小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

167・168 税熟貢新 勧賞黜陟

2022年02月12日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《税熟貢新 勧賞黜陟》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「税」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、税にふくまれる兌には「外側のものをはいで、中身を抜き取る」という意味があるそうです。
 形からも、八(左右に分ける)+兄(頭の大きな男の子)で、子どもの着物を脱がせる図形になっています。ここから兌のグループには、
 「外側のものをはぎとる」
 「中身を抜き取る」
 というイメージがあるとしています。ここから、
 脱 兌(外側のものをはぎとる・中身を抜き取る)+月(肉) 着物を脱がせて肉体が抜け出るさま。脱出。脱衣。
 説 兌(はぎとる・抜き取る)+言 わからない言葉を解きほぐし、明らかにする。
 税 兌(抜き取る)+禾(穀物) 収穫した穀物の中から一部を抜き取る。
 悦 兌(抜き取る)+心 心のしこりが取れて、晴ればれとする。
 閲 兌(抜き取る)+門 入り口でチェックする。検閲。
 鋭 兌(抜き出る)+金 刃物の先が尖るさま。
 蛻 ゼイ。セミやヘビの抜け殻。蝉蛻(センゼイ=セミの抜け殻)
 となるそうです。
 今回は、かなりわかりやすかったです。とくに税の文字の成り立ちは「なるほど!」と感じ入りました。
 サラリーマンなので、給料からもガンガン抜き取られるし、買い物をするたびに消費税を抜き取られるし。
 抜け殻同然の財布に、日々ゼイゼイ言ってます。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

165・166 俶戴南畝 我芸黍稷

2022年02月12日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《俶戴南畝 我芸黍稷》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「芸」に注目してみました。

 芸の旧字は「藝」になります。漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、藝は「自然のもの(植物)に手を加えて形よく整える・育てる」と言うイメージがあるそうです。そこから、
 熱 埶(内部に生気やエネルギーがこもる)+火 火を焚いたときに出る熱気。
 勢 埶(草木に手を加えて形を整える)+力 力で思い通りに操るさま。
 褻 セツ。肌着。体に接して熱がこもる衣服。
 となるそうです。

 ちなみに新字体は藝を芸と略していますが、芸はもともと「ウン」という草日本では「ヘンルーダ」)を示した漢字で、藝とは別モノだそうです。
 なお、熱のところの説明がピンとこなかったので漢字源をひいてみました。
 埶は植物に手を入れて栽培する情景で、栽培される側に視点を移すと「生気やエネルギーが生み出される」というイメージがあるそうです。
 ここから火が燃えるときに出る熱気を暗示させているとのことでした。
 
 今回の本文は前回に続いて農業指南といった内容ですが、岩波文庫の千字文によると、どちらも詩経の言葉のようでした。単なる農業指南の言葉ではなかったみたいです。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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163・164 治本於農 務茲稼穡

2022年02月12日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《治本於農 務茲稼穡》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「治」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、治にふくまれる台は、ム(㠯:イ 鋤の形)+口(物や場所を示す符号)で、道具を用いてものに働きかけるさまを示しているそうです。このため台には、
 「手を加える」
 「動作を起こす」
 という意味があるそうです。(台地の台はべつの文字です)。ここから、
 始 台(動作を起こす)+女 女性としての兆しが起こり始めるさま。はじまり。
 胎 台(動作を起こす)+月 お腹のなかで胎児の動きが始まる。
 治 台(手を加える)+水 川の水があふれないように手を加えて調整する。
 冶 手を加えて金属を溶かす。冶金。
 飴 手を加えてやわらかくした食べ物。
 笞 手を加えて打ち叩く竹。
 苔 治(水を治める)+艸 水中に生える草。
 となるそうです。
 
 プリントにある「居治不忘乱」の言葉は、
 治にいて乱を忘れず
 と読みます。平穏無事なときでも万が一を忘れない、という意味です。
 忘れずにいたい言葉です。

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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