶさまを示しているそうです。
 召には、
 「⌒型などに反り返る」
 「曲線状に曲がる」
 というイメージがあるそうです。ここから、
 招 召(呼び寄せる)+手 手を⌒型にして呼び寄せる。手招きする。
 昭 召(⌒型などに曲がる)+日 日の光が反射して明るく照らす。照り輝いて明るい。
 照 昭(明るい)+火 火の光が明るく輝くさま。照明。
 沼 召(⌒型などに曲がる)+水 山間にあるくぼんだ水たまり。
 紹 召(呼び寄せる)+糸 糸の末端に別の糸を招くようにつなぐさま。紹介。
 詔 召(呼び寄せる)+言 上の者が下の者を呼び寄せて告げるさま。詔書。
 超 召(⌒型に曲がる)+辵 曲線を描いて物の上を飛び越えるさま。
 貂 クロテン。長くてしなやかに曲がる尾をもつ獣。
 となるそうです。
 昭がちょっとわかりづらいですが、それ以外はすんなりと理解できますね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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185・186 求古尋論 散慮逍遥

2022年02月17日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 千字文で漢字を学ぶプリントです。
 親御さんに教わりながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。

 今回は《求古尋論 散慮逍遥》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「求」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、求には「引き寄せて求める」という意味があり、字は獣の毛皮で作った衣を描いた図形です。皮製の衣は体にぎゅっと締まり、中心に向けて引き締めるイメージがあるそうです。ここから、
 救 求(中心に向けて引き締める)+攵(動作の符号) 
災難にあった人をこちらに引き寄せた助ける。
 球 求(中心に向けて引き締める)+玉 中心点に引き絞られた玉。球形の球。
 毬 まり。中心に引き絞った球形のまり。
 裘 かわごろも。
 となるそうです。

 坪内逍遥の名前や奥の細道の「日とひ郊外に逍遥し、犬追物の跡を一見し」という一文。
 最近の小説などで「逍遥」という言葉と出あうことはありませんが、千字文は江戸時代、寺子屋の手習に使われていたそうです。
 千字文が身近だった時代は、「逍遥」というかっこいい言葉も、いまよりずっと身近だったんだろうな、と思いました。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
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