季節はすっかり寒くなり
さすがに毎日の表参道までの道のりが厳しくなったので
平日は中野のガード下やサンモールを時間で移動した
それでも夕方から深夜まで次第に挨拶をしてくれる人が増えたり
買い物帰りの袋からお惣菜の差し入れをくれたり
寒い夜にはワンカップをもらったこともあったっけ
時には二人組みの怖い人に声をかけられて
売り上げを聞かれたこともあったけど
売り上げを聞いてかショバ代 . . . 本文を読む
２２歳の頃、花屋をやりたくなった
季節はちょうどこんな秋の日だった
その頃の僕は仕事もせずに一年程フラフラしていた
当時はよく二日酔いになってはベローチェでコーヒーを飲んでいた
心のどこかでこのままではいけないと
考えていたけど何も思いつかなく
ただただ酒を飲んでは吐いての繰り返しだった
そんなある日のベローチェでのこと
いつものようにぼけ～とタバコを吸って
コーヒーを飲んで退屈 . . . 本文を読む
太陽が真東から昇り真西に沈む
西方に沈む太陽を眺め
遙か彼方のわからない場所に想いを馳せる
煩悩や迷いが面倒くさくもあるこっち側から
強いて云えば煩悩を脱した悟りの境地の向こう側を
届かないと知り更に心は曼珠沙華咲き乱れ
時として狂気となり心を真赤に染める
丹澤
東京 中野 . . . 本文を読む
ふと目に入るお月様
ふと撫でるやわらかい風
ふと流れるBob Dylan
ふと幸せを感じては
ふと誰かを思いやる
このふとってのが良いんだ
もちろんふとされることに
気付かなくたっていいんだよ
ふとしてることだからね
もしそのふとに気付くことができたら
きっとそれは幸せで
そのときは君も誰かにふとしてあげればいい
そこで大事なのは
ばれないようにふとしてあげるんだ
ふ . . . 本文を読む
それで目に映るものすべてを写真に撮る
そいつらは話題や有名とか人気なっていう
場所に決まって現れては写真をパシャパシャ撮る
まるでピンクのスーツを着たモジャモジャ頭の人みたいに写真を撮る
芸術と呼ばれてる絵画にだって
それ越しにそれを観てはパシャリ
五感なんて関係ありませんけどなにか？
と得意げな顔でそれというフィルターを通す
いったい何を観に来て何処で観てるのか
それが現代人の . . . 本文を読む
実はかなり酔っ払っていたに違いない
代々木上原から歩いていた
笹塚あたりで疲れて足が止まった
ふと見たらコインパーキングがあった
だから休憩をとることにして
自分自身を車庫入れしてみた
車の車輪止めを枕にして眠った
ダンボールが一枚あるとかなり違うのに
なんて思いながらも
深夜一時くらいに床に就いた
そして起きたら朝の五時だった
僕の体にフラップ板は反応しなく
フラップ板は . . . 本文を読む
日が暮れれば
だいぶ涼しくなって
耳をすませば
蝉ではない秋の虫の鳴き声が聞こえてる
時間が出来れば
本を読んだり映画を観たりして
ボサノバ
聞いたりなんかして
気が付けば
夏の疲れがたまってたりして
あわよくば
抜け出してタバコを吸って
見上げれば
月がすごく綺麗で
安らげば
知らぬ間に眠ってたり
起きれば
ひどく頭が痛かったり
ところ変われば
落ち葉も目に . . . 本文を読む