グランモデルズ・Blog

Lesson写真、お仕事の写真、雑感、いろいろな事を一方的に書き綴っていきます🎶

絶妙のスパイス

2010-04-24 21:53:06 | メッセージ

昨日のロケで風邪をひいたのか、お疲れさまのほんの一杯(だけじゃないけど)が効いたのか、今朝から頭痛がひどく、バファリンと風邪薬を飲んでずっと横になっていたスタッフCです。喉も痛かったし、熱っぽかったので、風邪のひきかけだったかもしれません。年令には勝てなくなって来ています…。

ずっと以前ですが、劇団四季の特集で浅利慶太さんが出演されていて、四季の創設から近況のレッスンの様子などを密着していた番組がありました。

村上龍氏が進行役だったのですが、キャッツを観た感想を浅利氏に述べていた時の会話が、とても興味深いものでした。

村上氏は「キャッツ」の中の「メモリー」の役者さんにとても感動させられたと、浅利氏に訴えかけて、更にその役者さんに「なんというんでしょうか、『サムシング』があるんですよね」と続けました。

「メモリー」は年老いた娼婦の猫(だったと思うんですが~)の、「キャッツ」の中では特に有名なソロパートです。

定番中の定番の、名作を歌うにあたって、その役者さんが上手く歌うのは当たり前の事なんでしょうが、人の心を動かす、感動させるその「歌」に「サムシング」がある…つまり??

「これ以上やると、下品になってしまう、その手前ギリギリの部分が、ものすごく上手いんですよね。感動しました」との事でした。ずいぶん前の特集でこれまたうろ覚えなやり取りなんですが。

歌がうまいのは当然の事で、その役者さんの「個性」にあたる部分って事なんでしょうか…。そこが「サムシング」で、人を感動させる、と受け取ってみたのですが。

これに対し浅利氏は「それが最後の一振りの『スパイス』なんです」。

例えばおソバを食べる直前、最後にささっと一味唐辛子を振るとします。その最後の「一振り」。

一味唐辛子をおソバが見えなくなるくらい、真っ赤っかに振って食べる人はあまりいませんよね?(いたとしても、おソバ本来の美味しさは味わえなくなってしまいます…)

真っ赤っかになるくらい一味唐辛子を振ってしまうのは「やりすぎ」。

最後のささっと一振りが、絶妙であり、おソバの美味しさも引き立つわけです。

その最後の一振りが、その役者さんの「メモリー」にあるのだというのです。

そしてここが一番肝心な箇所だと思うのですが、浅利氏は、その『ぎりぎりの部分』の表現は、確実な基礎があって初めて成り立つものであるという事でした。ものすごく感銘を受けました。

四季の役者さんたちほどの、すさまじいバレエや歌、お芝居の練習には程遠い私たちのレッスンですが、私が口を酸っぱくして鏡の前で言っているのは、とにかくまず普通に美しくまっすぐ立てる事、普通に楽しそうに笑える事。これが出来て初めて、みんなが憧れる雑誌やブランドのモデルさんのようなポーズであったり、表情をつけてゆく事に移行してゆけるのだと思っています。

基礎が出来ていないのにあれこれポーズを作っても、真っ赤っかのおソバになってしまいます。現場では、カメラマンさんやデザイナーさんの声、リクエストに耳を傾けてこなし、レッスンでは私たちの声を聞いて下さい。

レッスン時、鏡の前と、バック紙の前で言われる事、要求が違いますので(カメラマンさんによっても違いますね)とまどう事も多いかもしれませんが、どの現場でもそれは同様です。でも「基礎的」なものは一環していますので、基礎が出来てゆけば、体で覚えてゆけると思います。

初仕事や初オーディションのメンバーが続いていますので、少しでも参考になればと書いてみました。時間がある時はなるべく更新していきたいと思っています。


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