はぐれの雑記帳

極めて個人的な日めくり雑記帳・ボケ防止用ブログです

北アルプス大縦走 7

2021年04月29日 | 山靴の歌

814日 針ノ木雪渓から扇沢へ

 

針ノ木雪渓を下る

814日 5:15船窪小屋5:30七倉岳-6:15コル7:20-30北葛岳8:08北葛乗越8:20- 10:05-蓮華岳10:30 11:28針ノ木峠-12:10 13:05雪渓終り13:40大門沢小屋14:50扇沢14:55-15:25大町駅(15:30特急あずさで帰宅)

眼が覚めてから、今日の予定を考えていた。針ノ木で降りるか、前にもう一日頑張るかであった。一昨日足の痛みを感じたけど烏帽子で下りずに船窪へきた。そして針ノ木まで頑張ることは決めていた。しかし、今日下りれば帰れるが、針ノ木を越えるともう二日必要になる。結論を出さないでまず腹ごしらえをして、早めに小屋を出ることにする。

 七倉岳からの富士

朝一番、ランプの下で朝食をとり、5時過ぎに小屋をでた。七倉岳への道をゆく。早朝の北アルプスの景観が素晴らしい。槍穂高の稜線を見て歩く。七倉岳を5時半に通過するときに、富士山が見えた。さらに北葛岳とコルの合間に雲が湧いて、見事な滝雲の現象が起きた。滝雲の大きな流れを間近に見るのもあまりないので見とれていた。

 滝雲

七倉岳から七倉乗越への神経を使う。この付近も道は両側は切れ堕ちているのだ。北葛岳へ2時間ほどかかったが、モルゲンロートを見ることができた。今迄に経験したことは、一、二度あったように思うが、ラッキーだった。

 モルゲンロート

今この道を歩いているのは、私しかいない。北葛岳のピークで一息いれて、下ると北葛乗越になり、そこから蓮華への岩場の登りが始まる。の一角に出た時には大きな達成感を感じます。蓮華岳で針ノ木から来た方にシャッターを押してもらって一枚の写真が撮れました。蓮華岳にはコマクサ咲いていた。登って来た道を振り返るとゴジラの背の様な岩の並んだ尾根があって、図体のでかい山なんだと感じた。

蓮華岳への登りは鎖と梯子で思った以上に面白いです。道を直している小屋の人にであった。蓮華岳への登り、山頂付近はゆるやかな斜面で広い山頂になっています。

正面に針ノ木岳を見て、この山を越えて新越山荘まで行くか考えますが、針ノ木のコルで針ノ木岳を眺めると、さすがにこれ以上は無理をすまいと決めた。家もが恋しくなったが、一昨年のアキレス腱を痛めて1年を棒にふったことを思うと、覚悟した。針ノ木小屋でお昼を作って、下ることに決めた。FACの時代の合宿以来、最長の山となる。歳も五十半ばを越えて無理はできない、などと下る理由を並べて、下界に戻ることに決めた。今日で家を出て7日目だ。

身支度をして雪渓を下るのだが、かなり上部は夏道が出ていて、雪渓もアイゼンなしで歩ける。下りとなれば早い。トントコ下る。意外とあっけなく下ってしまう。途中靄がかかってきて幻想的であった。最後、振り返って写真を撮ったら、いい雰囲気の写真が撮れた。大門沢小屋にでて、扇沢まで一気に歩くと、扇沢は間もない。

扇沢に着くとすぐバスが出るので、それに乗る。大町の駅に着くと、5分後に特急が出ると言う。切符を買ってそれに飛び乗る。始発だから自由席も空いている。15:30に長い山旅を終えて家に帰る。55歳の山の旅だ。無事帰ることに感無量であった。

(今から20年前のことになる。とすれば月日の経つことのなんとあっけないことか。光陰矢のごとし、まさにその感をめる。)

*最後の日を書いたのは2021.4.22で、それまでの分は、恐らくヤマレコを書き出してからのことなので、2012年前後になるかも知れない。ヤマレコを書き始めたのがそのころである。

思わずも手を合わせてる富士の山七倉岳の頂に居て

いくえにもなだれ落ちゆく雲の滝声なきままに只たちどまる

われ立てばモルゲンロートの輪の中に今日はいいことあるかもしれぬ

蓮華岳その岩肌に取りつかんクサリはしごの導くままに

難所越え蓮華の頂踏み立てばコマクサ咲いて雲うごきゆく

針ノ木の尖れる峰を目の前に思案しながら昼飯をくう

家恋し妻も恋しい帰るぞと針ノ木雪渓下るをきめる

靄かかる雪渓下る岳人の姿絵にしてわれは撮らえる

縦走を無事に終えれば何事も楽しいことのみ想い出となり