横須賀うわまち病院心臓血管外科

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眼瞼黄色腫の臨床的意義

2019-10-19 01:40:12 | その他
 眼瞼黄色腫は高脂血症の人にできやすいと昔から言われています。すなわち、眼瞼黄色腫のある人は心筋梗塞になりやすいのではないか、と。
 しかしながら、眼瞼黄色腫と心筋梗塞などの心血管イベントとが関連したことを証明する論文は一つもなく、臨床的意義はない、というのが現時点の結論だそうです。
 それよりは、家族性高コレステロール血症におけるアキレス腱の肥厚やひざ関節の黄色腫のほうが心筋梗塞の発症と関連すると言われています。

 眼瞼黄色腫を消失させるのに最も有効なのはプロブコール(シンレスタール、ロレルコ)で、半年ほどで消失させることができるそうです。スタチンは必ずしも有効ではなく、消失まで数年単位でかかりますが、LDLを低下させることによる二次的な効果で消失させることができます。プロブコールは黄色腫のコレステロールの蓄積を除去しますが、冠動脈のプラークのコレステロールを除去する能力はスタチンの方が強力で、こうした体の部位と薬効の違いはまだよくわかっていないそうです。
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