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横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

うわまち病院救急部 本田部長 総務大臣表彰!

2020-12-01 14:51:20 | その他


横須賀市立うわまち病院は国立横須賀病院が横須賀市に移管されて生まれた公設民営の病院です。開設当初から循環器を中心とする救急疾患への対応に力を入れてきており、特に救急部を立ち上げ、さらには救命センターを開設して市民の救急対応にあたってきました。年間の救急車受け入れ台数は6000台で多くの患者さんの命を救ってきました。この長年の努力が、今回、救急部部長の本田Drに総務大臣表彰という形で認められました。
 今後もうわまち病院救急部はより質の高い医療対応を目指していくことになりますが、心臓血管外科もその一翼を担うべく精進していく所存です。

脳虚血のある急性大動脈解離に対する対処方針

2020-12-01 14:50:10 | 大動脈疾患
 脳虚血に関しては、人工血管置換術を行うことで脳の障害が悪化する可能性がありますので慎重に判断する必要があると思います。すでに不可逆的な脳の障害があり、この脳の状態が致命的な場合は手術適応なしと判断することがありますが、通常は心タンポナーデの解除、弓部分枝入口部の狭窄の解除などで生命を保存する必要がある場合はCentral Operationを行います。ただこの場合は、一刻も早く脳の血流を確保することが優先されますので、胸骨正中切開を虚血のある側の頸部に延長して総頚動脈を露出し、人工心肺開始と同時に頸動脈から直接送血を行っています。救急外来でPCPSを設置してこの処置を試みている施設もありますが、これは主にすぐに手術室に入れない状況で行っているもので、施設の事情次第と思います。頸動脈の血行再建は、Central Operationと同時にこの頸部に人工血管を吻合して再建しています。そのため、脳虚血がある症例はCentral Operationと頸部の血行再建を同時に行っている、と言えると思います。
(血管外科学会総会発表に対する質問への回答)