小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

131・132 策功茂実 勒碑刻銘

2022年02月07日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《策功茂実 勒碑刻銘》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「策」と「碑」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典によると、策のなかにある「朿」はとげのことで、「ギザギザにとがる」というイメージがあるそうです。そこで、
 刺 朿+刂(刀) 先の尖ったもので刺す。
 策 朿(ギザギザ)+竹 先端がギザギザした竹のむち、もしくは杖。転じて書きつけの竹札。対策。
 棗 ナツメ。とげのある木。
 棘 とげ。いばら。
 と、なるそうです。

 一方、碑にふくまれる「卑」は、「厚みがなく低い」という意味があるそうです。卑をふくんだ文字は、
 「厚みがなく薄い」
 「薄く平ら」→(薄く平らなので)「くっつく」
 というイメージがあり、ここから、
 碑 卑+石 薄く平らに切った石。いしぶみ。
 婢 卑+女 身分の低い女性。召使いの女性。
  そばについて助ける。
 脾 昔の中国医学で、五臓六臂の五臓の一つ。脾臓。
 髀 骨盤の下についている骨。またはもも。髀肉の嘆。
 稗 穀物のヒエ。
 睥 背を低くして見回す。睥睨。
 となるそうです。
 
 それにしても卑+女とは、ひどい漢字ですね。現代の感覚だと、怖くて「ヒェ〜」といった感じです。

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

129・130 世禄侈富 車駕肥軽

2022年02月07日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《世禄侈富 車駕肥軽》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「侈」と「軽」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、侈にふくまれている「多」は夕(肉の形)を二つ重ねた形で、物がたっぷりあることを意味しているそうです。
 多には「いくつも重なる」というイメージがあり、ここから、
 移 多(いくつも重なる)+禾(カ:稲) 稲の穂が重なるようになびくさま→横にずれて動く。
 侈 ぜいたくでありあまるさま。奢侈。
 となるそうです。

 移の説明がちょっとピンとこない気もします。
 だそくながら、夕が肉の形なのはスーパーで豚バラブロックを横からみると、なるほどと思うはずです。買い物のときに娘に見せると、
 「ほおっ」
 と、感心していました。

 つぎは「軽」です。軽の旧字体は「輕」になります。「巠」は縦に糸をはった織り機を描いた図形で、「真っ直ぐにとおる」というイメージがあるそうです。
 経(經) 巠+糸 縦糸、経る、不変、おさめる。
 軽(輕) 巠+車 真っ直ぐ進むためにつくった軽い車。軽量。転じて軽く見る。軽視。
 径(徑) 巠+彳(行く) 回り道をしないで真っ直ぐいくさま。径路。転じて、さしわたし。直径。
 茎(莖) 巠+艸 縦にとおる草の筋。茎。
 勁 真っ直ぐにピンと張って力強いさま。
 脛 膝から下の真っ直ぐな部分。
 頸 頭と胴体をつなぐ真っ直ぐな部分。
 となります。

 巠は、わかりやすいイメージでした。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

127・128 高冠陪輦 駆轂振纓

2022年02月07日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《高冠陪輦 駆轂振纓》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「高」に注目してみました。


 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると「高」には、
 「高い→乾く→かたい・白い」
 といったイメージがあるそうです。そこから、
 稿 高(乾く)+禾(カ:稲) 乾いたわら。転じて、下書き。草稿。
 豪 高(かたい)+豕(シ:豚や猪) かたく鋭いトゲの生えた獣。転じて力が強い。豪傑。
 毫 高(たかい→長い)+毛 長く鋭い毛。転じて細かい毛。ごく小さいもの。寸毫。
 膏 あぶら。白い脂身。膏血。
 槁 枯れる。木が乾いて白くなる。
 となるそうです。

 プリントにある「絶纓の会」。春秋五覇の一人に数えられる楚の荘王には、この絶纓の会のほかにも「鳴かず飛ばず」「鼎の軽重を問う」といった逸話があります。
 それにしても、夜陰にまぎれて后の唇を奪うなんて、ふつうなら怒ってあたりまえです。
 なのに不埒者が誰なのか問わず、出席していた人全員に纓(冠のひも)をたつように命じるなど、なかなかできることではありません。
 人間力のすごさに、脱帽です。
 というか、ドラマチックすぎます。
 過去の物語から、少しでも学ぶことができればいいなぁ、と思いました。 
 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

125・126 戸封八県 家給千兵

2022年02月07日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 ついに千字文の半分を終えました。
 折り返しの今回は《戸封八県 家給千兵》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「家」に注目してみました。


 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、家は「人が住む建物」という意味。語形は宀(屋根)+豕(シ:豚)で、雨を防ぐための建物を暗示し、家には、
 「家」
 「上からかぶせる」
 というイメージがあるといいます。ここから、
 嫁 女性が他家に嫁入りするさま。
 稼 家(上からかぶせる)+禾(イネ) 穀物を植えつける。
 となります。

 それにしても、家が「人が住む建物」という意味を持つなら、宀+人でもよかったような気がするのですが、どうして屋根の下にいるのが豕なんでしょうか?
 豚小屋のそばにトイレがあって、大きいのを豚が食べる「豚便所」というものが、中国では秦の時代にはあったとされています。(たしか沢木耕太郎さんの深夜特急にも、豚便所の話があったような気がします)
 宀+豕は、豚便所つきの家??
 そういえば、狭い日本の家が「うさぎ小屋」といわれていたこともありましたが、宀+兎よりはマシかもしれませんね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。