谷間の百合(3)
バルザック
———————— 【3】————————————
La fiction qui représenterait ces pauvres
cœurs opprimés par les êtres placés au-
tour d'eux pour favoriser les développe-
ments de leur sensibilité, serait la véri-
table histoire de ma jeunesse.
———————— (訳)————————————
彼らの感受性が容易に発達するようにと
彼らの周囲に置かれたその存在者たち
によって抑圧された哀れな心を描く物語
は私の青春時代を如実に物語るものにな
るでしょう.
———————— ⦅語句⦆————————————
fiction:(f) 作り話、フィクション、虚構.
représenterait:(条現/3単) < représenter
représenter [ルプレザンテ]:(他) ❶表す、描く
表現する、❷思い起こさせる、連想
させる;❸代表する、代理する.
pauvre:(m/f) 貧しい人
pauvres:(複数形) 貧しい人たち
cœur:(m) 心、心情.
opprimé, e:(形, p.passé) 虐げられた
< opprimer
opprimer:(他) 抑圧する
être:(m) 生物、存在物、人間
placé, e:(形) (ある場所に)位置する、いる
magasin bien placé / いい場所にある店.
autour [オトゥール]:(副) 周囲に、近くに
autour de...:~の周囲に、の近くに、
eux [ウー]:彼ら
favoriser:(他) 助ける、容易にする、
手を貸す
développement:(m) ❶発展、発達、❷進展
sensibilité [サンスィビリテ]:(f) ❶感覚、❷感性、
感受性、感じやすさ.
serait:(条現/3単) < être
véritable [ヴェリターブル]:(形) 真実の、本当の
histoire:(f) 物語、話
jeunesse:(f) 青春時代、若い頃、
————————— ≪解説≫ ——————————
例によって、形容詞句のワッペンがペタペタ
貼られた見苦しい文章なので、骨格だけ取り
出してみましょう.
La fiction serait la véritable histoire de ma jeunesse.
その物語は私の青春時代を如実に語るもので
しょう.
これが屋台骨で、これにごちゃごちゃワッペ
ンやら」シールが貼られています.
そのごちゃごちゃワッペンがこれ:
qui représenterait ces pauvres cœurs opprimés
par les êtres placés autour d'eux pour favoriser
les développements de leur sensibilité,
この19両連結車両の新幹線のような長い
形容節がこれ.これを物語(fiction) に貼
り付けるか? おっそろしいひとだ、この
ジャルパックだか、ザルパックだか、えー
とバルザックな.バルザックは!
えーと、意味を取るのですが、長いので
いくつかに分けます.こうなりました.
❶存在者たちに抑圧された哀れな心
❷彼らの周囲に位置するその存在者たち
❸彼らの感受性が容易に発達するようにと.
❶+❷+❸=
彼らの感受性が容易に発達するようにと
彼らの周囲に置かれたその存在者たち
によって抑圧された哀れな心
❹=La fiction qui représenterait
❶+❷+❸+❹=
彼らの感受性が容易に発達するようにと
彼らの周囲に置かれたその存在者たち
によって抑圧された哀れな心を描く物語.
これを屋台骨にもどしてやると:
「彼らの感受性が容易に発達するようにと
彼らの周囲に置かれたその存在者たち
によって抑圧された哀れな心を描く物語
は私の青春時代を如実に物語るものにな
るでしょう.」
となりますが、何でしょね.わけわからん.
翻訳書みてみましょうか?
『自分のまわりにいて感受性を伸ばしてくれ
るべき人々に、かえってその情操を押さえつ
られてばかりいる、そういう哀れな人間を描
いた小説があるとしたら、それはそのまま私
の少年時代の物語なのです.』
何度も、読み返すと何となくわかるレベルに
なっている.
しかし、文章を3つほどにわけたら、スラスラ
伝わるはずなのに、なんでこんな、わけのわか
らんベタベタシールの怪文にしてしまうのでし
ょね.
まあ、言いたいことは、
「おいらの少年時代は虐げられたのさ」
ということだね、ね、ザルパックのおじさん!
あ、そうか、これは歌舞伎役者みたいな
ものだったね.
われこそは、スサノオのミコトなり~♪
イヨ~、ベンベンベン
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