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ケアマネ太郎日記

2011-10-29 16:09:28 | ケアマネ太郎日記
《病院での出来事》
あたらしい病院は入口に面した道端に樹木があったりして、どこか古い病院とは違う雰囲気をだしている。数日前にMSWから連絡を貰い、今日ここに来ている。病院の入口を入ると3階までの吹き抜けで開放感がある。目の前に受付があり、MSWの金子さんを呼び出してもらう。しばらく待っているとそれらしき人が受付にきて、私のことを聞いているようだ。受付が私を手で指し示し、金子さんがこちらにやってくる。
「ケアマネの加藤さんですか」と聞かれ
「はじめまして。加藤です」と、挨拶を交わし、近くにある部屋に案内された。前に座っている加藤という男性はやせているのか頬に膨らみがなく、すこし顎が尖っているように見える、印象としてはきつい感じがする。
床はベージュ色のカーペット、壁にはクリーム色が配している部屋の雰囲気は明るいが、「飛田さんですが」と、印象がきつい加藤は切り出した。
数日前に連絡をもらい、退院の調整で私はこの病院にきたのだった。

この数日の間、入院するまで担当していた飛田さんの退院後の自宅での療養を考えていた。私はいま数十名の介護が必要とされる高齢者の支援を担当している。私の毎日は、時にはヘルパーの事業所からは、いま訪問したら家にいないけど、しばらく待ちますか、とか、ディサービスを利用している家にディサービスの迎えの車が行ったら今日はディに行きたくないといわれ、どうしようかと連絡があったりしているなかで、飛田さんの入院前の状態を思い浮かべながら、病院から伝えられた飛田さんの状態を考えていた。
どうやら脳卒中らしい、というのは、病名は明らかに教えてくれなかったからだ。ただ、いまの心身の状態をすこし言葉使いが怪しくなり、右手の握りが不自由らしく、右足の感覚もおぼつかないようだと言われて血圧が高かったことを思いあせて脳卒中なのだろうと思われた。

私に入院したと連絡をくれたのは飛田さんの家族だった。家族は慌てている様子が電話からも伝わってくる。入院した病院は市内でも最近開業した病院だった。それが一週間前の午後だった。それが数日たって病院から電話があった。MSWの加藤という男性だった。医療ソーシャルワーカー略してMSWというが、私の理解しているMSWはドクターと懇意にしている医療機関をはじめ地域の病院や診療所ともつながりがあり、介護サービスもある程度承知したうえで患者の退院とか治療のやり方をドクターと一緒になって、いや、ドクター以上に丁寧に説明するものだと思っている。そんな私の思うMSWは少なく、いままでに出会い、付き合っているMSWは少ない。今回の加藤さんはどんな人かと思いながら病院まできた。

加藤さんはいきなり「飛田さんの退院はあさっての午後です。どうしましか」という。
どうしますかって、言われても私は家族でもないし、どうするもなにもない。
「どうするとは」
「転院進めているのですが、本人は自宅へ帰りたいと言い張るので、困ってるんです」
「転院ってどこですか」
「ガントウ総合病院を、ね」
お、こうくるか。この病院は同じ系列、しかも遠い。これでは飛田さんが嫌がるわけだ。そこで私に説得して欲しいのか。
「そこ以外はどうなのです」
「どうですかね」
こりゃ、本当に私に説得させる気だ。冗談じゃない、退院調整はあんたの仕事だろう。そもそもこっちは数日前に言われて準備も十分でない、この状態で飛田さんに説得も説明もない。
「もうすこし、探してみたらどうです」
「医者がね、急いでるんですよ、もう治療は終了って、ここではもう、やることはないってね」
急いでいるのはあんただろう。
「飛田さんのご家族はどういってるんですか」
「いちようは話しましたよ、でもね、どうなんでしょう」
「もう一度家族に話したらどうです」
言ってしまった、おそらく、これで加藤は私に押し付けるだろう。
「そうですね、金子さんから言ってもらえますか、どうもね、私だと日が浅いし」
「病院内のことですよね」
「そうなんですけどね」
もう嫌になってきた、要するに自分は動かない、でも、もう病院には入れておけない、とにかく私に何とかしろという訳だ。
「飛田さんはいまどうしているんですか」
「ちょうど、家族と一緒に病室にいますよ」
はめやがった、はなっから私に投げるつもりだったのだ。
「病室で話すのはまずいんじゃないですか、それに本人が一緒がいいのか、どうか」
「よんできますよ」
ため息をつくしかなかった。
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