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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

食べ物 28-28

2013年08月12日 | 日記
今回は, 食べ物と健康の最後, 「7 食事設計と栄養・調理」 の 「C 調理操作と栄養 ※ 食素材の調理と栄養」, 「D 献立作成」 の練習問題と解答・解説です.

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7 食事設計と栄養・調理 C 調理操作と栄養 ※ 食素材の調理と栄養 D 献立作成 26問 練習問題
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1 米の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 日本の伝統的な炊飯は, 煮る, 蒸すのほかに焼く操作が加わった複合加熱による調理法であり, 炊き干し法といわれる.
(2) 水浸漬中の吸水量は, もち米よりもうるち米のほうが多い.
(3) 飯 (うるち米) は, 米重量の 2.1~2.4 倍量の水を加えて 1.3~1.5 倍に炊き上げるのが標準である.
(4) うるち米の米重量の 1.5 倍の水を加えて炊飯すると, 水分約 50% を含む飯となる.
(5) うるち米は, 洗米操作により米重量の 35% の水を吸収する.

2 米の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 炊飯による米飯の甘味の増加は, ポリガラクチュロナーゼの作用による,
(2) たんぱく質含量の高い米は吸水性が低く, 糊化や膨化が抑制され, 食味が劣る.
(3) ピラフは, 飯を油脂で炒めたものである.
(4) 味つけ飯の塩分添加量は, 加水量の 1.5% が目安である.
(5) 味付け飯の塩分添加量を米重量の 1% (食塩換算) とすると, 炊き上がり飯の食塩濃度は約 0.7% となる.

3 米の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 炒め飯の油脂の量は, 飯重量の約 15% である.
(2) バターライスのスープストックの量は, 米重量と同量である.
(3) すし飯の酢の量は, 飯重量の約 20% である.
(4) すし飯は, 食酢の量を減じた加水量で炊き, 蒸らし時間は通常の炊飯の約 1/2 とする.
(5) 全粥の加水量は, 米重量の 10 倍である.

4 米の調理に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) もち米は, 2時間の水浸漬で 30~40% 吸水する.
(2) もち米を水に2時間浸漬して蒸し上げたこわ飯の炊き上がり重量は, 米重量の約3倍となる.
(3) 蒸しこわ飯では, ふり水により硬さの調整を行う.
(4) 炊きこわ飯では, 米の容積の 80% を加水量とする.
(5) こわ飯の炊き上がり重量は, もち米重量の 1.6~1.9 倍である.

5 米の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 白玉粉は, 水でこね, 茹でて椀種やしる粉などに用いる.
(2) しん粉の吸水量は, 粒度が細かいほど少ない.
(3) しん粉を用いただんごは, 蒸したあとのこね回数が少ないほど, 生地は軟らかくなめらかになる.
(4) 新粉で作る団子は, 白玉粉を加えると硬さが増す.
(5) しん粉に片栗粉を混ぜると, 生地が軟らかくなる.

6 小麦の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 小麦粉に同量以上の水を加えてこねたものをドウという.
(2) 薄力粉で作られたドウは, 強力粉で作られたドウに比べて弾力・こしがあり, 伸びやすくなる.
(3) グルテンは, ドウを作っていく過程で形成される.
(4) 小麦粉にその約 50% の水を加えてこねると, 流動状のバッターとなる.
(5) 小麦粉ドウをねかせると, 伸びが悪くなる.

7 小麦の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ルウの調理では 160 ℃ で加熱してもデキストリンは生じない.
(2) 小麦粉の調理で, シューの膨化は生地内部に発生した水蒸気の圧力による.
(3) 天ぷらの衣として小麦粉を溶くには, 冷水や冷えた卵液を加えて均一に攪拌する.
(4) ホワイトソースはルーに牛乳を加えて加熱するが, 小麦でんぷんは糊化温度が低いので調製しやすい.
(5) 小麦粉に炭酸水素ナトリウム (重曹) を加えると, 小麦粉中のカロテノイド色素が黄色化する.

8 いも類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) じゃがいもの芽の部分をとるのは, 酸化酵素チロシナーゼを取り除くためである.
(2) じゃがいもを茹でると, ビタミンCはほとんど失われる.
(3) じゃがいもを電子レンジ加熱すると, ビタミンCの残存量は天火加熱よりも少なくなる.
(4) じゃがいもを煮るときは, 内部を徐々に昇温させるため, 水から加熱する.
(5) マッシュポテトを作る時のうらごしは, いもが冷めてから行う.

9 いも類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 粉ふきいもには, 粘質の男しゃくや農林一号ではなく粉質のメ一クインなどが適する.
(2) フライドポテトの褐変を防ぐには, 切ったいもをすぐに水につけてから揚げる.
(3) じゃがいもでんぷんゲルは, 冷却時間が長いほど老化しにくい.
(4) じゃがいもでんぷん糊液は, 食塩添加で粘度が上昇する.
(5) さつまいもやじゃがいもの加熱を中断して再加熱すると, 組織が軟化し, 煮えやすくなる.

10 いも類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) くず煮やくずあんには, 粘性が強く透明度の高い米や小麦, とうもろこしのでんぷんが適している.
(2) でんぷんを肉や魚介類にまぶす 「くずたたき」 は, 糊化したでんぷんの膜で成分の流失を防ぎ, 軟らかくなめらかな舌ざわりを与える.
(3) さつまいもの天ぷらでは, 衣に食酢を入れて揚げるとクロロゲン酸が酸と反応して, いもの周囲が緑色を呈することがある.
(4) さといもの茹で水に食塩・食酢・ミョウバンなどを加えると, 粘質物の溶出が促進され, 粘度を増す.
(5) やまいもはアミラーゼを含み, 繊維が軟らかく, 消化の良い食品である.

11 豆類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 豆の吸水に要する時間は, 大豆・いんげん豆は12~20時間と長いが, 小豆・ささげは5~6時間で短かい.
(2) 大豆は, 1% 位の重層水に浸漬したのち煮熟すると軟らかくなりやすい.
(3) 小豆の茹で汁に含まれるタンニンを除く目的で, 沸とう後の茹で汁を捨てることを渋切りという.
(4) 小豆は子葉よりも種皮の方が吸水膨張するので, 胴切れや煮くずれを起こしにくい.
(5) 黒豆を煮る際に鉄釘などを入れると, 黒豆のアントシアン色素はFe2+と結合して錯塩をつくり美しい黒色を呈する.

12 野菜類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 野菜を水煮にすると軟化するのは, ペクチンの加水分解による.
(2) 野菜を軟らかく煮上げるためには, 60~70 ℃ で長時間加熱する.
(3) 青菜は, 妙めるよりもゆでる方がビタミンCの損失が少ない.
(4) ゆでる操作によるビタミンCの損失率は, じゃがいもに比べて, はくさいが高い.
(5) にんじんをゆでるとビタミンAは約 30% 減少する.

13 野菜類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ほうれんそうのβ-カロテンは, ゆで物より蒸し物で損失率が高い.
(2) 生鮮野菜は一般に 「ゆで」 により重量の増減が起こり, それに従い含有される成分量も変化する.
(3) せんキャベツの水浸漬によるカリウムの溶出量は, 水道水よりも 1% 食塩水に漬けた方が少ない.
(4) だいこんおろしのビタミンCは, 時間経過とともに増加する.
(5) 野菜のぬかみそ漬けは, ビタミンB1を増加させる.

14 魚介類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚介類は, 弱火短時間加熱により内部の旨味成分流出を防止する.
(2) 霜降りは, 魚を熱湯に短時間さらすことをいう.
(3) 魚肉は, 水から加熱した方が, 魚体表面のたんぱく質が速やかに凝固するためエキス分の溶出量が少ない.
(4) あらいでは, 魚肉を氷水中で洗うことにより肉が収縮し, 弾力を失う.
(5) しめさばでは, 肉のたんぱく質が酸変性し, 保存性が低下する.

15 魚介類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚肉に 1~2% の砂糖を加えて混ぜ合わせると, ねばりが出る.
(2) 魚肉にレモンや酢を加えると, ミオシンが酸と結合して魚臭が失われる.
(3) 魚介類は加熱によりたんぱく質の凝固と同時に脱水が起こり, 小魚, 切身は 20~25%, いか, たこは 30~40% 脱水する.
(4) 塩じめした魚は, 肉中の水分, エキス分が除去されて固くなり, 再び水で塩抜きすると肉質はもとに戻る.
(5) いか肉に布目の切り込みを入れると, 調味料の浸透が遅くなる.

16 食肉類の調理に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 豚脂は, 牛脂よりも融け始める温度が高い.
(2) 肉を軟化するには, 筋を切る, 肉たたきでたたく, 挽肉にするなどの機械的方法がある.
(3) ひき肉の結着性を増加させるために, 食塩を加える.
(4) 牛肉に 1.3~1.5% の食塩を用いるとたんぱく質の水和性が増し, 加熱中の重量損失が少なくなる.
(5) 結合組織の多い肉は, 静かに沸騰させながら長時間加熱するとコラーゲンが水溶性のゼラチンに変化するため, やわらかくなる.

17 食肉類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 油通しをした肉は, 肉の収縮率が大きくなるが軟らかい.
(2) 肉を加熱すると重量が減少するのは, 肉汁や蒸発水分のほか脂肪が溶融してドリップになるからである.
(3) 加熱肉の褐色物質は, ニトロソミオグロビンである.
(4) ヒレ肉は結含組織が少なく, 短時間の加熱料理より長時間の煮込み料理に適する.
(5) ステーキにはヒレやロースなど結含組織の多い肉を用い, 高温で焼く.

18 食肉類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 緩慢凍結した肉類は, 冷凍変性が起こらない.
(2) しょうが汁の利用により, 肉質は硬化する.
(3) 生姜やパパイアにはアミラーゼが含まれており, 肉を硬くする.
(4) 肉の水和にはpHが影響し, 等電点付近では水和は減少する.
(5) マリネにした肉はpHが低下して保水性が低くなり, 硬くなる.

19 乳製品の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 生クリームは, W/O型のエマルションである.
(2) 牛乳を加えた卵液の加熱ゲルは, だし汁を加えたものより軟らかい.
(3) じゃがいもを牛乳中で煮ると硬くなるのは, 牛乳中の脂質の作用である.
(4) 牛乳を加熱調理で扱うときは仕上がり直前に加え, 長時間加熱はしない.
(5) オーバーランとは, 生クリームを泡立て過ぎることである.

20 卵の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵白は, 低温ほど起泡性が高い.
(2) 濃厚卵白は水様卵白に比べて泡立ちにくいが, 泡の安定性は高い.
(3) 泡立て卵白の安定性は, 食塩によって増加する.
(4) 卵白と卵黄の凝固温度の差を利用した温泉卵は, 卵白よりも卵黄の方が軟らかい.
(5) 落とし卵は, 茹で汁に食酢や塩を加えると卵白が凝固しにくくなる.

21 卵の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) かき玉汁にでんぷんを用いると, 卵は軟らかく表面積の大きい凝固物となり, 安定性が良くなる.
(2) だし汁で希釈した場合, 卵液濃度 15% で熱凝固する.
(3) 鶏卵のアレルゲン活性は, 揚げ加熱すると脂質の分解により低下する.
(4) マヨネーズは, 卵白で油を乳化させたものである.
(5) マヨネーズは, 油滴の粒度が小さいほど粘度が低く, 不安定である.

22 菓子類の調理に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 106 ℃ に加熱した砂糖溶液を材料にからませると, 砂糖衣になる.
(2) 115~120 ℃ に加熱した砂糖溶液をフォンダンという.
(3) カスタードプディングの砂糖は, 加熱による凝固温度を下げる.
(4) カスタードプディングのゲル化には, 牛乳中のリン脂質が影響している.
(5) 杏仁豆腐の豆腐は, シロップより比重が小さいために浮く.

23 健康な個人を対象とした献立作成に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 廃棄率 20% の食品を 150 g 使うときの購入量は, 170 g である.
(2) 脂肪エネルギー比率 25%, エネルギー 1,800 kcal のとき, 脂肪重量は 150 g である.
(3) 動物性たんぱく質は, 総たんぱく質の 20~30% とする.
(4) 食事バランスガイドは, 献立作成に利用できない.
(5) 食品構成は, 食品群ごとの摂取量の目安を示したものである.

24 食卓構成に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ビュッフェは, 各自が単品料理を選択する形式である.
(2) カフェテリアは, セルフサービスの立食形式である.
(3) ヌーベル・キュイジーヌは, 新感覚イタリア料理である.
(4) 喫食者の注文によって作られる食事を, 供応食という.
(5) 客膳用の供応食として普及しているのは, 会席料理である.

25 食事環境に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 日本人の日常献立には, 和・洋・中の調理技術が取り込まれている.
(2) 治療の目的で作る特別食では, 喫食者の嗜好は考慮しない.
(3) 日本人の食生活には, 簡便化, 高級化及び多様化が共存している.
(4) 若年層が新しい調理済食品を受け入れて成長する結果, 食嗜好は変動する.
(5) 生活文化に基づく価値観が変わらない限り, 伝統的な古い調理法も廃れることはない.

26 食事環境に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 調理操作は機械化やシステム化の傾向をたどり, 手づくりの料理はやがて消滅する.
(2) 家庭で作って家庭で食べる食事を, 中食という.
(3) 食事には, 生命維持の機能のみがある.
(4) 匂いやテクスチャーに対する嗜好は, 国・民族によって大きく異なる.
(5) 世界の米料理には, 米を荒びきにしたものが多い.

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7 食事設計と栄養・調理 C 調理操作と栄養 ※ 食素材の調理と栄養 D 献立作成 26問 解答と解説
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1=(1)
(1) 正 日本の伝統的な炊飯は, 煮る, 蒸すのほかに焼く操作が加わった複合加熱による調理法であり, 炊き干し法といわれる.
(2) 誤 水浸漬中の吸水量は, もち米 (30~35%) よりもうるち米 (20~25%) のほうが少ない.
(3) 誤 飯 (うるち米) は, 米重量の 1.3~1.5 倍量の水を加えて 2.1~2.4 倍に炊き上げるのが標準である.
(4) 誤 うるち米の米重量の 1.5 倍の水を加えて炊飯すると, 水分約 65% を含む飯となる.
(5) 誤 うるち米は, 洗米操作により米重量の 15% の水を吸収する.

2=(2)
(1) 誤 炊飯による米飯の甘味の増加は, 各種のでんぷん分解酵素の作用による,
(2) 正 たんぱく質含量の高い米は吸水性が低く, 糊化や膨化が抑制され, 食味が劣る.
(3) 誤 ピラフは, 米をバターや油で妙めた後, 出汁を加えて炊いたものである.
(4) 誤 味つけ飯の塩分添加量は, 加水量の 0.6~0.7% が目安である.
(5) 誤 味付け飯の塩分添加量を米重量の 1.5% (食塩換算) とすると, 炊き上がり飯の食塩濃度は約 0.7% となる.

3=(4)
(1) 誤 炒め飯の油脂の量は, 飯重量の約 7~10% である.
(2) 誤 バターライスのスープストックの量は, 米重量の 1.3~1.4 倍程度である.
(3) 誤 すし飯の酢の量は, 飯重量の約 6% である.
(4) 正 すし飯は, 食酢の量を減じた加水量で炊き, 蒸らし時間は通常の炊飯の約 1/2 とする.
(5) 誤 全粥の加水量は, 米重量の 5 倍である.

4=(2)
(1) 正 もち米は, 2時間の水浸漬で 30~40% 吸水する.
(2) 誤 もち米を水に2時間浸漬して蒸し上げたこわ飯の炊き上がり重量は, 米重量の2倍~2.4倍となる.
(3) 正 蒸しこわ飯では, ふり水により硬さの調整を行う.
(4) 正 炊きこわ飯では, 米の容積の 80% を加水量とする.
(5) 正 こわ飯の炊き上がり重量は, もち米重量の 1.6~1.9 倍である.

5=(1)
(1) 正 白玉粉は, 水でこね, 茹でて椀種やしる粉などに用いる.
(2) 誤 しん粉の吸水量は, 粒度が細かいほど大きい.
(3) 誤 しん粉を用いただんごは, 蒸したあとのこね回数が多いほど, 生地は軟らかくなめらかになる.
(4) 誤 新粉で作る団子は, 白玉粉を加えると軟らかさが増す.
(5) 誤 しん粉に片栗粉を混ぜると, 生地が硬くなる.

6=(3)
(1) 誤 小麦粉に約 50% の水を加えてこねたものをドウという.
(2) 誤 強力粉で作られたドウは, 薄力粉で作られたドウに比べて弾力・こしがあり, 伸びやすくなる.
(3) 正 グルテンは, ドウを作っていく過程で形成される.
(4) 誤 小麦粉に同量以上の水を加えると, 流動状のバッターとなる.
(5) 誤 小麦粉ドウをねかせると, 伸張抵抗が減少して伸びが良くなる.

7=(2)
(1) 誤 ルウの調理では, 160 ℃ で加熱すると小麦粉でん粉が分解してデキストリンを生じる.
(2) 正 小麦粉の調理で, シューの膨化は生地内部に発生した水蒸気の圧力による.
(3) 誤 天ぷらの衣として小麦粉を溶くには, 冷水や冷えた卵液を加えて軽く攪拌する.
(4) 誤 ホワイトソースはルーに牛乳を加えて加熱するが, 小麦でんぷんはダマができやすく調製しにくい.
(5) 誤 小麦粉に炭酸水素ナトリウム (重曹) を加えると, 小麦粉中のフラボノイド色素が黄色化する.

8=(4)
(1) 誤 じゃがいもの芽の部分をとるのは, 有毒な配糖体であるソラニンを取り除くためである.
(2) 誤 じゃがいものビタミンCは加熱損失が少なく, 茹でても茹で汁への溶出が少ない.
(3) 誤 じゃがいもを電子レンジ加熱すると, ビタミンCの残存量は天火加熱よりも多くなる.
(4) 正 じゃがいもを煮るときは, 内部を徐々に昇温させるため, 水から加熱する.
(5) 誤 マッシュポテトは, 冷えるとペクチンが粘性を増して裏ごしがしにくくなるので, 熱いうちに磨砕する必要がある.

9=(2)
(1) 誤 粉ふきいもには, 粘質のメ一クインではなく粉質の男しゃくや農林一号などが適する.
(2) 正 フライドポテトの褐変を防ぐには, 切ったいもをすぐに水につけてから揚げる.
(3) 誤 じゃがいもでんぷんゲルは, 冷却時間が長いほど老化しやすい.
(4) 誤 じゃがいもでんぷん糊液は, 食塩添加で粘度が低下する.
(5) 誤 さつまいもやじゃがいもの加熱を中断して再加熱すると, 組織が硬化し, 煮えなくなることがある.

10=(2)かつ(5)
(1) 誤 くず煮やくずあんには, 粘性が強く透明度の高い葛やじゃがいものでんぷんが適している.
(2) 正 でんぷんを肉や魚介類にまぶす 「くずたたき」 は, 糊化したでんぷんの膜で成分の流失を防ぎ, 軟らかくなめらかな舌ざわりを与える.
(3) 誤 さつまいもの天ぷらでは, 衣に重曹を入れて揚げるとクロロゲン酸がアルカリと反応して, いもの周囲が緑色を呈することがある.
(4) 誤 さといもの茹で水に食塩・食酢・ミョウバンなどを加えると, 粘質物の溶出が抑えられ, 粘度を増す.
(5) 正 やまいもはアミラーゼを含み, 繊維が軟らかく, 消化の良い食品である.

11=(5)
(1) 誤 豆の吸水に要する時間は, 小豆・ささげは12~20時間と長いが, 大豆・いんげん豆は5~6時間で短かい.
(2) 誤 大豆は, 1% 位の食塩水に浸漬したのち煮熟すると軟らかくなりやすい.
(3) 誤 小豆の茹で汁に含まれるサポニンなどのアク成分を除く目的で, 沸とう後の茹で汁を捨てることを渋切りという.
(4) 誤 小豆は種皮よりも子葉の方が吸水膨張するので, 胴切れや煮くずれを起こしやすい.
(5) 正 黒豆を煮る際に鉄釘などを入れると, 黒豆のアントシアン色素はFe2+と結合して錯塩をつくり美しい黒色を呈する.

12=(4)
(1) 誤 野菜を水煮にすると軟化するのは, ペクチンのβ-脱離による分解による.
(2) 誤 野菜を硬く煮上げるためには, 60~70 ℃ で長時間加熱する.
(3) 誤 青菜は, 妙めるよりもゆでる方がビタミンCの損失が多い.
(4) 正 ゆでる操作によるビタミンCの損失率は, じゃがいもに比べて, はくさいが高い.
(5) 誤 にんじんは, 10分以上ゆでてもビタミンAの損失は 5% 以内である.

13=(2)かつ(5)
(1) 誤 ほうれんそうのβ-カロテンは, 蒸し物よりゆで物で損失率が高い.
(2) 正 生鮮野菜は一般に 「ゆで」 により重量の増減が起こり, それに従い含有される成分量も変化する.
(3) 誤 せんキャベツの水浸漬によるカリウムの溶出量は, 水道水よりも 1% 食塩水に漬けた方が多い.
(4) 誤 だいこんおろしのビタミンCは, 時間経過とともに減少 (還元力が低下) する.
(5) 正 野菜のぬかみそ漬けは, ビタミンB1を増加させる.

14=(2)
(1) 誤 魚介類は, 強火短時間加熱により内部の旨味成分流出を防止する.
(2) 正 霜降りは, 魚を熱湯に短時間さらすことをいう.
(3) 誤 魚肉は, 沸騰水から加熱した方が, 魚体表面のたんぱく質が速やかに凝固するためエキス分の溶出量が少ない.
(4) 誤 あらいでは, 魚肉を氷水中で洗うことにより肉が収縮し, 弾力が増す.
(5) 誤 しめさばでは, 肉のたんぱく質が酸変性し, 保存性が高まる.

15=(3)
(1) 誤 魚肉に 1~2% の食塩を加えて混ぜ合わせると, ねばりが出る.
(2) 誤 魚肉にレモンや酢を加えると, アミン類が酸と結合して魚臭が失われる.
(3) 正 魚介類は加熱によりたんぱく質の凝固と同時に脱水が起こり, 小魚, 切身は 20~25%, いか, たこは 30~40% 脱水する.
(4) 誤 塩じめした魚は, 肉中の水分, エキス分が除去されて固くなり, 再び水で塩抜きしても肉質はもとに戻らない.
(5) 誤 いか肉に布目の切り込みを入れると, 調味料の浸透が速くなる.

16=(1)
(1) 誤 食肉の脂肪の融解温度は, 牛脂は 40~50 ℃ と高いが, 豚脂は 30~35 ℃ で融ける.
(2) 正 肉を軟化するには, 筋を切る, 肉たたきでたたく, 挽肉にするなどの機械的方法がある.
(3) 正 ひき肉の結着性を増加させるために, 食塩を加える.
(4) 正 牛肉に 1.3~1.5% の食塩を用いるとたんぱく質の水和性が増し, 加熱中の重量損失が少なくなる.
(5) 正 結合組織の多い肉は, 静かに沸騰させながら長時間加熱するとコラーゲンが水溶性のゼラチンに変化するため, やわらかくなる.

17=(2)
(1) 誤 油通しをした肉は, 油切りしている間に余熱で内部温度が上昇するので, 肉の収縮率が少なく軟らかい.
(2) 正 肉を加熱すると重量が減少するのは, 肉汁や蒸発水分のほか脂肪が溶融してドリップになるからである.
(3) 誤 加熱肉の褐色物質は, メトミオクロモーゲンである.
(4) 誤 ヒレ肉は結含組織が少なく, 長時間の煮込み料理より短時間の加熱料理に適する.
(5) 誤 ステーキにはヒレやロースなど結含組織の少ない肉を用い, 高温で焼く.

18=(4)
(1) 誤 緩慢凍結した肉類は, 冷凍変性が起こりやすい.
(2) 誤 肉をしょうが汁に浸漬すると, プロテアーゼの作用により軟化する.
(3) 誤 生姜やパパイアにはたんぱく質分解酵素が含まれており, 肉を柔らかくする.
(4) 正 肉の水和にはpHが影響し, 等電点付近では水和は減少する.
(5) 誤 マリネにした肉はpHが低下して保水性が高くなり, 柔らかくなる.

19=(4)
(1) 誤 生クリームは, O/W型のエマルションである.
(2) 誤 牛乳を加えた卵液の加熱ゲルは, だし汁を加えたものより硬い.
(3) 誤 じゃがいもを牛乳中で煮ると硬くなるのは, 牛乳中のミネラルやたんぱく質の作用である.
(4) 正 牛乳を加熱調理で扱うときは仕上がり直前に加え, 長時間加熱はしない.
(5) 誤 オーバーランとは, 生クリームの泡立ち評価方法である.

20=(2)
(1) 誤 卵白は, 低温ほど起泡性が低い.
(2) 正 濃厚卵白は水様卵白に比べて泡立ちにくいが, 泡の安定性は高い.
(3) 誤 泡立て卵白の安定性は, 砂糖によって増加する.
(4) 誤 卵白と卵黄の凝固温度の差を利用した温泉卵は, 卵黄よりも卵白の方が軟らかい.
(5) 誤 落とし卵は, 茹で汁に食酢や塩を加えると卵白が凝固しやすくなる.

21=(1)
(1) 正 かき玉汁にでんぷんを用いると, 卵は軟らかく表面積の大きい凝固物となり, 安定性が良くなる.
(2) 誤 だし汁で希釈した場合, 卵液濃度 20% 以上で熱凝固する.
(3) 誤 鶏卵のアレルゲン活性は, 揚げ加熱するとたんぱく質の変性により低下する.
(4) 誤 マヨネーズは, 卵黄で油を乳化させたものである.
(5) 誤 マヨネーズは, 油滴の粒度が小さいほど粘度が高く, 安定である.

22=(5)
(1) 誤 115~120 ℃ に熱した濃厚砂糖溶液を材料にからませると, 砂糖衣になる.
(2) 誤 106 ℃ に加熱した砂糖溶液を, フォンダンという.
(3) 誤 カスタードプディングの砂糖は, 熱凝固を遅らせる.
(4) 誤 カスタードプディングのゲル化には, 牛乳中のカルシウムが影響している.
(5) 正 杏仁豆腐の豆腐は, シロップより比重が小さいために浮く.

23=(5)
(1) 誤 廃棄率 20% の食品を 150 g 使うときの購入量は, 188 g である. 150 g ÷ (100% - 20%) × 100 = 187.5 g
(2) 誤 脂肪エネルギー比率 25%, エネルギー 1,800 kcal のとき, 脂肪重量は 50 g である. 1,800 kcal×25%÷9 kcal=50 g
(3) 誤 動物性たんぱく質は, 総たんぱく質の 40~45% とする.
(4) 誤 食事バランスガイドは, 献立作成に利用できる.
(5) 正 食品構成は, 食品群ごとの摂取量の目安を示したものである.

24=(5)
(1) 誤 ビュッフェは, セルフサービスの立食形式である.
(2) 誤 カフェテリアは, 各自が単品料理を選択する形式である.
(3) 誤 ヌーベル・キュイジーヌは, 新感覚フランス料理である.
(4) 誤 客を正式のもてなすための食事を, 供応食という.
(5) 正 客膳用の供応食として普及しているのは, 会席料理である.

25=(2)
(1) 正 日本人の日常献立には, 和・洋・中の調理技術が取り込まれている.
(2) 誤 治療の目的で作る特別食では, 喫食者の嗜好をできるだけ反映できるように努力し提供する.
(3) 正 日本人の食生活には, 簡便化, 高級化及び多様化が共存している.
(4) 正 若年層が新しい調理済食品を受け入れて成長する結果, 食嗜好は変動する.
(5) 正 生活文化に基づく価値観が変わらない限り, 伝統的な古い調理法も廃れることはない.

26=(4)
(1) 誤 調理操作は機械化やシステム化の傾向をたどるが, 手づくりの料理は消滅することはないと考えられる.
(2) 誤 家庭で作って家庭で食べる食事を, 内食という.
(3) 誤 食事には, 生命維持機能のみでなく団らんその他の機能もある.
(4) 正 匂いやテクスチャーに対する嗜好は, 国・民族によって大きく異なる.
(5) 誤 世界の米料理には, 米を荒びきにしたものが少ない.

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今回をもって, 「食べ物と健康」 の穴埋め問題・正文集・練習問題・解答と解説をすべて終了とします.

次回からは, 新シリーズ 「臨床栄養学」 の穴埋め問題・正文集・練習問題・解答と解説をお送りします.

次回は, 「1 臨床栄養の概念」 の穴埋め問題と正文集です.

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