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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

臨床 28-04

2013年08月16日 | 日記
「2 傷病者・要介護者の栄養アセスメント」 の練習問題と解答・解説です.

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2 傷病者・要介護者の栄養アセスメント 27問 問題
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1 栄養スクリーニングと栄養アセスメントに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 主観的包括的栄養評価法 (SGA) は, 栄養スクリーニングには用いられない.
(2) 主観的包括的アセスメント (SGA) は患者の病歴と身体症状に関する評価項目で構成される.
(3) 栄養スクリーニングは, 退院時に行う.
(4) 主訴には過去の手術の有無が含まれる.
(5) 入院までの経過は, 家族歴から読み取る.

2 問診と観察に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 眼球結膜による黄疸の推定は, 可能である.
(2) 皮膚症状による栄養状態の推定は, 不可能である.
(3) 皮膚の緊張から脱水の推定は, 不可能である.
(4) 毛髪による慢性的なエネルギー過剰摂取の推定は, 可能である.
(5) 爪の変化による貧血の推定は, 不可能である.

3 身体計測の測定項目に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 膝下高は, 骨格筋量の推定に利用される.
(2) 体脂肪率は, 上腕二頭筋部皮下脂肪厚と肩甲骨下部皮下脂肪厚により算出できる.
(3) ウエスト周囲長は, 骨格筋量の指標である.
(4) 上腕筋面積は, 上腕三頭筋部皮下脂肪厚と上腕周囲長により算出できる.
(5) 上腕筋面積は, 除脂肪量と反比例する.

4 身体計測の測定項目に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体脂肪率は, 膝高から推定できる.
(2) 上腕筋囲は, 上腕周囲長と体重により算出できる.
(3) 皮下脂肪厚は, 体内脂肪貯蔵量を反映する.
(4) 上腕筋囲の低下は, 脂質栄養障害にみられる.
(5) 肥満度は, ウエスト/ヒップ比から推定できる.

5 身体計測の測定項目に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 内臓脂肪蓄積型肥満は, ウエスト/ヒップ比から推定できる.
(2) 人体における片下肢の重量比率は, 約 8% である.
(3) 握力は, 栄養状態の動的アセスメント項目である.
(4) わが国では, 若年女性の肥満が増加している.
(5) BMIが 20 であれば, 「やせ」 と判定される.

6 体組成に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 生体インピーダンス法は, 体脂肪量の推定に用いられる.
(2) DEXAは, エネルギー消費量を測定する.
(3) BIAは, 体脂肪の分布状態を測定する.
(4) CTは, 体脂肪率を調べる.
(5) MRIは, たんぱく質の摂取量を調べる.

7 栄養状態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清アルブミンの基準値は, 2.0~3.0 g/dLである.
(2) 血清アルブミン濃度は, 一週間以内のたんぱく質合成能を反映する.
(3) 血清アルブミン値の低下は, 鉄欠乏状態にみられる.
(4) 低アルブミン血症は, 浮腫の原因となる.
(5) クワシオルコルでは, 血清たんぱく質濃度は上昇する.

8 栄養状態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 24時間尿中窒素排泄量は, 摂取エネルギー量の推定に用いられる.
(2) 負の窒素出納は, 体たんぱく質量の減少を意味する.
(3) 血中尿素窒素 (BUN) の基準値は, 30~40 mg/dL である.
(4) 血中尿素窒素値は, 食事摂取量の影響を受けない.
(5) 血中アンモニアの基準値は, 5~10 μg/dLである.

9 栄養状態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) クレアチニンは, 腎尿細管から分泌される.
(2) 血中クレアチニンクリアランスの基準値は, 120~140 mg/分である.
(3) 血清クレアチニン値の基準値は, 2.0 mg/dL である.
(4) 血中クレアチニン濃度は, 筋肉量の判定に有用である.
(5) 24時間尿中クレアチニン排泄量の基準値は, 2.0 mg/dL である.

10 栄養状態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 尿中クレアチニン排泄量は, 体脂肪量の指標となる.
(2) クレアチニン身長係数 (%) は, 尿中クレアチニン排泄量[mg/日]÷標準体重[kg]×100 であらわされる.
(3) クレアチニン身長係数は, 推定身長の指標である.
(4) クレアチニン身長係数が 65% の時は, アミノ酸の投与不足を疑う.
(5) 尿中 3-メチルヒスチジン量は, 筋肉たんぱく質異化量を反映する.

11 栄養状態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清トランスフェリン値は, 脂質代謝の指標となる.
(2) 血清レチノール結合たんぱく質濃度は, 免疫能を反映する.
(3) 間接熱量計により, 安静時エネルギー消費量および呼吸商を知ることができる.
(4) 呼吸商が 0.7 の時は, 脂肪の投与不足を疑う.
(5) 重炭酸イオン濃度が低下する時は, 亜鉛欠乏を疑う.

12 病態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清C-ペプチド値は, 尿酸代謝の指標となる.
(2) 血中インスリン濃度低下, 尿中Cペプチド濃度低下は, 甲状腺機能低下症でみられる.
(3) 血清1,5-アンヒドログルシトール値から, 体たんぱく質貯蔵状態を推定できる.
(4) 尿中ケトン体増加から, エネルギー源としての脂質利用低下が推定できる.
(5) ケトン体のうち, アセト酢酸と 3-ヒドロキシ酪酸の増加は代謝性アシドーシスを招く.

13 糖代謝の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 尿糖陽性所見は, 糖尿病のみに認められる.
(2) 高血糖や耐糖能低下をきたしやすい二次性疾患として, 肝硬変, 慢性膵炎, 甲状腺機能低下症などがある.
(3) 低血糖とは, 一般に血糖値が 100 mg/dL 以下に低下した場合を指す.
(4) 低血糖をきたしやすい疾患には, インスリノーマ, 副腎皮質機能不全症, 糖原病などがある.
(5) 胃切除後には, 食後高血糖になることはない.

14 病態の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 血清トリグリセリド値の上昇は, 摂取エネルギー量の不足を意味する.
(2) 甲状腺機能亢進症では, 血中コレステロールが上昇する.
(3) 匙状爪 (スプーンネイル) は, アルブミンの減少によって爪が反ったものである.
(4) 亜鉛欠乏では, 溶血性貧血を起こす.
(5) 高カルシウム血症の原因となる病態に, 原発性副甲状腺機能亢進症がある.

15 病態と電解質に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血液の pH は, 6.95~7.05 である.
(2) 血清ナトリウム値の基準値は, 120 mEq/L である.
(3) 高ナトリウム血症の原因となる病態に, 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH) がある.
(4) 血清カリウム値の基準値は, 3.5~4.9 mEq/L である.
(5) 高カリウム血症の原因となる病態に, 原発性アルドステロン症がある.

16 病態と電解質に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 高カリウム血症の原因となる病態に, 下痢による腸液喪失がある.
(2) 溶血は, 低カリウム血症の原因となる.
(3) 血中重炭酸イオン濃度の基準値は, 18 mEq/L である.
(4) 血中塩素濃度の基準値は, 96~108 mEq/L である.
(5) 頻回嘔吐では, 血清クロール値が高くなる.

17 病態と血中酵素活性に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清AST値やALT値は, ウイルス性肝炎, 薬剤性肝障害, 脂肪肝では高くなるが, アルコール性肝障害では高くならない.
(2) 急性心筋梗塞では, 血中AST, CPK, LDHが上昇する.
(3) 血清AST (GOT) 値やLDH値は, 急性肝炎で低下する.
(4) 血清AST値やALT値は, 筋ジストロフィー症などの筋疾患で低下する.
(5) 血清AST値やALT値は, 溶血性貧血では低くなる.

18 肝胆膵疾患の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血液のフィッシャー比の基準値は, 2.4~4.4 である.
(2) 血清コリンエステラーゼ値から, 体内のカルシウム貯蔵状態を推定できる.
(3) 血清コリンエステラーゼ (ChE) 値は, 肝機能が傷害されると上昇する.
(4) 脂肪肝では, 血中コリンエステラーゼが低下する.
(5) 血中ビリルビン濃度低下, インドシアニングリーン排泄遅延は, 肝機能低下 (肝不全) でみられる.

19 肝胆膵疾患の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肝硬変では, 血清γ-グロブリン濃度が低下する.
(2) 肝硬変では, 血液凝固因子低下がみられる.
(3) アルコール性肝障害では, 血中γ-GTP活性の低下がみられる.
(4) 胆汁うっ滞では, 血中コレステロールが低下し, アルカリホスファターゼ, γ-GTPが上昇する.
(5) 急性膵炎では, 血中リパーゼ, アミラーゼが上昇し, 白血球数が減少する.

20 腎疾患の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 尿量 200 mL/日以下を, 乏尿という.
(2) 慢性腎不全は, 低カリウム血症の原因となる.
(3) 腎機能低下 (腎不全) では, 血中クレアチニン濃度上昇, 尿素窒素濃度上昇がみられる.
(4) 腎不全では, ヘモグロビンが上昇する.
(5) ネフローゼ症候群では, 血清アルブミン濃度は上昇する.

21 黄疸の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清ビリルビン値が 5.0 mg/dl 以上になると黄疸が認められる.
(2) 溶血性黄疸では, 血清直接ビリルビン値が高くなる.
(3) 閉鎖性黄疸では, 主として血清間接型ビリルビンが増加する.
(4) 新生児黄疸では, 主として血清直接型ビリルビンが増加する.
(5) 肝臓機が正常であれば, 血清ビリルビンは直接型と間接型が存在する.

22 血液の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 紫斑は, 溶血により皮下出血が多発し, 皮膚に紫色の斑点ができる症候である.
(2) 血中赤血球数の基準値は, 260×10^4/μL 程度である.
(3) 血中ヘマトクリット値から, 血液の総容積に対する赤血球の相対的容積 (%) を推定できる.
(4) 血中赤血球数減少, 血中ヘモグロビン濃度低下は, 胆のう炎でみられる.
(5) 血中白血球数の基準値は, 2~3×10^4/μL である.
※ 10^4=10の4乗

23 免疫, 感染症, 炎症の評価指標に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血中総リンパ球数の増加は, 貯蔵鉄の減少を意味する.
(2) 末梢血総リンパ球数は, 栄養障害で低下する.
(3) 末梢血好中球数は, 筋たんぱく質量を反映する.
(4) T細胞の減少は, 免疫能の増加を示す.
(5) C-ペプチド値は, 炎症性疾患で上昇する.

24 栄養アセスメントによるエネルギー必要量の算定 (推定) に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ハリス-ベネディクト (Harris-Benedict) の式で, 身体活動レベルが推定できる.
(2) ハリス-ベネディクト (Harris-Benedict) の公式には, ストレス係数が用いられている.
(3) ハリス-ベネディクトの公式にストレス係数と活動係数を乗じて, 総エネルギー消費量 (TEE) が算定される.
(4) 安静時エネルギー消費量は, 間接熱量測定計で測定できる.
(5) 熱傷では, 基礎代謝量は低下する.

25 栄養アセスメントによるエネルギー, たんぱく質の必要量の算定 (推定) に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ベッド上, 安静時の身体活動レベルは, 1.5 である.
(2) 長期低栄養状態では, 基礎代謝量は増加する.
(3) 腎疾患がみられない場合, たんぱく質は 0.6~0.8 g/kg標準体重/日とする.
(4) たんぱく質制限食では, 非たんぱく質エネルギーと窒素の比 (NPC/N比) は 200~500 とする.
(5) 尿中への1日窒素排泄量が体全体の窒素排泄量の 80% を占める場合, 臨床で用いる窒素出納を求める簡易式は, [6.25/たんぱく質摂取量 (g/日)-0.8/尿中窒素排泄量 (g/日)] となる.

26 栄養アセスメントによる栄養必要量の算定 (推定) に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) たんぱく質摂取が過剰のときは, 血中尿素窒素濃度/血中クレアチニン濃度の比は低下する.
(2) 摂取炭水化物量は, エネルギー比率 60% とする.
(3) 脂肪制限がなければ, 脂肪はエネルギー比率を 15% とする.
(4) 体内における脂質の酸化が多いと, 呼吸商は 1.0 に近づく.
(5) 呼吸商が 0.7 より小さくなることはない.

27 栄養アセスメントによる水分必要量の算定 (推定) に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 高張性脱水症では, 舌乾燥はみられない.
(2) 低張性脱水症では, 塩分を含まない水を補給する.
(3) 脱水時の1日水分補給量は, 前日尿量+300 mL とする.
(4) 脱水時の1日水分補給量は, 体温が 37 ℃ を超えた場合には, 現体重×30~40 mL に 150 mL/℃/日を追加する.
(5) 1日の水の出納は, 「入」 が飲水および食物中の水分, 「出」 が不可避尿, 随意尿, 不感蒸泄, 糞中排泄, 代謝水である.

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2 傷病者・要介護者の栄養アセスメント 27問 解答と解説
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1=(2)
(1) 誤 主観的包括的栄養評価法 (SGA) は, 栄養スクリーニングに有用である.
(2) 正 主観的包括的アセスメント (SGA) は患者の病歴と身体症状に関する評価項目で構成され, 栄養スクリーニングに用いられる.
(3) 誤 栄養スクリーニングは, 入院後できるだけ速やかに実施する.
(4) 誤 主訴とは, 患者の自覚症状のなかで最も関心が高い重要な訴えである.
(5) 誤 入院までの経過は, 現病歴から読み取る.

2=(1)
(1) 正 黄疸では眼球結膜に最も早く黄変が起こるので, 眼球結膜による黄疸の推定は可能である.
(2) 誤 ビタミンB2欠乏による脂漏性皮膚炎やナイアシン欠乏によるペラグラ (皮膚炎) など, 皮膚症状による栄養状態の推定は可能である.
(3) 誤 脱水により皮膚の緊張が弱まるので, 皮膚の緊張から脱水の推定は可能である.
(4) 誤 慢性的なエネルギー欠乏や悪性貧血では脱毛などを呈することから, 毛髪による慢性的なエネルギー過剰摂取の推定は不可能である.
(5) 誤 鉄欠乏性貧血でスプーンネイルがみられるように, 爪の変化による貧血の推定は可能である.

3=(4)
(1) 誤 膝高 (膝下高) により, 身長や体重が推定できる.
(2) 誤 体脂肪率は, 上腕三頭筋部皮下脂肪厚と肩甲骨下部皮下脂肪厚により算出できる.
(3) 誤 内臓脂肪量は, ウエスト周囲径から推定できる.
(4) 正 上腕筋面積は, 上腕三頭筋部皮下脂肪厚と上腕周囲長により算出できる.
(5) 誤 上腕筋面積は筋たんぱく質量およびエネルギー摂取状況を反映するため, 除脂肪量と比例する.

4=(3)
(1) 誤 膝高 (膝下高) により, 身長や体重が推定できる.
(2) 誤 上腕筋囲は, 上腕周囲長と上腕三頭筋部皮下脂肪厚により算出できる.
(3) 正 皮下脂肪厚は, 体内脂肪貯蔵量を反映する.
(4) 誤 上腕筋囲は, 骨格筋量と相関する.
(5) 誤 肥満度は, (実測体重-標準体重)/標準体重 から推定できる.

5=(1)
(1) 正 内臓脂肪蓄積型肥満は, ウエスト/ヒップ比から推定できる.
(2) 誤 人体における片下肢の重量比率は, 約 19% である.
(3) 誤 握力は, 栄養状態の静的アセスメント項目である.
(4) 誤 わが国では, 若年女性のやせが増加している.
(5) 誤 BMIが 18.5 未満であれば, 「やせ」 と判定される.

6=(1)
(1) 正 生体インピーダンス法は, 体脂肪量の推定に用いられる.
(2) 誤 DEXA (dual energy X-ray absorpsiometry) は, 骨密度や体脂肪量を測定する.
(3) 誤 BIA (bioelectrical impedance analysis) は, 体組成を測定する.
(4) 誤 CT (computed tomography) は, 体脂肪の分布状態を調べる.
(5) 誤 MRI (magnetic resonance imaging) は, 体内の臓器や血管などの画像を撮影する.

7=(4)
(1) 誤 血清アルブミン値の基準値は, 4.0~5.0 g/dL である.
(2) 誤 血清アルブミン濃度は, 過去三週間程度のたんぱく質合成能を反映する.
(3) 誤 血清アルブミン値の低下は, たんぱく質栄養障害にみられる.
(4) 正 低アルブミン血症は, 血液の膠質浸透圧が低下し, 水が組織に漏出するため, 浮腫の原因となる.
(5) 誤 たんぱく質低栄養状態であるクワシオルコルでは, 血清たんぱく質濃度は低下する.

8=(2)
(1) 誤 24時間尿中窒素排泄量は, 摂取たんぱく質量の推定に用いられる.
(2) 正 負の窒素出納は, 体たんぱく質量の減少を意味する.
(3) 誤 血中尿素窒素 (BUN) の基準値は, 8~20 mg/dL である.
(4) 誤 血中尿素窒素値は, 高たんぱく質食摂取で上昇する.
(5) 誤 血中アンモニアの基準値は, 18~48 μg/dLである.

9=(1)かつ(4)
(1) 正 クレアチニンは糸球体からろ過されるとともに, 一部尿細管から分泌される.
(2) 誤 血中クレアチニンクリアランスの基準値は, 80~110 mg/分である.
(3) 誤 血中クレアチニン (Cr) の基準値は, 男性が 0.68~1.14 mg/dL, 女性が 0.65~1.07 mg/dL である.
(4) 正 血中クレアチニン濃度は, 筋肉量の判定に有用である.
(5) 誤 24時間尿中クレアチニン排泄量の基準値は, 男性で 0.66~1.13 mg/dL, 女性で 0.48~0.80 mg/dL である.

10=(5)
(1) 誤 尿中クレアチニン排泄量は, 筋肉量の指標となる.
(2) 誤 クレアチニン身長係数 (%) は, 尿中クレアチニン排泄量[mg/日]÷(標準体重[kg]×クレアチニン排泄基準値)×100 であらわされる.
(3) 誤 クレアチニン身長係数は, 骨格筋量の指標である.
(4) 誤 クレアチニン身長係数が 65% の時は, エネルギー不足を疑う.
(5) 正 尿中 3-メチルヒスチジン量は, 筋肉たんぱく質異化量を反映する.

11=(3)
(1) 誤 血清トランスフェリン値は, 栄養状態の指標となる.
(2) 誤 血清レチノール結合たんぱく質濃度は, 短期間のたんぱく質合成能を反映する.
(3) 正 間接熱量計により, 安静時エネルギー消費量および呼吸商を知ることができる.
(4) 誤 呼吸商が 0.7 の時は, 体脂肪の分解が起きているので, エネルギーの不足を疑う.
(5) 誤 重炭酸イオン濃度が低下する時は, 酸の過剰産生 (アシドーシス) を疑う.

12=(5)
(1) 誤 血清C-ペプチド値は, 糖代謝 (インスリン分泌) の指標となる.
(2) 誤 血中インスリン濃度低下, 尿中Cペプチド濃度低下は, 糖尿病でみられる.
(3) 誤 血清1,5-アンヒドログルシトール値から, 過去1週間程度の糖尿病の状態を推定できる.
(4) 誤 尿中ケトン体増加から, エネルギー源としての糖質利用低下が推定できる.
(5) 正 ケトン体のうち, アセト酢酸と 3-ヒドロキシ酪酸の増加は代謝性アシドーシスを招く.

13=(4)
(1) 誤 尿糖陽性所見は, 糖尿病でない場合にも認められることがある.
(2) 誤 高血糖や耐糖能低下をきたしやすい二次性疾患として, 肝硬変, 慢性膵炎, 甲状腺機能亢進症などがある.
(3) 誤 低血糖とは, 一般に血糖値が 40~50 mg/dL 以下に低下した場合を指す.
(4) 正 低血糖をきたしやすい疾患には, インスリノーマ (膵ラ島B細胞腫瘍), 副腎皮質機能不全症, 糖原病などがある.
(5) 誤 胃切除後には, 食後高血糖になることも低血糖になることもある.

14=(4)かつ(5)
(1) 誤 血清トリグリセリド値の上昇は, 摂取 (糖質) エネルギー量の過剰を意味する.
(2) 誤 甲状腺機能亢進症では, 血中コレステロールが低下する.
(3) 誤 匙状爪 (スプーンネイル) は, 鉄の欠乏によって爪が反ったものである.
(4) 正 亜鉛欠乏では, 赤血球膜の脆弱化による溶血性貧血を起こす.
(5) 正 原発性副甲状腺機能亢進症では, パラソルモンが骨吸収・カルシウムの腸管吸収・腎でのカルシウムの再吸収の三者を亢進するため高カルシウム血症がみられる.

15=(4)
(1) 誤 血液の pH は, 7.35~7.45 である.
(2) 誤 血清ナトリウム値の基準値は, 135~147 mEq/L である. 幅が狭いことに注意.
(3) 誤 低ナトリウム血症の原因となる病態に, 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH) がある. 体内が水分過剰となるため.
(4) 正 血清カリウム値の基準値は, 3.5~4.9 mEq/L である.
(5) 誤 原発性アルドステロン症は, アルドステロンによりカリウムの排出が亢進するため, 低カリウム血症の原因となる.

16=(4)
(1) 誤 下痢は, カリウムを大量に含む腸内容物が喪失するため, 低カリウム血症の原因となる.
(2) 誤 溶血は, 赤血球内の高濃度のカリウムが放出されるため, 高カリウム血症の原因となる.
(3) 誤 血中重炭酸イオン濃度の基準値は, 22~26 mEq/L である. 幅が狭いことに注意.
(4) 正 血中塩素濃度の基準値は, 96~108 mEq/L である.
(5) 誤 頻回嘔吐では, 胃液が喪失するため, 血清クロール値が低くなる.

17=(2)
(1) 誤 劇症肝炎, ウイルス性肝炎, 薬剤性肝障害, 脂肪肝, アルコール性肝障害では, 血清AST値やALT値が高くなる.
(2) 正 急性心筋梗塞では, 血中AST, CPK, LDHが上昇する.
(3) 誤 急性肝炎や心筋梗塞では, 血清AST値やLDH値が上昇する.
(4) 誤 筋ジストロフィー症などの筋疾患では, 血清AST値やALT値が高くなる.
(5) 誤 ALTは赤血球にも多く存在するので, 溶血性貧血では血清AST値やALT値が高くなる.

18=(1)
(1) 正 血液のフィッシャー比の基準値は, 2.4~4.4 である.
(2) 誤 血清コリンエステラーゼ値から, 肝細胞の合成機能 (肝疾患の程度) を推定できる.
(3) 誤 コリンエステラーゼ (ChE) は肝臓で合成されるので, 血清ChE値は肝機能が傷害されると低下する.
(4) 誤 脂肪肝では, 血中コリンエステラーゼが上昇する.
(5) 誤 肝機能低下 (肝不全) では, 血中ビリルビン濃度上昇, インドシアニングリーン排泄遅延がみられる.

19=(2)
(1) 誤 肝硬変では, 血清γ-グロブリン濃度が上昇する.
(2) 正 肝硬変では, 血液凝固因子低下がみられる.
(3) 誤 アルコール性肝障害では, 血中γ-GTP活性の上昇がみられる.
(4) 誤 胆汁うっ滞では, 血中コレステロール, アルカリホスファターゼ, γ-GTPが上昇する.
(5) 誤 急性膵炎では, 血中リパーゼ, アミラーゼ, 白血球数が上昇する.

20=(3)
(1) 誤 尿量 400 mL/日以下を, 乏尿という.
(2) 誤 慢性腎不全では, 尿中へのカリウムの排泄が障害されるため, 高カリウム血症となる.
(3) 正 腎機能低下 (腎不全) では, 血中クレアチニン濃度上昇, 尿素窒素濃度上昇がみられる.
(4) 誤 腎不全では, エリスロポエチンの分泌が低下するので, ヘモグロビンが低下する.
(5) 誤 ネフローゼ症候群では, 血清アルブミン濃度は低下する. 血清アルブミン濃度 3.0 g/dL 以下.

21=(5)
(1) 誤 血清ビリルビン値が 2.0 mg/dl 以上になると黄疸が認められる.
(2) 誤 溶血性黄疸では, ビリルビンが肝臓で抱合を受けないため, 血清間接ビリルビン値が高くなる.
(3) 誤 閉鎖性黄疸では, 主として血清直接型ビリルビンが増加する.
(4) 誤 新生児黄疸では, 主として血清間接型ビリルビンが増加する.
(5) 正 肝臓機が正常であれば, 血清ビリルビンは直接型と間接型が存在する.

22=(3)
(1) 誤 紫斑は, 血小板の減少により皮下出血が多発し, 皮膚に紫色の斑点ができる症候である.
(2) 誤 血中赤血球数の基準値は, 男性 430~570 (×10^4/μL), 女性 380~500 (×10^4/μL) である.
(3) 正 血中ヘマトクリット値から, 血液の総容積に対する赤血球の相対的容積 (%) を推定できる.
(4) 誤 血中赤血球数減少, 血中ヘモグロビン濃度低下は, 貧血でみられる.
(5) 誤 血中白血球数の基準値は, 3500~9800 (/μL) である.
※ 10^4=10の4乗

23=(2)
(1) 誤 血中総リンパ球数の増加は, 感染症の回復を意味する.
(2) 正 末梢血総リンパ球数は, 栄養障害で低下する.
(3) 誤 末梢血好中球数は, 組織の炎症の程度を反映する.
(4) 誤 T細胞の減少は, 免疫能の低下を示す.
(5) 誤 C反応性蛋白質 (CRP) 値は, 炎症性疾患で上昇する.

24=(3)かつ(4)
(1) 誤 ハリス-ベネディクト (Harris-Benedict) の式で, 基礎エネルギー消費量 (BEE, kcal/日) が推定できる.
(2) 誤 ハリス-ベネディクト (Harris-Benedict) の公式には, ストレス係数が用いられていない.
(3) 正 ハリス-ベネディクトの公式にストレス係数と活動係数を乗じて, 総エネルギー消費量 (TEE) が算定される.
(4) 正 安静時エネルギー消費量は, 間接熱量測定計で測定できる.
(5) 誤 熱傷では, 基礎代謝量は増加する.

25=(4)
(1) 誤 ベッド上, 安静時の身体活動レベルは, 1.1~1.2 である.
(2) 誤 長期低栄養状態では, 基礎代謝量は減少する.
(3) 誤 腎疾患がみられない場合, たんぱく質は 1.0~1.2 g/kg標準体重/日とする.
(4) 正 たんぱく質制限食では, 非たんぱく質エネルギーと窒素の比 (NPC/N比) は 200~500 とする.
(5) 誤 尿中への1日窒素排泄量が体全体の窒素排泄量の 80% を占める場合, 臨床で用いる窒素出納を求める簡易式は, [たんぱく質摂取量 (g/日)/6.25-尿中窒素排泄量 (g/日)/0.8] となる.

26=(2)
(1) 誤 たんぱく質摂取が過剰のときは, 血中尿素窒素濃度/血中クレアチニン濃度の比は上昇する.
(2) 正 摂取炭水化物量は, エネルギー比率 60% とする.
(3) 誤 脂肪制限がなければ, 脂肪はエネルギー比率を 20~25% とする.
(4) 誤 体内における脂質の酸化が多いと, 呼吸商は 0.7 に近づく.
(5) 誤 肺気腫やCOPDではCO2排出が傷害されるので, 呼吸商は 0.7 より小さくなることがある.

27=(4)
(1) 誤 高張性脱水症では, 舌乾燥がみられる.
(2) 誤 低張性脱水症では, 塩分を含んだ水を補給する.
(3) 誤 脱水時の1日水分必要量は, 現体重×30~40 mL とする.
(4) 正 脱水時の1日水分補給量は, 体温が 37 ℃ を超えた場合には, 現体重×30~40 mL に 150 mL/℃/日を追加する.
(5) 誤 1日の水の出納は, 「入」 が飲水 1,100 mL, 食物中 1,000 mL, 代謝水 300 mL, 「出」 が不可避尿 500 mL, 随意尿 1,000 mL, 不感蒸泄 800 mL, 糞中 100 mL である.

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次回は, 「3 栄養ケアの計画と実施」 および 「4 栄養・食事療法, 栄養補給法」 の穴埋め問題と正文集です.

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