龍の彼女はイケてると仲間うちでもポイントが高い
スラリとした長身で 高い腰から長い足がまっすぐに伸び
細い首の上にショートヘアの抜群に似合う小さな顔が乗っている
中低音のおとな声でゆっくりしゃべり
大きな口で笑うと綺麗に並んだ白い歯が奥歯まで見える。
無類の食いしん坊でワインに目がない。
賄い目当てでバイトしてるピッツェリアの常連には
彼女のファンも多いらしく
名の知れた会社のサラリーマンからもらった名刺が手帳に何枚も挿まれている。
今は、まあ、、健康美ってとこだけど
去年ダイエットで4キロ落としたときは
すかさず大手モデル事務所のスカウトから声がかかった。
まわりは色めき立ち
僕らは彼女が遠い世界へ行っちゃうんじゃないかと気を揉んだけど
瑛太も嵐も山ピョンも「どれが誰?」まるっきり識別不能の彼女にとっては
またリーマンの名刺が増えただけでそれっきり。
学校が休みになると稼いだバイト代を手にとっとと海外へ遊びに行ってしまう。
学生生活初の旅行がバングラデシュだったときはさすがに驚いた。
高校の頃から関わってるNGOが募ったツアーだったらしい。
その後もタイ、ベトナム、春はとうとう一人でオーストラリアへ二週間、
この夏はアメリカへ行くという。
英語が得意って訳でもなさそうなのに見上げた行動力だ。
僕らは誰一人追いつけてない。
ルックスといいアグレッシブさといい
もしかしたら彼女のひいひいじいちゃんとか ひひひばあちゃんとか
どっかに異国の血が混じってんじゃないかと思う。
この間 龍と本屋で立ち読みしてたら彼女がやってきた。
しばらくして 後ろの本棚から声がした
「へえ~鳥って目で分類するんだ~」
「・・・?」
覗き込むと彼女が見ていたのは鳥類図鑑
ツバメ;スズメ目、
ハト:ハト目、
かもめ:チドリ目
ぐっっ!
龍はよじれる腹を抱えながら
「おいおい、あのさあ、それ スズメメじゃなくて スズメモクだよ 中学でやったろ~?」
ぶはっ
もう無理 限界
二人こらえきれず吹き出した。
いつまでも笑いを引きずる僕らに
「知らなかったんだから!!もお!!」
おこった顔もキュートだ。
こんなこともあった
龍が藤沢の大学に合格した時
「あ、知ってる! そこって スモバラの近くでしょ?」
すも腹?・・・相撲腹?
龍の目が点になったのも無理はない。
相模原(さがみはら)は彼女にとっちゃこの時まで「すもうはら→すもばら」だったんだ。
それを聞いた僕らはスタバの椅子から転げ落ちるくらい笑った。
あ、だけど僕らが知ってるってことは彼女には内緒だ。
龍がアブナい。
「まったくあいつさあ~」って言いながら龍が彼女に首ったけなのも
僕らが揃って彼女のファンなのも
こんな魅力がてんこもりだからだ。
そんな彼女を僕らは
今度の週末 自転車イベントのキャンギャルに呼んだ。
飲んべえの大人たちがツールドフランスのトトカルチョをやるのに
プレゼンのバイトが転がり込んだんだ。
はじめは僕らだけでって話だったんだけれど
サイクリング協会の偉いさんから花を添えろと指令が来た。
資料はカタカナが多いから大丈夫だとは思うけど
彼女に恥をかかせるわけにはいかない、
リハーサルしなくちゃな。
で、ぼくはまた思うんだけど
やっぱ彼女ちょっとだけ外人かもしんない。
スラリとした長身で 高い腰から長い足がまっすぐに伸び
細い首の上にショートヘアの抜群に似合う小さな顔が乗っている
中低音のおとな声でゆっくりしゃべり
大きな口で笑うと綺麗に並んだ白い歯が奥歯まで見える。
無類の食いしん坊でワインに目がない。
賄い目当てでバイトしてるピッツェリアの常連には
彼女のファンも多いらしく
名の知れた会社のサラリーマンからもらった名刺が手帳に何枚も挿まれている。
今は、まあ、、健康美ってとこだけど
去年ダイエットで4キロ落としたときは
すかさず大手モデル事務所のスカウトから声がかかった。
まわりは色めき立ち
僕らは彼女が遠い世界へ行っちゃうんじゃないかと気を揉んだけど
瑛太も嵐も山ピョンも「どれが誰?」まるっきり識別不能の彼女にとっては
またリーマンの名刺が増えただけでそれっきり。
学校が休みになると稼いだバイト代を手にとっとと海外へ遊びに行ってしまう。
学生生活初の旅行がバングラデシュだったときはさすがに驚いた。
高校の頃から関わってるNGOが募ったツアーだったらしい。
その後もタイ、ベトナム、春はとうとう一人でオーストラリアへ二週間、
この夏はアメリカへ行くという。
英語が得意って訳でもなさそうなのに見上げた行動力だ。
僕らは誰一人追いつけてない。
ルックスといいアグレッシブさといい
もしかしたら彼女のひいひいじいちゃんとか ひひひばあちゃんとか
どっかに異国の血が混じってんじゃないかと思う。
この間 龍と本屋で立ち読みしてたら彼女がやってきた。
しばらくして 後ろの本棚から声がした
「へえ~鳥って目で分類するんだ~」
「・・・?」
覗き込むと彼女が見ていたのは鳥類図鑑
ツバメ;スズメ目、
ハト:ハト目、
かもめ:チドリ目
ぐっっ!
龍はよじれる腹を抱えながら
「おいおい、あのさあ、それ スズメメじゃなくて スズメモクだよ 中学でやったろ~?」
ぶはっ
もう無理 限界
二人こらえきれず吹き出した。
いつまでも笑いを引きずる僕らに
「知らなかったんだから!!もお!!」
おこった顔もキュートだ。
こんなこともあった
龍が藤沢の大学に合格した時
「あ、知ってる! そこって スモバラの近くでしょ?」
すも腹?・・・相撲腹?
龍の目が点になったのも無理はない。
相模原(さがみはら)は彼女にとっちゃこの時まで「すもうはら→すもばら」だったんだ。
それを聞いた僕らはスタバの椅子から転げ落ちるくらい笑った。
あ、だけど僕らが知ってるってことは彼女には内緒だ。
龍がアブナい。
「まったくあいつさあ~」って言いながら龍が彼女に首ったけなのも
僕らが揃って彼女のファンなのも
こんな魅力がてんこもりだからだ。
そんな彼女を僕らは
今度の週末 自転車イベントのキャンギャルに呼んだ。
飲んべえの大人たちがツールドフランスのトトカルチョをやるのに
プレゼンのバイトが転がり込んだんだ。
はじめは僕らだけでって話だったんだけれど
サイクリング協会の偉いさんから花を添えろと指令が来た。
資料はカタカナが多いから大丈夫だとは思うけど
彼女に恥をかかせるわけにはいかない、
リハーサルしなくちゃな。
で、ぼくはまた思うんだけど
やっぱ彼女ちょっとだけ外人かもしんない。