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わんこお嬢さまとの日々、その他諸々

わんこは5歳になりました。子供の頃にあんまり抱っこしてなかったから?なのか、スキンシップを嫌がります( ;∀;)

人は何故羽生結弦に惹かれるのか ~prologue 2~

2018-11-21 | 散文
きっかけというきっかけは特になかった。
オリンピック後も凱旋パレードや国民栄誉賞などの話題で羽生結弦の名は紙面や画面に踊っていたから、関連情報や動画をクリックすることに慣れていたとは言える。
そんな動画の中にToronto Cricket Skating & Curling Club (以後TCC)での練習風景があった。
羽生とJavier Fernandez。
解像度がそれほど良くないからか、窓からの光は少しぼんやりとしていて、でもそれがかえって二人を暖かく包んでいるように見える。
全身を大きく使ったその滑りはなめらかで優雅だ。
身にまとっているのは練習着で演技用の煌びやかな衣装ではないのに、豪華で贅沢な空気が流れていた。
後にこれがTCC恒例のスケーティングレッスンと知ることになるのだが、直近のオリンピックの金メダリストと銅メダリストが一緒に存在するTCCとは、一体どんなクラブなのだ!と俄然興味が湧いた。
そう、羽生流に言えば、私はTCCに落ちたのである。

羽生とJavierの関係性に焦点を当てた動画はどれも微笑ましい。
年上のJavierを兄のように慕う羽生と、勝気で泣き虫で孤独な羽生をまるで弟のように見守るJavier。
二人のことをもっと知りたい!と、「チームブライアン」に手を付け、そして深みに嵌まっていくのである。

人は何故羽生結弦に惹かれるのか ~prologue 1~

2018-11-19 | 散文
いわゆるお茶の間ファンだった。
冬季オリンピックシーズンになり、メディアへの露出が増えると有名選手の動向が気になり始め、オリンピックが終わると冷めていく。
浅田真央や高橋大輔らの活躍は嬉しかったし、他に名前の言える選手も少なくはない。
でもフィギュアスケートというスポーツ自体に興味があったわけではなく、いわばミーハー的な感覚で眺めていたにすぎなかったと思う。
ワイドショーで流されるダイジェストで初めて試合があったことを知ることも多く、「今日はフィギュアスケートがあるな」なんて試合を見たことは数えるほどだった。
そんな私でも、バンクーバーでの高橋大輔の銅メダルに心の底から感動し(直前にドキュメンタリーを見たことも相俟って)、浅田真央に金メダルを取らせたかった!と嘆息した。
それから少しずつフィギュアスケートに関する知識が増え、テレビ観戦する試合も増えて行った。
女子全般と高橋大輔を目当てにしていて、その度ごとにアナウンサーが強調する高橋の「世界一のステップ!」を楽しみにしていた。
相変わらずジャンプの種類など全く見分けがつかず、採点方法も知らないまま、日本人選手が勝てばそれでよし、のいわゆるお茶の間ファンだった。
その頃だ。
線の細い、でも高橋らが苦戦している4回転ジャンプを決めてくる選手が現れた。
スタミナ切れで後半乱れることの多かったその子は羽生結弦といった。
頼りなく、到底高橋の後継者にはなれないだろうと思っていた。
何もないところでコケたり、スピンが途中で止まってしまったり。
ソチで金メダルを取った時は勿論嬉しかったけれど、高橋や浅田への思いの方が強かった。

その後もフィギュアスケートへの関心はオリンピック以前のままだったが、中国選手との激突はライブで見てしまった。
どうしてよりによって羽生なのだと慨嘆するしかなかった。
(負傷したまま演技したことについては、今となればあの時点での最善の選択だったとはいえるのだろう)
このシーズンの他の試合は全く記憶にない。
次に覚えているのは「SEIMEI」でのSP、FS、総合で世界最高得点を取ったことだが、NHK杯は多分リアルタイムで見ていたと思うけれどファイナルでの世界記録更新はワイドショー止まりだ。
こんな程度のお茶の間ファン(3度目(笑))がいよいよ平壌オリンピックを迎えた。
羽生の怪我のことは当然知っていた。
国民的な大ニュースだから知らない人の方が少なかっただろう。
試合当日は多くの日本人がそうだったように、固唾を飲んで彼の演技に見入っていた。
どうか上手くいきますように、彼に金メダルとお与えくださいと手を組み、神にさえ祈った。

さて、それでも私が羽生結弦に惹かれるのはまだ先の話なのだ。