千葉工業大学地球学研究センター及び惑星探査研究センターの合同研究チームが、エジプト考古学博物館にてツタンカーメンの鉄製の短剣の化学分析を行った(記者発表は、2020年2月28日)。この鉄剣は、紀元前14世紀に鉄隕石を材料として造られたと考えられている。進んだ製鉄技術を持たない当時の人々が鉄隕石をどう加工したかは謎に包まれており、今後の詳細分析で製造技術の解明を目指す。人類の製鉄の歴史に迫る研究という。尚、本調査は在エジプト日本大使館、JICAのご協力をいただいた。
ポイント
〇エジプト考古学博物館において、ツタンカーメンの鉄剣の現地調査を行った。
〇非破壊・非接触分析により、鉄剣中の元素の二次元分布情報を得た。
〇鉄剣に硫黄・塩素・亜鉛などの元素が含まれていることを明らかにした。
〇データの解析を進め、鉄剣の製造方法および由来の解明を目指す。
概要
2020年2月9日及び10日に、千葉工業大学地球学研究センター所長の松井孝典率いる研究チームがエジプト考古学博物館を訪れ、ツタンカーメンの棺から発見された鉄製の短剣の現地調査を行った。この鉄剣は紀元前14世紀に製作されたものであるが、棺の中で保管されていたため非常に保存状態が良く、錆などの劣化の影響が小さい。紀元前14世紀のエジプトには製鉄技術は存在しなかったため、当時の人々は宇宙からもたらされた鉄隕石を加工して鉄剣を製造したと考えられていた。
同鉄剣は、1922年に考古学者のハワード・カーターによってツタンカーメンのひつぎから発掘された。紀元前14世紀に製作されたものである。2016年にイタリアの研究チームが鉄剣の調査を行い、鉄・ニッケル・コバルト濃度の測定から、鉄剣の材料が鉄隕石であることを確認した。しかし、「製鉄技術を持たない当時の人々がどのようにして鉄隕石を加工したのか」についての有力な手掛かりは得られていなかった。
千葉工業大学の研究チームは、ポータブル蛍光X線分析装置(ELIO, XGLab)による元素分布の分析と、4K高感度カメラ(α7s, Sony)による表面の微小組織の撮像を行った。調査は全て、エジプト考古学博物館において非破壊・非接触で行った。本調査で得られる鉄剣中の元素の二次元分布情報・表面組織を、鉄隕石のものと比較することにより、鉄剣の製造方法の解明を目指す。
本調査によって鉄剣中に10-12%のニッケルが含まれていることが明らかとなり、これはオクタヘドライトに分類される鉄隕石が材料として使用されたことを示す。一方で、オクタヘドライト特有のウィドマンシュテッテン模様や、それに伴う鉄・ニッケルの縞状分布は確認されなかった。鉄剣の製造過程で鉄隕石を加熱したことにより、これらの特徴が失われた可能性が考えられる。また、本調査では鉄剣の黒色部分に硫黄・亜鉛が含まれていることを明らかにした。これらの黒色部分は、オクタヘドライトに一般的に含まれる硫化鉄鉱物であるトロイライトの痕跡である可能性が高い。トロイライトの痕跡が残っていることから、鉄剣製作時の加熱温度について制約が与えられると期待される。黒色部分には腐食により大気中から混入したと考えられる塩素の存在も確認された。この腐食がいつ起きたのかについては、短剣が棺から初めて出された当時の写真を入手するなどし、検証を行う。
◆用語説明
〇蛍光X線分析
蛍光X線分析では、X線を分析対象試料に照射し、発生する蛍光X線の測定により試料中の元素濃度を決定する。本調査で用いたELIOは、装置を精密xyステージ上で移動させることで、二次元の元素分布分析が可能である。
〇ウィドマンシュテッテン模様
ウィドマンシュテッテン模様とは、ニッケル濃度の低い鉱物であるカマサイトと、ニッケル濃度の高いテーナイトが交互に晶出することによって見られるオクタヘドライト特有の帯状模様である。
天気は曇り、時々小雨が降る。風が少し強い。
お日様が出ている時の散歩道沿いのお庭で、塀から少し枝が伸びている”ハナカイドウ”に花が咲き出した。花は桜の花より大きく、枝に花が下向きで「たわわ」に付いている。花弁の外側は赤、内側が白であり、花は赤白と綺麗、蕾は赤く垂れ下がっている。昔から美人の代名詞として使われるほど綺麗、唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を例えた。
中国原産で、日本には江戸時代初期に渡来した。15世紀中頃に既に渡来していた海棠(実海棠:みかいどう)があり、花が美しいので「花海棠」と命名された、と言う。
カイドウ(海棠)
別名:花海棠(はなかいどう)、垂絲海棠(すいしかいどう)、南京海棠(なんきんかいどう)
学名:Malus halliana
バラ科リンゴ属
耐寒性落葉高木
中国原産、江戸時代初期に渡来
開花時期は4月~5月
花色は淡紅色
花後に林檎に似た小さな実が付くが、付かない事が多い
付いた小さな赤い果実は食べれる
ポイント
〇エジプト考古学博物館において、ツタンカーメンの鉄剣の現地調査を行った。
〇非破壊・非接触分析により、鉄剣中の元素の二次元分布情報を得た。
〇鉄剣に硫黄・塩素・亜鉛などの元素が含まれていることを明らかにした。
〇データの解析を進め、鉄剣の製造方法および由来の解明を目指す。
概要
2020年2月9日及び10日に、千葉工業大学地球学研究センター所長の松井孝典率いる研究チームがエジプト考古学博物館を訪れ、ツタンカーメンの棺から発見された鉄製の短剣の現地調査を行った。この鉄剣は紀元前14世紀に製作されたものであるが、棺の中で保管されていたため非常に保存状態が良く、錆などの劣化の影響が小さい。紀元前14世紀のエジプトには製鉄技術は存在しなかったため、当時の人々は宇宙からもたらされた鉄隕石を加工して鉄剣を製造したと考えられていた。
同鉄剣は、1922年に考古学者のハワード・カーターによってツタンカーメンのひつぎから発掘された。紀元前14世紀に製作されたものである。2016年にイタリアの研究チームが鉄剣の調査を行い、鉄・ニッケル・コバルト濃度の測定から、鉄剣の材料が鉄隕石であることを確認した。しかし、「製鉄技術を持たない当時の人々がどのようにして鉄隕石を加工したのか」についての有力な手掛かりは得られていなかった。
千葉工業大学の研究チームは、ポータブル蛍光X線分析装置(ELIO, XGLab)による元素分布の分析と、4K高感度カメラ(α7s, Sony)による表面の微小組織の撮像を行った。調査は全て、エジプト考古学博物館において非破壊・非接触で行った。本調査で得られる鉄剣中の元素の二次元分布情報・表面組織を、鉄隕石のものと比較することにより、鉄剣の製造方法の解明を目指す。
本調査によって鉄剣中に10-12%のニッケルが含まれていることが明らかとなり、これはオクタヘドライトに分類される鉄隕石が材料として使用されたことを示す。一方で、オクタヘドライト特有のウィドマンシュテッテン模様や、それに伴う鉄・ニッケルの縞状分布は確認されなかった。鉄剣の製造過程で鉄隕石を加熱したことにより、これらの特徴が失われた可能性が考えられる。また、本調査では鉄剣の黒色部分に硫黄・亜鉛が含まれていることを明らかにした。これらの黒色部分は、オクタヘドライトに一般的に含まれる硫化鉄鉱物であるトロイライトの痕跡である可能性が高い。トロイライトの痕跡が残っていることから、鉄剣製作時の加熱温度について制約が与えられると期待される。黒色部分には腐食により大気中から混入したと考えられる塩素の存在も確認された。この腐食がいつ起きたのかについては、短剣が棺から初めて出された当時の写真を入手するなどし、検証を行う。
◆用語説明
〇蛍光X線分析
蛍光X線分析では、X線を分析対象試料に照射し、発生する蛍光X線の測定により試料中の元素濃度を決定する。本調査で用いたELIOは、装置を精密xyステージ上で移動させることで、二次元の元素分布分析が可能である。
〇ウィドマンシュテッテン模様
ウィドマンシュテッテン模様とは、ニッケル濃度の低い鉱物であるカマサイトと、ニッケル濃度の高いテーナイトが交互に晶出することによって見られるオクタヘドライト特有の帯状模様である。
天気は曇り、時々小雨が降る。風が少し強い。
お日様が出ている時の散歩道沿いのお庭で、塀から少し枝が伸びている”ハナカイドウ”に花が咲き出した。花は桜の花より大きく、枝に花が下向きで「たわわ」に付いている。花弁の外側は赤、内側が白であり、花は赤白と綺麗、蕾は赤く垂れ下がっている。昔から美人の代名詞として使われるほど綺麗、唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を例えた。
中国原産で、日本には江戸時代初期に渡来した。15世紀中頃に既に渡来していた海棠(実海棠:みかいどう)があり、花が美しいので「花海棠」と命名された、と言う。
カイドウ(海棠)
別名:花海棠(はなかいどう)、垂絲海棠(すいしかいどう)、南京海棠(なんきんかいどう)
学名:Malus halliana
バラ科リンゴ属
耐寒性落葉高木
中国原産、江戸時代初期に渡来
開花時期は4月~5月
花色は淡紅色
花後に林檎に似た小さな実が付くが、付かない事が多い
付いた小さな赤い果実は食べれる
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