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ES9とメーター周りを比較

 インサイトのメーター周りを初代シビックハイブリッド(ES9)と比較すると、速度計がデジタルになっている以外は、実はアナログメーターが増えている。
 下の2つの写真は、上段がES9で下段がZE2のメーターを比較したものだ。

シビックハイブリッド(ES9)のメーター
インサイト(ZE2)のメーター


 インサイトでは、燃料計もモータ駆動と回生発電の動作状況を示す表示もアナログ式だ。中央に鎮座する回転計もアナログ式である。水温計は表示計のみとなり、この時期でも始動直後は低水温状態であることを示すランプが点灯する。IMAバッテリー残量計はマルチインフォメーションディスプレイの中に選択式で表示されるにとどまり、生涯燃費の表示機能も省かれた。
 未来っぽい感覚で評されるメーター周りだが、こうしてES9と比較してみると意外とアナログチックであることに気がつく。一方で、使われている色数は多く、特に回転計の青色と赤色は、運転者の目に印象的に飛び込んでくる。

 メーターの配置は、現行シビックシリーズと同じくスピードメーターがとその他が別々に置かれた多層式のマルチプレックスメーターを採用しているが、これは見やすいと評価できるだろう。加えて、アンビエントメーターの色が自然に視界の端に入り、踏み込みがちなアクセルを緩める効果があるように感じる。
 ただ、上下のメーターがすべて見えるように、ドライビングポジションを合わせるのは少々難しいのも事実だ。
 インサイトのハンドルは、高さと前後位置の両方が調整できるテレスコピックとチルトの両方が可能であるし、さらに運転席のシートは、前後位置、座面の高さと背もたれ、ヘッドレストの高さが調整でき、両者を組み合わせれば調整の範囲は相当ある。
 しかし、長距離ドライブ等で運転者を交代したときに、毎回、適切な位置にそれらを合わせるのはやや繁雑な作業である。実際、納車直後にある程度の適当さでシート位置を合わせて走り出したところ、スピードメーターがハンドルの陰で見えないことに気づき、慌てて調整し直した。

インサイトでハンドル位置合わせを失敗した例


 この価格帯の車に搭載するのはコスト的に難しいだろうが、運転者を交代して走る機会が多い場合にはメモリー機能付きのパワーシートの設定があれば便利だろう。または、一般的ではないがフロントウィンドウに投影するタイプのスピードメーターの設定も可能性として考えられるだろうか。

 いずれにしても、運転者を交代するときは、少なくともスピードメーターが判読できることを確認してから、走り出したい。

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