GreenCoast

自然と共に歩む日記

a rose by any other name would smell as sweet

きっと春もまだ布団が恋しいんだ。

2013-03-18 20:50:43 | Weblog

「エイジさん、起きなさ~い。」

と台所から声が聞こえる。

トントントンと包丁で何か切りながら

朝ごはんを作る手を止めずに呼んでいる。

そんな母の声はもちろん聞こえてはいるけど

聞こえないふりをしてはまた眠る。

いや、

むしろ母が忙しくごはんを作る朝の音に気持ち良さがあり、

その音を聞きながらまた眠る。

しばらくするとまた

「エイジさん、起きなさ~い。」

と呼ばれる。

今度の音はバタバタとテーブルに朝ごはんを運びながら呼んでいる。

僕は「はーい」と投げやりな返事をして

少し大きくなった朝のボリュームを下げるように

布団を顔まで覆ってはまた眠る。

それからまたしばらくすると

今度の音はドカドカドカと勢いよく階段を上がってくる母の足音。

朝の忙しい母の手を焼かせる僕に

ボリュームは勢いを増し、

その音は次第に近づき、僕の枕元で止まる。

いよいよ夢見心地もこれまでかと覚悟を決めて、

覆った布団を体にしっかりと体に巻き付け絡め丸くなり、

最後の悪あがきをする。

「ちょっと、エイジさんっ!!」

と布団を剥がされてはまだ起きたくない寝ていたいと

少し機嫌悪く駄々を捏ね、

「あぁ。も~う。」と不貞腐れては、

毎朝起こしてくれている母を悪者にしていた。

この駄々を捏ねるように吹き荒れる風は、

そんな小学生時代の毎朝を思い出させてくれた。

最近はなんだかよく分からない気温の上昇で

もう吉野桜は咲いた。

なので少し早く起こし過ぎたのかな。

春よ、まだ寝ていたいのか?

                                   丹澤

                    東京 中野 花屋 グリーンコースト


















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