6 食品の生産・加工・保存・流通と栄養 B 食品加工と栄養, 加工食品とその利用 (c 食品加工に伴う食品・栄養成分の変化, d 食品成分間反応, g 三次加工食品 (調理済食品, 冷凍食品, レトルト食品) とその利用) 11問 解答と解説
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1=(2)
(1) 誤 食品の加熱による褐変によって, たんぱく質の栄養価は低下する.
(2) 正 アミノ・カルボニル反応によるたんぱく質栄養価の低下は, 主に有効性リジンの減少に起因する.
(3) 誤 皮をむいたりんご, じゃがいもなどにみられる褐変反応では, ビタミン類やアミノ酸の分解も伴うため食品の栄養価は低下する.
(4) 誤 たんぱく質をアルカリで処理すると, リシノアラニンが生成し, リシンが減少して栄養価が低下することが多い.
(5) 誤 脂質の酸化によって生じたラジカルは, たんぱく質中のトリプトファン, メチオニン, リジン, ヒスチジン, アルギニン, シスチン, システイン残基などと反応し, たんぱく質の栄養価を低下させる.
2=(1)と(5)
(1) 正 糸引納豆は, 納豆菌の酵素により大豆組織やたんぱく質が分解されており消化されやすくなっている.
(2) 誤 レジスタントスターチには, 食物繊維としての特性がある.
(3) 誤 加熱膨潤したデンプンを放置すると, もとのデンプン構造に似た状態へ変化して水に溶けにくくなる.
(4) 誤 油脂を含む冷凍加工食品では, 脂質の酸化が起こる (油焼け).
(5) 正 小麦粉に含まれるビタミンB1は, 菓子製造に用いられる重曹により分解される.
3=(1)
(1) 正 魚介類冷凍品の品質変化には, 脂質の変化, たんぱく質の変性, 肉質のスポンジ化, その他がある.
(2) 誤 デンプンに水を加えて加熱すると膨潤して, 消化されやすい糊化デンプンとなる.
(3) 誤 マメ科植物の種子の組織が損傷を受けると, 不飽和脂肪酸から過酸化脂質が生成される.
(4) 誤 米粒中のビタミンB1量は, 玄米>半つき米>七分つき米>精白米の順である.
(5) 誤 ビタミンCは, 加工保存中に分解されやすいビタミンである.
4=(3)
(1) 誤 海水からの真水の製造には, 逆浸透膜法が用いられる.
(2) 誤 大豆たんぱく質の分離には, 限外ろ過法が用いられる.
(3) 正 生ビールの製造には, 精密ろ過法が用いられる.
(4) 誤 海水からの食塩の製造には, イオン交換膜法 (電気透析法) が用いられる.
(5) 誤 ジュースの濃縮には, 真空濃縮法や逆浸透膜法が用いられる.
5=(4)
(1) 誤 アスコルビン酸の存在により, 非ヘム鉄の吸収は促進される.
(2) 誤 「もみじおろし」 では, アスコルビナーゼによるビタミンCの酸化が促進される.
(3) 誤 湯葉は豆乳を 80 ℃ 以上に加熱して生じる皮膜で, 大豆たんぱく質と脂質との複合体である.
(4) 正 湯葉の脂質は, 酸化を受けにくい.
(5) 誤 紅茶は, 茶葉を良くもんでポリフェノールオキシダーゼによりカテキンを酸化重合して色を出す.
6=(5)
(1) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(4) 誤 アミノ・カルボニル反応の初期に, アマドリ転移反応が起こる.
(5) 正 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物 (α-アミノ酸やたんぱく質など) と還元糖 (還元糖や脂質の分解生成物など) の反応により褐変色素が生成する反応である.
7=(1)
(1) 正 アミノ・カルボニル反応では, メラノイジンが生成する.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応によって生成する褐色色素メラノイジンは, 抗酸化作用を示す.
(3) 誤 メラノイジンは, アミノ・カルボニル反応の最終生成物である.
(4) 誤 非酵素的褐変反応であるアミノ・カルボニル反応には, 酵素は関与しない.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 酸性アミノ酸のアミドや塩基性アミノ酸の側鎖で反応が進む.
8=(4)
(1) 誤 アミノ・カルボニル反応による褐変は, 非還元糖よりも還元糖で速く進む.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応の速度は, pH, 温度, 金属, 光, 水分活性などの影響を受ける.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 水分活性が 0.6~0.8 (中間水分領域) のときに最も早く反応が進む.
(4) 正 食品のpHが高いほど, アミノ・カルボニル反応は速く進む.
(5) 誤 酸素や金属イオンが存在すると, アミノ・カルボニル反応は速く進む.
9=(1)
(1) 正 亜硫酸や亜硫酸塩は, アミノ・カルボニル反応を抑制する.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 食品の品質に悪い影響を与えることも, 良い影響を及ぼすこともある反応である.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応により, 甘い香りのフラン類が生成することがある.
(4) 誤 ストレッカー分解反応は, アミノ・カルボニル反応の中間生成物とα-アミノ酸との間で起こる反応である.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応により, たんぱく質の栄養価が減少することがある.
10=(1)と(2)
(1) 正 ストレッカー分解反応は, アルデヒドやピラジン類の加熱香気成分を生じる反応である.
(2) 正 加熱調理に伴う褐変は, 主にアミノ・カルボニル反応による.
(3) 誤 アミノカルボニル反応は, スクロースよりもラクトースの方が進みやすい.
(4) 誤 一般に酸性条件下では, 食品の褐変は起りにくい.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応によるたんぱく質栄養価の低下は, 主に有効性リジンの減少に起因する.
11=(4)
(1) 誤 桃缶詰製造の際の桃の剥皮には, アルカリ溶液が利用されている.
(2) 誤 たけのこの缶詰の液汁が白濁する現象には, チロシンが関与している.
(3) 誤 みかんの缶詰の液汁が白濁する現象には, ヘスペリジンが関与している.
(4) 正 かにの缶詰の黒変は, 硫化鉄が生じることにより起こる.
(5) 誤 鶏肉水煮缶詰のフラットサワーは, 好熱性細菌により起こる.
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次回は, 「6 食品の生産・加工・保存・流通と栄養 C 食品流通・保存と栄養, D 器具と容器包装」 の正文集です.
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1=(2)
(1) 誤 食品の加熱による褐変によって, たんぱく質の栄養価は低下する.
(2) 正 アミノ・カルボニル反応によるたんぱく質栄養価の低下は, 主に有効性リジンの減少に起因する.
(3) 誤 皮をむいたりんご, じゃがいもなどにみられる褐変反応では, ビタミン類やアミノ酸の分解も伴うため食品の栄養価は低下する.
(4) 誤 たんぱく質をアルカリで処理すると, リシノアラニンが生成し, リシンが減少して栄養価が低下することが多い.
(5) 誤 脂質の酸化によって生じたラジカルは, たんぱく質中のトリプトファン, メチオニン, リジン, ヒスチジン, アルギニン, シスチン, システイン残基などと反応し, たんぱく質の栄養価を低下させる.
2=(1)と(5)
(1) 正 糸引納豆は, 納豆菌の酵素により大豆組織やたんぱく質が分解されており消化されやすくなっている.
(2) 誤 レジスタントスターチには, 食物繊維としての特性がある.
(3) 誤 加熱膨潤したデンプンを放置すると, もとのデンプン構造に似た状態へ変化して水に溶けにくくなる.
(4) 誤 油脂を含む冷凍加工食品では, 脂質の酸化が起こる (油焼け).
(5) 正 小麦粉に含まれるビタミンB1は, 菓子製造に用いられる重曹により分解される.
3=(1)
(1) 正 魚介類冷凍品の品質変化には, 脂質の変化, たんぱく質の変性, 肉質のスポンジ化, その他がある.
(2) 誤 デンプンに水を加えて加熱すると膨潤して, 消化されやすい糊化デンプンとなる.
(3) 誤 マメ科植物の種子の組織が損傷を受けると, 不飽和脂肪酸から過酸化脂質が生成される.
(4) 誤 米粒中のビタミンB1量は, 玄米>半つき米>七分つき米>精白米の順である.
(5) 誤 ビタミンCは, 加工保存中に分解されやすいビタミンである.
4=(3)
(1) 誤 海水からの真水の製造には, 逆浸透膜法が用いられる.
(2) 誤 大豆たんぱく質の分離には, 限外ろ過法が用いられる.
(3) 正 生ビールの製造には, 精密ろ過法が用いられる.
(4) 誤 海水からの食塩の製造には, イオン交換膜法 (電気透析法) が用いられる.
(5) 誤 ジュースの濃縮には, 真空濃縮法や逆浸透膜法が用いられる.
5=(4)
(1) 誤 アスコルビン酸の存在により, 非ヘム鉄の吸収は促進される.
(2) 誤 「もみじおろし」 では, アスコルビナーゼによるビタミンCの酸化が促進される.
(3) 誤 湯葉は豆乳を 80 ℃ 以上に加熱して生じる皮膜で, 大豆たんぱく質と脂質との複合体である.
(4) 正 湯葉の脂質は, 酸化を受けにくい.
(5) 誤 紅茶は, 茶葉を良くもんでポリフェノールオキシダーゼによりカテキンを酸化重合して色を出す.
6=(5)
(1) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物と還元糖の反応により褐変色素が生成する反応である.
(4) 誤 アミノ・カルボニル反応の初期に, アマドリ転移反応が起こる.
(5) 正 アミノ・カルボニル反応は, アミノ化合物 (α-アミノ酸やたんぱく質など) と還元糖 (還元糖や脂質の分解生成物など) の反応により褐変色素が生成する反応である.
7=(1)
(1) 正 アミノ・カルボニル反応では, メラノイジンが生成する.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応によって生成する褐色色素メラノイジンは, 抗酸化作用を示す.
(3) 誤 メラノイジンは, アミノ・カルボニル反応の最終生成物である.
(4) 誤 非酵素的褐変反応であるアミノ・カルボニル反応には, 酵素は関与しない.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 酸性アミノ酸のアミドや塩基性アミノ酸の側鎖で反応が進む.
8=(4)
(1) 誤 アミノ・カルボニル反応による褐変は, 非還元糖よりも還元糖で速く進む.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応の速度は, pH, 温度, 金属, 光, 水分活性などの影響を受ける.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 水分活性が 0.6~0.8 (中間水分領域) のときに最も早く反応が進む.
(4) 正 食品のpHが高いほど, アミノ・カルボニル反応は速く進む.
(5) 誤 酸素や金属イオンが存在すると, アミノ・カルボニル反応は速く進む.
9=(1)
(1) 正 亜硫酸や亜硫酸塩は, アミノ・カルボニル反応を抑制する.
(2) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 食品の品質に悪い影響を与えることも, 良い影響を及ぼすこともある反応である.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応により, 甘い香りのフラン類が生成することがある.
(4) 誤 ストレッカー分解反応は, アミノ・カルボニル反応の中間生成物とα-アミノ酸との間で起こる反応である.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応により, たんぱく質の栄養価が減少することがある.
10=(1)と(2)
(1) 正 ストレッカー分解反応は, アルデヒドやピラジン類の加熱香気成分を生じる反応である.
(2) 正 加熱調理に伴う褐変は, 主にアミノ・カルボニル反応による.
(3) 誤 アミノカルボニル反応は, スクロースよりもラクトースの方が進みやすい.
(4) 誤 一般に酸性条件下では, 食品の褐変は起りにくい.
(5) 誤 アミノ・カルボニル反応によるたんぱく質栄養価の低下は, 主に有効性リジンの減少に起因する.
11=(4)
(1) 誤 桃缶詰製造の際の桃の剥皮には, アルカリ溶液が利用されている.
(2) 誤 たけのこの缶詰の液汁が白濁する現象には, チロシンが関与している.
(3) 誤 みかんの缶詰の液汁が白濁する現象には, ヘスペリジンが関与している.
(4) 正 かにの缶詰の黒変は, 硫化鉄が生じることにより起こる.
(5) 誤 鶏肉水煮缶詰のフラットサワーは, 好熱性細菌により起こる.
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次回は, 「6 食品の生産・加工・保存・流通と栄養 C 食品流通・保存と栄養, D 器具と容器包装」 の正文集です.