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横須賀総合医療センター心臓血管外科

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災害拠点病院となる救命センターにはヘリポートは必要=横須賀市立うわまち病院の移転計画

2019-04-12 18:29:46 | 心臓病の治療
 横須賀市立うわまち病院が新しく移転する計画が進んでいます。久里浜地区にある、神明公園の中に移転する計画ですが、現在よりも若干の敷地面積が小さくなり、隣に神明小学校があります。
 基本構想として大規模の災害が発生した場合も対応可能な災害拠点病院の機能を持たせることを目指すことになり、それも含めて救命救急センターを維持することになります。久里浜地区への移転の意義としては、救急医療の不公平性を是正するということが最大の決定の要因と説明がある以上、災害拠点病院としての十分な機能を果たせる施設にする必要があります。
 針病院の構想にヘリポートは作るのか、また、神明小学校のグランドをヘリコプターの臨時発着場として使用することにするのか、の点に関して、全く検討していない段階です。今後の検討でどうするのか、決定していくことになります。

 久里浜地区はもし最大規模の6mの津波が襲来した場合は、神明公園の約半分、および神明小学校のグラウンドは浸水が予想される地区(オレンジゾーン)になっており、病院の建築には、その対策として盛土などで対応するとしていますが、神明小学校のグラウンドが浸水の危険があるという時点で、また、久里浜地区の交通が災害によって遮断される可能性が高い地区であることを考慮するとヘリポートの屋上設置は必須になります。

 阪神淡路大震災の反省から多くの災害医療を学んだ日本は、東日本大震災に置いてはいち早く自衛隊、消防、警察などが適切に対応し、特にヘリコプターを使用した救助や移送が非常に活躍した現状は国民誰もが知っています。新病院がこうした災害においても活躍できる機能を持たせること、また救急医療を担うセンターであるためには必要な機能となります。
 神奈川県のドクターヘリ運用でも、三浦市立病院からの救急搬送は、今後、東海大学のドクターヘリが20分で迎えに来て、横浜市大医療センターへ10分ほどで患者搬送する計画で実際の運用訓練も行われています。この間にある久里浜地区にヘリポートをもつ救命救急センターがあることは、三浦半島だけでなく、横浜、川崎、東京、房総半島を含む千葉県と、東京湾を囲む地区全体にとって非常に有意義なことになります。また横須賀市の中心部から、移転するに当たっては病院機能を十分発揮させるために必要な設備であります。

 検討委員会が今後計画を進めていきますが、こうしたビジョンのある議論、計画を期待したいし、発信していきたいと思っています。
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