7人もの犠牲者が出て、今なお入院している負傷者がいる。
京都有数の繁華街で白昼起きた暴走事件。
歩いてみた。
狭い。
車が2台すれ違う幅もない。
歩けば、ほんの5分の距離を、70キロの速度で走れば、死者は出る。
むしろ、犠牲者の数があれだけで、よく、すんだな、というのが素直な感想だ。
京都一の繁華街・四条河原町から東へまっすぐ四条大橋を渡り、右手に南座。
正面奥に八坂神社が見える。
南座前から30歩も歩けば事件現場に着く。
幅7メートル程の横断歩道。
右左を見るほどもない横断歩道を渡れば、土産物屋や食い物の店が立ち並ぶ通路だ。
花見シーズンの真っ盛りに語らい、歩道を渡っていて、右から猛スピードの車が突っ込んで来る恐怖はいかばかりか。
想像しても震えが来る。
横断歩道右側の電柱には、誰が手向けたか、花が供えてあった(写真)。
もう、何もなかったように若い女性が笑顔で語り合っている。
そんな場所なのだ。
暴走車が走った方向に横断歩道を渡る。
渡りながら、右方向を見ると八坂神社が見える。
渡ってすぐ角に交番があった。意外だった。
思えば、交番のすぐ目の前を車がすっ飛んで行ったのか。
右手の交番を過ぎ、すぐの処に「壱銭食堂」というオープンレストラン。
人通りを眺めながら、食事していた観光客の前を人を撥ね飛ばしながら、猛スピードで横切る光景は、悲惨なものだ。
観光客の目に焼き付いてることだろう。
そのほんの数秒後にすざましい激突音が聞こえたはずだ。
不思議なことに、その電柱には花が供えられて居なかった。
京都人の意地なのか、矜持なのか。
憎き暴走ドライバーの死に場所に花なんぞ、との思いか。
幕末の京の町は、それこそ勤皇佐幕間の殺戮は日常茶飯事だった。
神社仏閣、数々の死者を弔う歴史、経験は、どの町よりも豊かだ。
祇園の町は電柱に花が供えられている以外は、日常をすでに取り戻していた。
人の命は儚(はかない)もの、だ、と改めて思った。
出掛ける前に、この事故の事がふと頭をよぎりました。『まわりをよく見て車に気をつけてね』と言って送り出しました。
この京都の事故から、立て続けに全国で車の事故が起きていますね。
被害者の方が早く元気になりますように。