おみつ便り

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花屋

2022-04-22 05:51:51 | ガーデニング

食卓のテーブルに青い硝子の瓶に入った一本のピンクの薔薇があります。

たった一輪ですがすっとまっすぐ伸びた先に咲くバラ。これには想い出が詰まっています。

教会の側にあったとてもお世話になった花屋さんが近々閉店することを耳にしたので、最後にお別れのあいさつに出掛けた時、別れ際に手渡された一本の薔薇です。

私が花壇担当になって約10年。その間季節の植え替えの度に歩いていけるこの店で多くの苗を買いました。入荷日を聞いていつも新鮮な花苗を手に入れたり、こういう色目の花が欲しいと注文すると、必ずしも応じられないがといいながらも願いを叶えてもらったことが度々あります。
近隣の花屋の中ではどこよりも安いのです。ある時仕入値段の高騰でどうしても値段を上げなくてはならないと申し訳そうに言われたことがあります。
どんなに高くなるのかと思っていたら未だ他の店より安いのです。

いつもいい花苗を提供しようという気持ちが伝わってきます。在庫がまだ一杯あるのに新しい苗が並んでいます。御夫婦とも商売に対する誠実さが感じられ、どんな花が並んでいるのか店を覗くだけでも愉しみがありました。

時々これだけ売れ残って商売になるのだろうかと思った事もありました。

店主が膝を痛めて仕入れや配達が無理になってきたので、31年間営業していた店を閉じることにしたそうです。
閉店翌日には入院して膝の手術を受けるそうです。

心の灯りが一つ消える寂しさは拭えません。

 


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