ビビリのツブ

娘たちは、年明けにパパの両親とパパのお兄さんの家族と伯父さんと総勢１２人で海外旅行をする予定でした。
まめが中学生になると、みんなで旅行へも行けなくなるから、これがみんなで行く最後の旅行になるだろうと言うので、パパの両親から話があったそうです。
お兄さんの一番下の子供がまだ小さいので、長い間の飛行機は大変だからと、なるべく飛行時間の短い場所へ行く予定で、近場の海外となるとグアムとか台湾とか・・・。

パパのお母さんから、
「海外にこだわらなくても、ディズニーのホテルに泊まって、何日か過ごしながらディズニーランドとディズニーシーで遊ぶのはどう？」
という話もあり、娘とお兄さんの奥さんは、
「それも良いね！」
と話したらしいのですが、パパとお兄さんが反対。
「せっかくの旅行なのにどうしてディズニーなの？ディズニーなんて、いつでも行けるじゃない！」
と。
「それなら、北陸辺りで温泉に入るのも良いよね」
と、娘とお兄さんの奥さんが言うと、今度はパパが、
「寒いときに寒いところに行くなんて・・・」
と言い、
「それじゃ、沖縄はどう？」

グアムは、娘は以前行っているので、どうせなら、一度も行ったことのないところへ行ってみたい。
子供たちのことを考えたら、子供は海で遊んだほうが楽しいだろうから、バリ島も良いかも？だけれど、テロの心配があるし、台湾は、パパの両親は何度も行っているし、韓国となると、子供はそれほど楽しくないかもしれないから、できれば、別の場所の方が良いかも？
などと、なかなか行き先が決まらなかったそうです。

そんなみんなの会話を聞いていたツブは、私の家に来た時、
「ぼく、海外へは行きたくない・・・」
と、ボソっと言いました。
飛行機に乗りたくないんだそうです。
飛行機に乗る旅行なら、行きたくないと言います。

乗り物は好きで、いろいろ乗りたがるのですが、飛行機だけは嫌なようです。
「落ちるかもしれない」恐怖が先に立ってしまうようです。

「もし、新幹線でどこかへ行くなら、お土産を買ってくるね！」
と、言うので、
「海外だと、お土産はないの？」
と、聞くと
「飛行機で行くなら、ぼくは行かない。ジジとババの家で待ってる！」
と、言います。
まめとミニは、みんなで行く旅行を楽しみにしているようですが、ツブだけは、飛行機にビビって「行きたくない」を連発しています。

この旅行は、行先をどこにするかという話をしている間に、私の主人の胃の話が出て、娘は、内心、「旅行どころじゃない」と思っていたようです。
「たいしたことないから、大丈夫よ。」
と、私たちは、何度も言ったのですが、
「お父さんが、胃がんだと聞いて、いくら簡単な手術だと言われたって、そんなときに旅行の話をする気にはなれないなぁ。」
と気が進まない様子だったのですが、結局、一緒に行く予定の伯父さんの仕事がどうしても都合がつかずに、旅行は、春に延期になったそうです。
それまでには、行先は決まるのでしょうが、飛行に乗れないビビリのツブは、どうするのかなぁと思っています。