曹達記

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2020年5月ポケスペ剣盾編感想

2020-06-13 23:37:00 | ポケスペ
まずはターフジム戦の続きから。

ワタシラガの特性「わたげ」はゲームでの性質も厄介だが、本作では視界を遮る=回避率上昇だから余計に面倒。おまけにダイマックス技もゲームと異なり必中ではない。確かに初心者の壁として機能するジムである…。しかし、「ダイマックスは技3回で解ける」というところはゲームに忠実。

お互いに相手の位置を認識しづらい状況の中、そーちゃんはわざと動かず相手の声かけを誘って攻撃。したたかさに長けた彼らしい戦術と言える。ただ、ヤロー対策として最初からそれを誘っていたというより、状況を受けて臨機応変にひねり出した戦術のように見える。二人ともリーグ優勝そのものを目指してはないから、相手の研究もそこまでしっかりはしてないってことなのだろうか。にしてはダンデへの研究はしていたな…。

実は今回そーちゃんがとった戦術は、プラチナがノモセジムでとった戦術に似ている。命の取り合いにならないジム戦だからできるものだが、まだ本作では「人との殺し合いとしてのポケモンバトル」を図鑑所有者の二人とも経験してない。

どうも話の展開は10章同様、大まかな流れはゲームに沿って行くようだ。
アニメがジムチャレンジをやらないようなので、ポケスペの方でそっちをやって欲しいと株ポケ側から要望があったのだろうか。DPとかBWではどっちもやってたからあまり関係ないかもしれぬが。
しかし、このまま最終決戦がポケモンリーグって流れにはならないだろうなあ。

今回は前回で登場したライバル3人の掘り下げも行われている。
概ねゲームと変わらない印象だが、ホップはゲームと違って兄からの推薦を受けてないので、そこだけ大きく異なる。
ゲームだと、ビートのダンデへの侮辱が推薦された自分に直接来るものであったので、かなり気にしている側面が描かれていた。
しかし今回はあくまでホップにとっては兄個人への侮辱。それでも自分を差し置いて推薦した二人を認め、それを評価しようとするのはやはり度量が深い。
ビートはゲームだと(シナリオ上仕方ないが)毎回主人公にコテンパンにされるのにイキってるのがなんとも微妙だったが、ポケスペではそーちゃんのバトル展開の苦しさを見抜いたり、綿毛の攻略法を一足先に考えていたりと優秀さが分かりやすくなっている。

そーちゃんはバトル中はずっと目を見開いていた。かなり苦しい戦いだったことの証拠であろう。ダイマックス技の名前を間違えたりと冷静な彼にしては動揺が見られた。それでも表情には出てこないのだから、ポーカーフェイスがうまいってことなのかなあ。
しーちゃんの試合は見ずに自分のコンディション調整に向かうことを優先したというのは、やはり苦戦が身に染みていたから次への対策を優先したってことなのだろうか。
しーちゃんを信じていたからではないっぽいのはちょっと悲しい。そう思うのはCP観とかそういうのではなくて、しーちゃんの作中での扱いが不憫にすぎるなと思っているからである。先月も書いたが。
案の定しーちゃんの戦いはカット。仕方ないが、そもそも複数の図鑑所有者がジム戦に挑むというシチュエーションは前例がない。
ただ、共通の目的をもつ対等のライバルに近い存在として図鑑所有者が位置づけられるのは、実に1章以来(厳密に言えば、グリーンもポケモンリーグに挑むなんて1章の途中では一言も言っていないから、ライバルとしての構図は微妙である)ではないかと思う。そこをうまく作中でも生かしてほしいのだが。
ルリナ戦では出番があってほしいところだが…手持ちとの合流がないと絶対的不利だな。

地上絵は剣盾の情報の中でも最初期に公開されたものであるから、ゲームのシンボルというべき要素。ただ、思ったよりゲームのシナリオに絡んでなかったのがちょっと残念だったので、ポケスペではどう拾うのかが楽しみだが…難しいかなあ。

ソニアが旅に同行する代わりにマグノリア博士は退場かと思っていたが、今回であっさり合流。まあ車があった方がスピーディーに話を進められるし、悪くないと思う。ただソニアが辛そうではある。

ちょっと気になるのが、14章でのハウみたいに3人の扱いが消化不良になりはしないかということ。まあ、3人のドラマはジムチャレンジという縦軸で纏めやすいからシナリオの流れとしては難しくないのではあるが。
ただ今後のジム戦に一々絡ませるわけにはいかないだろうし、3人の内誰かが代わる代わるジム戦で絡むという方向でもちょっとくどい。
シナリオ上苦しいといえばエール団もである。彼らもまたジムチャレンジという軸でまとめやすいのだが、それではゲームの焼き直しにすぎない。かといって悪の組織としてゲームから大幅に変えることも難しい。

やはり中々テーマが見えてきてないので、今後どう展開するのか楽しみでもあり、不安でもあり…。