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ES9のIMAバッテリー寿命

 「ハイブリッド車に乗っている」と話すと、実燃費の次によく尋ねられるのが、バッテリーに関する質問である。「バッテリー交換すると高いんですよね?」と。
 この問いに、私の知る限りで正確に回答するとすれば、「交換したことがないのでわかりません」となる。

ES9のIMAバッテリー残量表示


 初代シビックハイブリッド(ZA-ES9)では、速度計の右側にあるメーターの中に、水温計や燃料計と合わせて駆動用のIMAバッテリー残量が表示されている。上のメータは、モーター駆動動作表示(ASST)/減速エネルギー回生動作表示(CHRG)でモーターアシストと減速時の回生の状況を示すもの、そして右側がIMAバッテリー残量表示である。

 さて、冒頭の問題に戻ると、バッテリーの寿命についてディーラーで質問すると「車の寿命と同程度で設計してあるから、通常は交換する必要はない」という回答が返ってくる。つまり、前出の質問は「エンジンが壊れて交換するとなると高いんですよね?」と同義ということだ。
 とはいえ、万一何らかのトラブルが発生して交換するとなれば、高額になるという話もある。ネット上の情報ではあるが、一式全部交換で20万円とも30万円とも…。一方でセル単位での交換が出来るのでそれほど高額にはならないという書き込みもある。いずれも真偽は定かではないのであしからず。

 個人的には、ES9や初代インサイト、初代プリウスなど第1世代のハイブリッド車は、ある程度社会実験的な性格をあわせ持っていると考えている。だから、IMAバッテリーをはじめとするハイブリッド機構の周りで何かが起こった時には、おそらくはメーカーが「特別対応」をしてくれるはず、という「根拠のない期待」が私の中にはあったのは事実である。
 幸いにして、新車購入から7年間10万キロの間、IMAに関係するトラブルには一切遭わなかったし、現時点でもバッテリーの劣化を感じることはない。ES9では、もともとバッテリーの寿命を伸ばすために容量全域を使わず、たとえば容量25%で「空」、75%で「満充電」というような制御がされているようだ。取扱説明書には、IMAバッテリーの残量表示は、通常は中央付近を表示するように調整されるという記述がある。
 これに関連して「月に一度、30分以上走行してください」という使用上の注意もある。「長期間走行しないと、IMAバッテリーのバッテリーあがりや寿命を縮めることがあります」と取扱説明書にも書かれているが、長期間走行しないことでマージン分の容量を自然放電してしまうのを防ぐためだろう。

 ES9では、IMAバッテリーとパワーコントロールユニット(PCU)はリアシートの背もたれの裏にある。後席に座ると、バッテリーにもたれて座っているイメージだ。 リヤシートの後方にあるのが冷却風取り入れ口で、この取り入れ口を塞がないよう注意されている。
 耳を近づけてみても、特にファンの音がするとか風の流れを感じるとかいうことはない。うまくできている。

ES9の冷却風取り入れ口


 その他、自動車税が余計にかかるとか、車検の費用が高いなどハイブリッド車であるために余計にかかる維持費は一切ない。
 電動アシスト自転車のように事前に充電しておく必要はない、ということも最後に念のため記しておく。

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