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膵臓癌の悪性度進展と癌免疫回避に関する分子メカニズムを解明

2019-08-22 | 医学
 北海道大学大学院医学研究院分子生物学教室の佐邊壽孝教授、消化器外科学教室Ⅱの平野聡教授らの研究グループは、膵臓癌(膵癌)の悪性度進展と癌免疫回避に関する分子メカニズムの解明に成功した(8月13日発表)。現在、癌免疫療法は大きな脚光を浴びているが、その適用範囲や効果はまだまだ限定的である。今回の研究成果は、膵癌だけでなく、多くの癌に対する免疫治療改善に大きく貢献する分子的基盤を示している。
 膵がんは、見つかった時点ではすでに局所浸潤や転移を起こしていることが多く、抗がん剤抵抗性も高く予後不良で、5年生存率は10%以下の難治性がんとされる。膵がんの多くは膵管上皮に由来し、これまでの動物実験から膵がんのドライバー遺伝子KRAS変異とTP53変異とによって膵管がんの浸潤転移が起こると示唆されるが、その分子実態は明らかにはなっていない。
 研究グループはこれまでに、タンパク質ARF6を基軸とする経路(ARF6-AMAP1)が乳がんなどさまざまながんにおいて悪性度進展に関与していることを見出している。さらに、乳がんにおいて、TP53 変異がメバロン酸代謝経路を介してARF6-AMAP1 経路を活性化し、これにより乳がんの悪性度進展に関与していることを見出している。
 今回の研究では、ARF6-AMAP1経路がKRAS変異とTP53変異を有する膵がんの悪性度にも関与していると考え、その仮説の検証とメカニズムの解明を行った。
 研究ではまず、ヒト膵がん細胞株および膵がんモデルマウス由来の細胞を用いて、ARF6-AMAP1 経路因子の発現および浸潤転移性の解析、ヒト膵がん組織を用いた組織染色による予後との関連について解析を行った。また、ヒト膵がん細胞株 MIAPaCa-2を用いたショ糖密度勾配遠心法による分画を用いたin vitroトランスレーションによるタンパク質翻訳の評価と、TCGA(The Cancer Genome Atlas)と RNA-seq.解析による ARF6 発現に関わる転写因子の同定を行った。さらに、MIAPaCa-2 細胞を用いて IFN刺激を行い免疫チェックポイント分子PD-L1の発現を誘導し、PD-L1の細胞内動態およびリサイクリングを解析した。動物実験では、膵がんモデルマウス由来の膵がん細胞をマウスの皮下に移植し、腫瘍増殖能を解析することにより免疫回避との関連について調べた。
 結果、ヒト膵がん細胞株および膵がんモデルマウス由来の細胞においてARF6-AMAP1 経路因子が高発現し、浸潤転移性等、膵がんの悪性度に関与していることを確認。病理標本解析からも、ARF6-AMAP1経路因子群の高発現により膵がん悪性予後因子となるとわかった。また、ARF6-AMAP1 経路因子と膵がんの悪性度に関する分子メカニズムを解析した結果、KRAS 変異と TP53 変異が協調してARF6-AMAP1経路の発現を高くさせ活性化することを見出した。その際、KRAS変異は翻訳開始因子eIF4Aが依存的にARF6の発現に関与していること、翻訳開始因子eIF4Eが依存的にAMAP1の発現に関与していることも判明。さらに、膵がんにおいてもTP53 変異はメバロン酸代謝経路を介してARF6経路を活性化すること、免疫逃避に関わる免疫チェックポイント分子PD-L1動態にもARF6経路の活性化が深く関与していることを明らかにした。
 今回の研究により、KRASとTP53の変異が同時に起こることががんの免疫回避に大きく関与することと、ARF6経路の活性化には特定の代謝活性が必須であることが明らかとなった。また、この代謝経路をはじめ、いくつかの異なった分子標的の阻害により、がん細胞の免疫回避能を著しく低下させることが可能であることも実験的に立証された。
 「今回の研究成果は、ARF6-AMAP1経路が膵がんの免疫チェックポイント阻害による治療法のバイオマーカーになる可能性を示唆。膵がんだけでなく、多くのがんに対する免疫治療改善に大きく貢献するものだ」と、研究グループは述べている。
 ◆膵臓癌の生存率
 膵臓癌の初期の生存率(治療してから5年間の生存率)は40%程あるが、初期で発見できるケースは稀である。これはステージ1期の数値で、ステージ2期になると18%と急激に低下し、ステージ3だと6%、ステージ4では2%しかあない。つまり、完治できる確率となると2%未満ということになる。

 早朝は雨。日の出の頃には曇り空。今日の最高気温は26℃と過ごしやすい。今日だけかな。
 畑のお隣は空き地(未耕作地)。何本かの”ハツユキソウ(初雪草)”がを見る。葉に白い縁取り(覆輪:ふくりん、縁取る様に見える斑の一種)が入り、縁の白との対比が美しく、雪を被った様な姿で、花も小さい白花。この美しい斑入り葉から、涼しげな名の”ハツユキソウ(初雪草)”と呼ばれる。涼し気に見える、暑い夏への花かな。
 因みに、 切り花にする時、葉・茎の切口から出る乳白色の液(アルカロイド)に注意。皮膚に炎症を起こすことがある。
 ハツユキソウ(初雪草)
 別名:ユーフォルビア
   スノーオンザマウンテン(Snow on the mountain)
 学名:Euphorbia marginata
    ユーフォルビア・マルギナタ
 トウダイグサ科ユーフォルビア属
 一年草(非耐寒性)
   こぼれ種で毎年のように芽が出る
 原産地は北米
 丈は50cm~100cm
 開花時期:7月~10月
 花径は数mm、花色は白
 花より葉色(緑と白)を鑑賞する、葉が白くなるのは7月頃から
 クリスマスで人気の観葉植物ポインセチアもトウダイグサ科


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