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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

食べ物 27-64

2013年02月04日 | 日記
6 食品の生産・加工・保存・流通と栄養 C 食品流通・保存と栄養, D 器具と容器包装 15問 解答と解説

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1=(5)
(1) 誤 冷凍魚の表面に氷衣 (グレーズ) をつけるのは, 冷凍焼け (油焼け) の防止のためである.
(2) 誤 冷凍によるドリップの発生は, 急速凍結により抑制される.
(3) 誤 氷結点以上かつ約 15 ℃ 以下の温度域において青果物の生理的変化が原因で起こる品質の変化を, 低温障害という.
(4) 誤 低温障害は, 熱帯原産や亜熱帯原産の野菜や果物を冷凍する場合に生じる.
(5) 正 着色食品に光を当てると, 光増感酸化を起こしてフレーバーの劣化をもたらすことがある.

2=(2)
(1) 誤 室温 (20~25 ℃) では, 低温 (0~4 ℃) よりでん粉の老化が進みにくい.
(2) 正 砂糖の添加は, でん粉の老化に対して遅延効果がある. 求肥や羊羹など.
(3) 誤 脂質が酸化されるとペルオキシラジカルやアルコキシラジカルが生成し, たんぱく質と反応する.
(4) 誤 脂質の酸化によって生じたラジカルは, たんぱく質を構成するアミノ酸残基と反応してアミノ酸に損傷を与える.
(5) 誤 ペルオキシラジカルなどと反応してラジカル化したたんぱく質は, 重合し溶解度が低下して, プロテアーゼの作用を受けにくくなる.

3=(1)
(1) 正 アミロースは, アミロペクチンより老化が進みやすい.
(2) 誤 肉の腐敗時の緑変は, 細菌によって生成するアンモニアとヘム色素との反応による.
(3) 誤 水分含量が 30~60% の時に, でん粉の老化が最も進みやすい.
(4) 誤 酸敗油脂と共存しているたんぱく質は重合し, 消化性が低下する.
(5) 誤 脂質の酸化によって生じたラジカルは, たんぱく質中のトリプトファン, メチオニン, リジン, ヒスチジン, アルギニン, シスチン, システイン残基などと反応し, たんぱく質の栄養価を低下させる.

4=(3)
(1) 誤 酵素的褐変反応は, ポリフェノールオキシダーゼの作用により起こる反応である.
(2) 誤 酵素的褐変反応の抑制には, 亜硫酸塩や食塩, 有機酸などの酵素阻害剤が用いられる.
(3) 正 酵素的褐変は, ブランチング処理により防止することができる.
(4) 誤 冷凍エビの黒変は, 殻中のチロシンがチロシナーゼにより酸化されてメラニン色素を生成するためである.
(5) 誤 さつまいもやごぼうの切口が褐変するのは, ポリフェノールオキシダーゼによる酵素的褐変反応による.

5=(4)
(1) 誤 ポリフェノールオキシダーゼとは, ポリフェノール類をキノンに酸化する酵素で, 銅を含む金属酵素である.
(2) 誤 レンコンの褐変に関係するポリフェノールオキシダーゼは, 酸性溶液中や食塩水中では作用しない.
(3) 誤 茶葉のカテキン類がポリフェノールオキシダーゼによって酸化されると, 紅茶色素テアフラビンになる.
(4) 正 ジャガイモを切ると, 中のチロシンがチロシナーゼの作用で酸化され, 褐色のメラニンを生成する.
(5) 誤 皮をむいたリンゴやジャガイモが褐変するのは, クロロゲン酸やチロシンがそれぞれポリフェノールオキシダーゼやチロシナーゼによって酸化されるためである.

6=(3)
(1) 誤 食品成分表面で水素結合を形成している単分子層の水が, 結合水である.
(2) 誤 結合水は, 食品中のたんぱく質や糖質などと主として水素結合で結びついている.
(3) 正 結合水は, 0 ℃ で凍結せず, 100 ℃ で蒸発しない.
(4) 誤 水分活性は, 食品中の自由水量を示す指標である.
(5) 誤 水分活性 (Aw) は, 一定温度での純水の蒸気圧 (P0) に対する食品の蒸気圧 (P) の比 (Aw=P/P0) で示される.

7=(2)
(1) 誤 食品中に含まれる生体高分子などの表面に直接結合している水は, 単分子の層から成る.
(2) 正 食品中の結合水は, 構成成分と水和して束縛された状態や微細構造内に閉じ込められた状態にある.
(3) 誤 食品中の結合水は, 凍結乾燥によって除去することができない.
(4) 誤 食品中に存在する総水分中の自由水の割合が多ければ, 水分活性の値は 1.0 に近づく.
(5) 誤 食品の水分活性が低いほど, 加水分解酵素による反応は抑制される.

8=(1)と(4)
(1) 正 水分活性は, 結合水の割合が増えると低下し, 自由水の割合が増えると上昇する.
(2) 誤 水分活性が 0.75 以下になると, 微生物は増殖しない.
(3) 誤 脂質の酸化は, 水分活性 0.7 付近で最も抑制される.
(4) 正 純水の水分活性が 1 なので, 水分活性が 1.0 より高い食品はない.
(5) 誤 中間水分食品の水分活性は, 0.65~0.85 である.

9=(2)と(5)
(1) 誤 水分活性が低下しても, 結合水が多ければ水分含量は低下しない.
(2) 正 酵母の生育に必要な最小の水分活性値 (0.85) は, カビ (0.75) と細菌 (0.9) の値の間にある.
(3) 誤 アミノ・カルボニル反応は, 水分活性が 0.65~0.85 の中間水分領域で促進される.
(4) 誤 食塩やショ糖を添加したり, 乾燥させたり, 凍結させたりすることにより, 食品の水分活性を低下させることができる.
(5) 正 ジャム, ゼリー, 乾燥果物, ドライソーセージ, ようかん, 魚の干物などのような食品は保存性が高く, 中間水分食品と呼ばれる.

10=(4)
(1) 誤 水分含量が異なる食品の場合, 自由水の量によっては同じ水分活性値を示す.
(2) 誤 水分活性が低いと脂質の酸化は抑制されるが, 水分活性が極めて低い場合には, 逆に脂質の酸化が起こりやすくなる.
(3) 誤 アミノカルボニル反応は, 水分活性が 0.6~0.9 で起こりやすい.
(4) 正 食品に食塩またはショ糖を同モル濃度になるように添加した場合, 食塩を添加した食品のほうが, 低い水分活性値を示す.
(5) 誤 中間水分食品は, 復水する必要はない.

11=(1)
(1) 正 コールドチェーンとは, 食品の生産から消費までの問, 低温で保持し, 流通させることである.
(2) 誤 食品包装は, 品質保全, 安全性保持, 作業性, 簡便性, 商品性の向上などの目的で行なわれる.
(3) 誤 食品の包装材料は, 食品衛生法によって容器, 包材の規格と製造の基準が決められている.
(4) 誤 金属缶, ガラスビンなどで密封した食品に使用される金属, ガラスなどは, 包装材料に含まれる.
(5) 誤 缶詰, ビン詰食品は外部からの影響を受けにくいため長期間保存できるが, 永久に保存できるとは限らない.

12=(1)と(5)
(1) 正 アルミニウムは, プラスチックに比べて光透過性が低い.
(2) 誤 ガラスビンを構成する成分は, 食品成分と化学反応を起こしにくいのが利点である.
(3) 誤 ぺットボトルは, ポリエチレンテレフタレートでつくられている.
(4) 誤 ビスフェノールAとホスゲンは, ポリカーボネートの原材料である.
(5) 正 レトルトパウチ包装は, 調理済み食品 (カレーやハンバーグなど) に使われている.

13=(4)
(1) 誤 缶詰の缶には, スズメッキしたブリキが用いられている.
(2) 誤 プラスチック包装材と容器は軽量, 安価で熱接着性に優れており, 酸, アルカリ, 塩類に安定なものもある.
(3) 誤 ポリエチレンテレフタレートは, 熱可塑性樹脂である.
(4) 正 ラミネートフィルムは, 各種のプラスチックやアルミ箔などを貼り合わせ, それぞれの欠点を補ったフィルムである.
(5) 誤 レトルトパウチ食品は, 缶詰よりも高温で殺菌することが多いため, 品質が良好である.

14=(2)と(5)
(1) 誤 TFS缶は耐蝕性が高く, ブリキ缶よりも腐蝕しにくい.
(2) 正 食品包装に用いられるプラスチックフィルムには, 気体遮断性の良くないものもある.
(3) 誤 フェノール樹脂は, 熱硬化性樹脂である.
(4) 誤 レトルト食品の包材には, ラミネートフィルムが使われる.
(5) 正 食品の包装材料として, オブラートやアミロースフィルムなどの可食性フィルムがある.

15=(1)と(2)
(1) 正 フェノール樹脂, 尿素樹脂, メラミン樹脂などの材料であるホルムアルデヒドは, 発癌性が知られている.
(2) 正 焼成温度が低い陶磁器は, 調理時に金属 (顔料に含まれる鉛やカドミウムなど) が溶出することがある.
(3) 誤 ガラスは, 容器包装リサイクル法の対象である.
(4) 誤 ポリ塩化ビニルは, 高温 (850 ℃ 以上) で焼却するとダイオキシンが発生しにくい.
(5) 誤 プラスチック容器のリサイクル識別表示マークは, 「プラマーク」 (四角形の中に 「プラ」 と書かれたマーク) が4種類, 「識別表示マーク」 (三角形の中に数字が書かれたマーク) が7種類, 計11種類である.

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次回は, 「7 食事設計と栄養・調理 A 食事設計の基礎」 の正文集です.

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