小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

123・124 府羅将相 路俠槐卿

2022年02月06日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《府羅将相 路俠槐卿》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「侠」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典(加納喜光著)によると、侠のつくりの夾には「両脇からなかのものを挟む」という意味があり、大の字型に立つ人の両脇を二人の人が挟んでいる形になっています。そこから、
 
 挟 両脇から挟む+手 両側から挟みつける。挟撃。
 狭 夾+犬 両脇から犬に挟まれて身をせばめる形。
 峡 両脇を山川に挟まれた場所。
 侠 両脇に子分を抱える親分。
 頬 顔の両脇の部分。
 莢 豆の種子を挟むさや。
 鋏 ものを挟んで切ったり取ったりする道具。
 となるそうです。

 プリントにある槐安夢(南柯夢)というのは、ある男が槐の木陰で寝ていると、使者に迎えられて槐安国に行き、栄華を極めるけれど、目が覚めると夢で、槐安国はアリの巣だったという物語です。
 いま流行っている転生モノのさきがけですね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。
 みなさんのリアクション、お待ちしています。

121・122 杜稿鍾隷 漆書壁経

2022年02月06日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《杜稿鍾隷 漆書壁経》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「」に注目してみました。

 漢字の成立ち辞典によると、にふくまれる「重」は「目方が重い」という意味があるそうです。字の形は東(突き通る)+人+土で、人が重みをかけて地面を突く形です。ここから、
 動 重(地面を突く)+力 上下に動いて地面を突くさま。
 働 動+人 働く。これは日本でつくられた和製漢字です。なかなかうまいですね。
 種 重(上下に打ち下ろす)+禾(カ:イネ) 作物を植えつけるさま。転じて、種。種子。
 衝 重(突き通す)+行(十字路) 四方に突き通る十字路。交通の要衝。転じて、突き当たる。衝突。
 慟 体を上下に震わせて嘆く。慟哭。
 腫 重く膨れたできもの。腫瘍。
 踵 体重のかかる足首の裏側。
 鍾 重ね集める。
 となるそうです。
 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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119・120 既集墳典 亦聚群英

2022年02月06日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《既集墳典 亦聚群英》のプリントをアップしました。
 そしてブログでは「英」に注目しました。

 漢字の成立ち辞典によると、英にふくまれる「央」は「まんなか」を意味しており、大(両手を広げて立つ人)の首根っこに枠を示す記号をつけた形だそうです。
 ここから央のグループには、
 「真ん中を押さえる」
 「中心がくぼむ」
 「中心でくっきり分かれる」
 というイメージがあるそうです。そのため、
 英 央(くっきり分かれる)+艸(草) 植物のなかで特にくっきりと際立つ部分。花。転じて、目立って美しい。優れている。
 映 央+日 日の光に照らされて、明暗がくっきりと際立つ。物の姿がくっきりと現れる。反映。
 瑛 くっきりと美しい玉。
 怏 心が押さえつけられたようにふさぐ。気分が晴れない。怏々。
 殃 央+歹(残骨) わざわい。押さえつけて順調な進行を邪魔する。
 となるそうです。これも、伝わりやすいイメージだと思います。

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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117・118 右通広内 左達承明

2022年02月06日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《右通広内 左達承明》のプリントをアップしました。
 そしてこのブログでは「内」に注目しました。

 漢字の成立ち辞典によると、内にふくまれる「入」は「中にはいる」という意味があり、線が左右に分かれることで入口が開いて内部に入るさまを暗示しているそうです。ここから、
 内 入(はいる)+冂(納屋の形・区切りを示す形) 物の内側に入る。
 納 納屋+糸 納屋や倉庫に織物をしまい込む。内部に納め入れる。納入。
 訥 言葉がなかにこもってスラスラ話せないさま。
 蚋 ゼイ。ブユのこと。人畜に吸盤を刺し入れて血を吸う虫。
 となります。
 内〜訥までの漢字は、イメージから入るとすぐに覚えられそうですね。

 内省不疚 夫何憂何懼 は、
 内に省(かえり)みて疚(やまし)からざれば、 夫(そ)れ何をか憂へ何をか懼れん。と読みます。
 孔子の弟子が、君子とはいかなる者か質問しました。
 孔子は「君子は心配事がなく、おそれおののくこともない者だ」とこたえます。
 さらにその弟子は「憂えず、おそれず。それだけで君子といえるのでしょうか?」と重ねて問います。
 そのこたえが、内省不疚 夫何憂何懼です。
 「反省してみて、やましいことがなければ、心配することもないし、おそれることもない(それが君子だ)」とこたえたそうです。
 私なんて、ちょっと反省したら、やましいことばっかりなんですけど。ため息です。

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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115・116 升階納陛 弁転疑星

2022年02月06日 | 千字文
 みなさん、こんにちは。
 今回は《升階納陛 弁転疑星》のプリントをアップしました。
 そして、ブログで注目したのは「弁」です。


 弁財天、弁護士、花弁、弁韓、弁髪、合弁。異体字も含めると、これらの「弁」はかつて別の字でした。

 漢字源や漢字の成立ち辞典によると、ふたつならんだ辛(刃物)には、「二つにわける」というイメージがあり、

 辨 二つならんだ辛(刃物)の間に刀 二つにわける。刀ですっぱり切り分けるように、物事の白黒をはっきりさせ、是非・善悪のちがいを見分ける。
 辯 辛の間に言 言葉で是非を分けてはっきりさせる。弁護。
 瓣 辛の間に瓜 切り分けられたようにきれいにならぶ瓜の種。つぼみが分かれてできる花びら。花弁。
 弁 かんむり。三角につまんだ頭巾型のかんむり。
 辦 辛の間に力 うまく仕分けて処理する。合弁。
 辮 二つにならべて編んだ髪。弁髪。
 たくさんの「ベン」が、新字体では「弁」に統一されています。
 たしかに便利にはなりましたが、イメージ的につらいですね。


 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。
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