青春？

今日は、病院でドライアイの診察を受けに行って、会社を休みました。
待ち時間があまりに長かったので、読み終えた２冊。

一冊目は新城カズマの「サマー/タイム/トラベラー」。
米澤穂信を読んでいてもそう感じたのですが、最近の高校生を主人公にした小説は自意識過剰でないといけないのでしょうか。その、自分しか見えてなさというのが、青春小説だなぁという感じで、ネタとか凝り方とか、いろいろ工夫しているのに、何だか地面に足が着いてない様子が、読んでいて結構辛かったです。
最近の批評とかで世界系とか言われているのが、これに該当するかどうかよく分からないのですが、自分たちの物凄くローカルな世界と宇宙の危機がダイレクトにリンクしているところとかは、若者の視点から見るときっとリアルなんだろうけど、それこそ本当に自己肥大としか思えない僕はきっともうおじさんなんだろうねぇと思いましたとさ。

次に読んだのが、よしもとばなな「ハゴロモ」。
こちらはすごく面白かったです。ストーリーはむしろ単純で、東京で不倫関係の男性に振られた女性主人公が、田舎に帰ってきて、いろいろな奇妙な人との関わりの中で癒されていく物語です。あとがきに、青春小説を書いてしまったみたいな著者の弁があるのですが、いや、これは青春小説ではなく、全うな癒し系の小説だと思いました。
僕も、まあ、最近仕事が忙しくて、いろいろと参っていたのですが、そういう心にするりと入ってきて、固まっていた心をほぐしてくれました。
何だか、昔はこういう周囲の人を無邪気に信じられる世界にいたんだよなぁという不思議な感覚を覚えました。というか、今でも、周囲は基本的に善意で動いているはずなのですが、その善意を無邪気に信じられない世界に僕がいることに改めて気付いた小説でした。
インスタントラーメンに、きちんと炒めた野菜を加えて、食べさせる店、僕もやってみたいなという気持ちになりました。

というわけで、二冊の「青春？小説」を読み切った一日でした。