
第50回心臓血管外科学会がオンラインで開催中です。もともと春に福島市で行う予定が、新型コロナウィルスの影響で延期を繰り返し、最終的にオンライン開催となりました。
横須賀市立うわまち病院心臓血管外科からは二つの演題を発表予定となっておりますが、早速ウェブ上で視聴された座長から質問が届いており、今朝がた返答したところです。
医療安全講習会、修練指導医講習会もオンラインで受講出来たので、こちらは学会場にしばられずに聴講できて有意義な時間でした。
有料の卒後セミナーをどうするかは検討中です。
招請講演もオンライン動画で視聴できます。今朝は、Self-digestionがショックなどで全身状態悪化に関与している、という新しい概念の講演を聴き、大変参考になりました。膵臓の外分泌消化液がショック時には小腸粘膜のバリア機能が壊れるために、小腸粘膜を破壊し、その破壊されたアミノ酸が血中にたくさんはいって多臓器不全を悪化するという概念です。主に膵臓からのトリプシンなどのタンパク分解酵素が関与していて、このタンパク分解酵素阻害薬を同時に使用すると多臓器不全が抑制されて動物実験での死亡率が有意に低下するというものでした。この、タンパク分解酵素阻害薬として、フサン、トランサミンが実例としてあげられていました。この機序はおそらくNOMIの発症にも深く関与しているのではないか、と思いました。まさに定時された画像がNOMIそのものです!タンパク分解酵素阻害薬がNOMIを予防する、という研究成果もそのうち目にすることが出来るようになるかもしれません。