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歯周病菌が大腸癌の発癌に関与か

2018-07-04 | 医学
 横浜市立大学肝胆膵消化器病学日暮琢磨診療講師、協同乳業株式会社松本光晴主幹研究員らの共同研究グループは、大腸癌患者の患部組織と唾液からFusobacterium nucleatum (F. nucleatum)を分離・解析した結果、4割以上の患者で癌組織と唾液に共通した菌株が存在していることを発見した。腸内細菌が口腔内に由来すること、すなわち、口腔内のF. nucleatumが大腸癌に関与していることを強く示唆している。これは、口腔内・腸内環境からの新たな大腸癌の治療法、予防法などに繋がる発見と考えられる。
 大腸癌の病態に関わる腸内細菌の研究で、F. nucleatumが大腸癌の病態や予後に悪影響を及ぼすという報告例が増え、非常に注目されている。しかし、従来F. nucleatumがヒト腸内から検出されることは少なく、大腸癌における本菌の由来(感染経路)は不明であった。
 研究グループは、F. nucleatumが口腔内環境において優先菌種であることに着目し、口腔内F. nucleatumが大腸(癌)組織へ移行しているという仮説を立てた。
 直近の抗生物質使用歴が無い等の条件で選抜された全14名の患者を対象に、内視鏡を用いて採取した大腸癌組織および唾液検体を、F. nucleatum選択培地を用いて分離し、計1,351分離菌を解析した。その結果、患者8名(57%)において、大腸癌組織と唾液の両方からF. nucleatumが検出された。次に、その8名の検体より分離されたF. nucleatumを対象に、AP-PCR法を用いて菌株レベルで解析した結果、8名中6名の検体において、大腸癌組織と唾液の両方から同一菌株が検出された。これは全被験者の43%、大腸癌からF. nucleatumが検出された患者母集団では75%に相当する。この結果は、大腸癌で高頻度に検出され、大腸癌悪化への関与が強く疑われるF. nucleatumが、口腔内に由来することを強く示唆している。
 ◆フソバクテリウム(Fusobacterium nucleatum)
 人体には数多くの腸内細菌叢(細菌フローラ)が生息し健康の維持に大きく関与している。菌種にして数百種、数にして100兆以上の腸内細菌が生息している。
 フソバクテリウム(F.nucleatum)は腸内にも存在するが、主に口腔内に生息する細菌である。歯周病の原因菌のひとつでもある。
 2011年、この菌が大腸癌の細胞で繁殖していることが発見され、また潰瘍性大腸炎ともしばしば関連付けられている。しかし、この菌が実際にこれらの病気の発症と関わっているのか、あるいは単にこれらの病気が作る環境で繁殖するだけなのかは分かっていない。
 ◆AP-PCR法
 AP-PCR法は、任意のプライマーを用いて鋳型DNAを増幅させることで、菌株レベルで増幅DNA(数とサイズ)に再現性高く差が出ることを利用して菌株を識別する方法。感染性病原菌の菌株特定などに広く利用されている。

 朝は晴れ、午後から雲が多くなり、夕方から雨の予想。気温は、最高気温27℃と昨日よりは暑くない。
 塀から飛び出した”ナンテン”の枝。花が咲きだしている。この花は、秋に果実となり、赤い実(白い実もある)となる。秋には、赤い実だけだなく、紅葉も美しい。
 ”ナンテン(南天)”は「難転・・難を転ずる」「成天」から厄除けの縁起木(吉祥木)として植栽される。栽培の歴史は古く、江戸~明治時代に100種以上の園芸品種が作られたと言われ、現在でも40種ほどが栽培されている。果実の色は多くは赤色であるが、実色が黄白色のシロミナンテン、淡紫色のフジナンテン、橙色のウルミナンテンなどの園芸品種がある。
 ナンテン(南天)
 別名:南天燭(なんてんしょく)、南天竹(なんてんちく)
 メギ科ナンテン属
 半常緑性の低木
 原産地は中国、日本で自生しているが古くに渡来した種が野生化
 開花時期は6月~7月
 花色は白色、花径は数mm
 果実は径6mm~7mm位、秋頃から色ずく