At First

3万円PCは使えるか?

 EeePC701SD-Xの2008年12月時点での販売価格は、単品売りで2万円台中盤から後半。5万円PCどころか、実売価格では3万円を切るようになった。
 とはいえ、701SD-Xは最廉価モデル。キーボードや液晶画面が小さいという問題はさておくとしても、900MHzのCPUや512MBのメモリ、8GBのディスク領域でどの程度の動作するのか?という疑問は、誰しも抱くところである。
初回起動直後のデスクトップ

 本気で使うなら、メモリを増設してRAMディスクを設定したり、WindowsXPの最適化を図ったりするなど、費用と手間とをかけてカスタマイズを施せばよいのだろう。だが、今回はあくまで工場出荷状態で、ネット上で言われる「プチフリ」(プチフリーズの略)とは、どの程度のものなのかと怖いもの見たさで、一通りの設定を行ったあと試してみた。

 まず、付属の60日体験版Norton Internet Security 2009をインストール。また、バッファローの無線LANアクセスポイントに接続するため、クライアントマネージャーをインストールし、AOSSでAESによる暗号化をした。
 この状態でいくつかのWebサイトを閲覧すると、たしかに、引っかかるような反応の遅れが実感できる。
 その間のCPU使用率等をタスクマネージャーで監視してみたが、CPU使用率が常に100%に張り付くような状況ではない。一時的にCPU使用率が高まっているのはFlashプラグインのインストールに関わる一連の動作の間である。また、ページファイルの使用量も300MB台で推移しているところから、物理メモリが逼迫している状況ではない。その際に気がついたのだが、SSDの延命化のためかディスク使用量節減のためか仮想ファイルは使用しない設定になっている。
仮想メモリの設定状況とタスクマネージャーでCPU使用率を確認

 この理由は、SSDにMLCタイプが採用されているから。MLC(multi level cell)はSLC(single level cell)に比べて安価だが低速という欠点がある。特に、ランダムアクセスに弱いらしい。Webブラウザの操作時や文字入力時などに一瞬引っかかる感覚を感じる「プチフリ」は、このMLCの特性に起因している。もっとも、最近のMLCはコントローラの改良が進んで十分に高速になっているようで、EeePCでもS101あたりは十分に早いようだ。

 しかし、残念ながら701SD-XのMLCは高速タイプではない。WindowsUpdateの完了までにもかなりの時間がかかる。仮想メモリがオフになっているせいか、Norton Internet Security 2009も初回起動とLiveUpdateは成功したが、その後はタスクが完了せずにエラーが表示される。
 全体的な操作感も、初回起動直後はそれなりにサクサク動いていたが、ウイルス対策ソフトを常駐させたり、ネットワークに接続して実際に利用できる環境を整備すると、動作はどんどん厳しくなっていく印象だ。

 701SD-Xを工場出荷状態の機器構成で、必要なソフトを用意して使うことが実用的かというと、「使い物にならない」というのは言い過ぎだが、Webブラウジングやメール送受信の範囲であっても相当の我慢か工夫が必要だ。

最近の「EeePC 701SD-X」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事