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花はあまり出てきませんが。

一人よりも大勢の方が人を助けない!?

2016-09-07 | 心理学
今日は、心理学の「傍観者効果」について。

傍観者効果というのは、ある事件や事故において、目撃者は多いのに、なぜか警察に通報したり、怪我人を救助する、といった援助的な行動を起こさない傾向にある、という心理状態。


この「傍観者効果」という心理状態が提唱された背景には、アメリカのニューヨーク州クイーンズで起きた「キティ・ジェノビーズ事件」が発端なのだそう。

当時28歳だったキティ・ジェノビーズは、事件のあった日の深夜、自宅に帰る途中、暴行され、殺害される。

帰宅途中、突然襲われたキティ・ジェノビーズは、大きな悲鳴を上げて、周りに助けを求めたが、誰も助けに出ることもなく、警察に通報する者もいなかった。

その後の警察の取り調べで、悲鳴を聞いたなど、約38人の目撃者がいたことが分かった。


「目撃者がいるのに誰も通報しなかった」という、この事件が大きく報じられ、この事件に関心を持った心理学者のビブ・ラタネと、ジョン・ダーリーは、心理学実験を行った。

その結果、自分一人でいるときよりも、周囲に人が多くなると、自発的に行動を起こさなくなる傾向がある、という実験結果が出た。


この集団心理は、

1. 事態の誤認  周囲の人々が積極的な行動をしないので、「緊急性が低いもの」と判断される恐れがある。

2. 責任の分散  周囲に人が多い場合、「誰かが通報するだろう」と思い、放置してしまう。

3. 評価の懸念  自発的に行動を起こした結果、さらに状況が悪くなった場合に批判される恐れがある。


この心理状態は、事件 ・ 事故に限らず、いじめ問題にも、当てはまります。

いじめ事件のときなど、イジメられている子を助けようとすると、自分がイジメのターゲットになるのを恐れて、見て見ぬふりをする…というのは、よくある話。

どれにしても、傍観者の多いことが、逆に「援助行動」をしにくくさせている…というのは、皮肉ですね…。


「傍観者」にならないためには、一人一人が勇気を持って行動しないといけませんね。


見て見ぬふりの心理? 「傍観者効果」とは?

傍観者の定義

いじめ、暴行…集団心理が危険な結果を招くわけ



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