みなさん、こんにちは。
千字文で漢字を学ぶプリントです。
お父さんやお母さんに習いながら音読したり、書いたりして、なんとなくでいいので漢字に馴染んでいきましょう。
そしてブログでは「荷」に注目してみました。
漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、荷のなかにふくまれる「可」は、¬型(直角)に曲がることを示し、口の形を合わせることで、声をのどで屈曲させて、かすらせてやっとだし、「まあ、よしっ」と怒鳴るさまを暗示しているといいます。ここから、
何 可(直角に曲がる)+人 肩に荷を担ぐさま。この字が「なに?」という疑問詞で使われるようになったため、「荷」がもとの意味で使われるようになった。
荷 可(直角に曲がる)+艸 葉が茎の上にT字型に乗っている草。ハス。転じて、担う。出荷。
河 可(直角に曲がる)+水 直角に屈曲して流れる川。とくに黄河。
歌 哥(声を喉でかすらせてうなるさま+可)+欠(しゃがんで大きな口を開けた人の形) うた。哥を「あに」の意味で使うため、あらためて歌の形にした。
阿 くま。山や川が曲がって入り組んだところ。
呵 声をかすらせて怒鳴る。呵責。
苛 かすらせてヒリヒリするさま。苛政。
「荷」が、本来はハスの意味であることを、このプリントをつくっていて初めて知りました。
そして、永井荷風の「荷風」が、ハスの花のうえを吹く風であることも、初めて知りました。
なんとおしゃれな名前なんでしょう。
逍遥でも書きましたが、千字文は江戸時代の寺子屋で使われていた漢字のお手本です。そのころの子どもたちは「荷」がハスを意味していたことは、あたりまえのように知っていたのでしょう(少なくても、まじめに寺子屋で勉強していた子は)。
荷がハスだと知っている人は、永井荷風の名前を「おしゃれ」と感じるでしょう。でも、知らなければ、「風の荷物って、なに?」って感じです。
いま、荷にハスの意味があることを知っている人は、ほとんどいないと思います(私は知りませんでした)。
身近な漢字であっても、いまと昔では素地がぜんぜんちがうんだなぁと、強く思いました。
まあ、墨東奇譚あたりは、子どもには早いかもしれませんけど。
リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
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