探偵時代 9

2007-03-23 | イラスト

ちょっと自己紹介でもしようか、

この港町じゃ俺は、ちっとは名の知れた探偵だ

ギャラだって望む分だけ、って感じさ

基本的に何不自由ないって感じ

そんな俺なんだけど、

今はとある女性のもとで働いている

仕事は探偵とは関係ねーんだ。実は


彼女の支持通りに動いてる

彼女からの電話が呼び出しの合図でさ、

それがいつも待ちどうしんだよ

仕事なんかはさもうガキの使いみたいなもんさ

どうだっていいね

早く終わらせてまた彼女に会いたいってそれだけさ



そう


これは仕事じゃなくて


恋なんだ




恋は現場で起きてんじゃねーっ!

心で起きてんだ!


なんつって



そうなんだよ

こんな具合

頭使ってねーんだ最近よ


ちょっとすまんね 一服


ふぅうぅぅぅぅぅ



彼女とはさ、目すら合わせられないんだよ

陰気だろ、俺

会話なんてできっこねーよ


彼女の名前、知りたい

探偵の血が騒ぐ


ってのは嘘で全部、恋心


やれやれ


ここまで書いといてなんだが


俺はもう彼女との距離を縮める自信がない

縮める勇気ない


諦めた 破れた


退職届け、提出しようかな 


彼女に



1月、彼女と初詣で 行きたかった

2月、彼女からチョコ 欲しかった

3月、彼女とディズニーシー 行きたかった

4月、彼女とお花見 したかった

5月、彼女とお台場 行きたかった

6月、彼女と鎌倉 行きたかった

7月、彼女と江ノ島 行きたかった

8月、彼女と海 行きたかった

9月、彼女とディナー 行きたかった

10月、彼女とランチ 行きたかった

11月、彼女とショッピング 行きたかった

12月、彼女とクリスマス 祝いたかった


もう、俺は夢見ない


現実を生きるんだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする