曹達記

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スクリーンで見ること

2021-02-13 14:33:00 | 特撮
今年はガメラ生誕55周年ということで、平成ガメラ3部作を4Kリマスターし、DOLBY CINEMAで再上映するという企画が行われている。

そして自分は「映画はデカイのが爆発してナンボ」という至極単純な脳みそをしているため、怪獣映画が大好きである。
殊に、92年生まれの自分にとって身近な怪獣といえば、ウルトラ怪獣であり、ガメラであった。ゴジラは95年で一旦終わっていたからである。
ただしガメラが身近だったといっても、リアルタイムで見られたのはガメラ3が最初で最後であり、その次に公開された「小さき勇者たち」は見てないのであるが。

だが、平成ガメラ三部作はテレビでの放送で繰り返し触れた。そしてそのリアルな世界観に魅了されてしまい、その後触れた仮面ライダークウガで完全にリアル志向至上主義へと変わっていくのだが、それはまた別の話なので置いておく。

さて、生まれた年の都合上本当にしかたがないことはよくあるが、その一つが「リアルタイムで過去の名作映画を映画館で見られないこと」である。
ガメラ2の公開は96年。その当時自分は4歳である。そもそも存在を今一つわかっていなかったのである。
勿論ウルトラマンティガは見ていたが、当時はまだ自分に映画を見に行く決定権はない。
そして悲しいかな、当時の自分がいたコミュニティに置いてはガメラ2はそこまで話題になってなかった。

子供はテレビの影響を受けるが、コミュニティで回りがどういうものを見ているのかにも影響される。
当時の幼稚園児にはまだ平成ガメラは早すぎたのであろう。
そのため、親に見に行こうと言うこともなく、その後テレビで見て後悔することになった。
そのリアル志向な世界観、ひたすらに上質な特撮、ストーリー、魅力的な怪獣レギオン…。どれをとっても個人的には最高であり、不朽の名作と思うに至ったが、やはり劇場で見られなかったことが凝りとして残る。
後にBlu-rayを買い、仙台で仙台が壊滅する映画を見るというなんとも奇妙なこともしたが、迫力が足りない。

そこで、今回の再上映である。
感染拡大は怖いが、千載一遇のチャンスである。
見なければ。

ということで、有楽町まで行って見てきたのであるが、「映画は映画館で見るのが良い」という、ある意味至極当然の事実を改めて感じた。

まず、スクリーンの大きさである。
当たり前であるが、スクリーンはテレビ画面の10倍以上の大きさがある。
そこに迫力の特撮が映れば、否応なく巨大感を感じる。
更に平成ガメラ特有の「目線に立った特撮」も分かりやすい。
劇中の目線同様、スクリーンを見上げることになるからだ。
やはり「仙台での撤退中車両から見上げるガメラ」のカットは渡良瀬二佐と同じように見上げてしまう。

そして、音響。
DOLBY CINEMAなので音響はテレビと比べ物にならない。
特に地下鉄襲撃のシーンで、足元から物音がして、その後運転士に襲いかかるという一連の流れでの音の動きがリアルに感じられた。
何より、爆発などの音が確実なリアル感をもって目の前に広がる。

更に、映画という環境そのものが生む集中力はテレビでは得られない。
当たり前だが、上映中にスクリーン以外の光はなく、人間の意識はそこに集約される。
そこに没入感が生まれ、何度も見返して流れをよく知ってるシーンですら、「この後どうなるのか」という緊張感が出る。
ショッキングなシーンでは劇中と同じように息をのみ、熱いシーンでは手に汗を握る。
そういった劇場の雰囲気を体感できたこと、それがとても良いものだったと思う。
上映期間は短いので、行けるときに行くのが一番である。



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