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スナック・ゆうすけ

2006-04-16 | スナック・ゆうすけ
DAY 35


ウィーン・・・

客:「   」

ゆうすけ:「いらっしゃい」
    
     「お好きな席でどうぞ」

客:「いいんですか?」

ゆうすけ:「はい。」




客:「じゃ、カシス・オレンジを」

ゆうすけ:「はい。かしこまりました」


トクトク・・・

トクトクトク・・・

サッ

ゆうすけ:「はい。どうぞ。」

客:「  」

コクッ

一時間後

客:「アハハハハッ」
  「マスター面白ーい」

ゆうすけ:「へっへへ・・・」

30分後

ゆうすけ:「まじ!?」

客:「凄いでしょ!」

10分後

ゆうすけ:「これ、サービス」

サッ

客:「わーありがとー!」

ゆうすけ:「へっへへ・・・」

10分後

客:「マスターのお休みっていつなの?」

ゆうすけ:「  」
     「水曜日だよ」

     「なに夕食に誘っていいの?」

客:「や、そうじゃなくて」
  「また来て閉まってたらやだなって」

ゆうすけ:「あっ そいうことね」

     「ん。水曜日」

客:「じゃマスター、また来るね」


ゆうすけ:「ん。待ってる。」



ウィーン・・・



ゆうすけ:「ありゃっ!金もらってねぇっ!」


ゆうすけ:「ま いっか。」

外国人客:「カワイカッタネ~」

     「アノコ」

ゆうすけ:「同感です!」


DAY 35


フミ:「ゆうちゃん見ててね」



   「コマネチ!」


ゆうすけ:「 」


     「フミ、もっと面白くしたい?」


フミ:「うん」

ゆうすけ:「も一回やって」


フミ:「コマネチ!」

ゆうすけ:「そこで首かしげてみな」

フミ:「コマネチ!」

ゆうすけ:「フフフフフ・・・」

     「面白い」


フミ:「コマネチ!コマネチ!」

   「コマネチ!」

ゆうすけ:「フミ、あんま連発しちゃダメ」

     「ここだって時に」
     「気合い入れてやるの」

フミ:「 」


   「コマネチ!」

ゆうすけ:「 フフフフフフフ」


フミ:「面白い?」

ゆうすけ:「かなり面白い。」


DAY 36


ウィーン・・・


客1:「そーよねー」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ」


客2:「二人なんですけど」


ゆうすけ:「じゃここどうぞ。」


客1:「もう限界よー」

客2:「その子はなんて言ってるの?」

客1:「もう来てないから分かんない。」

客2:「ちょっとそれひどくなーい?」

客1:「もう限界きてんのよ」


ゆうすけ:「なにします?」

客1:「あ、生で」

客2:「私も」

客1:「ミキんとこはどうなのよ?」

客2:「うちも最悪」

   「も、すごいのセクハラが」

客1:「うそー!」

ゆうすけ:「はい、お待たせしました」

トン。

トン。

客2:「新入社員の大半やめてるの」

客1:「セクハラで?」

客2:「そう。」
   「ま、いったん乾杯しますか?」

客1:「じゃ、お誕生日おめでとー」

客2:「どーもー」

グビ 


客1:「どんなことされてるの?」

客2:「もう言葉の暴力よ」
   「特に課長がひどくてさ」

   「ビッチ!だとかさ」
  
   「死ねだとか」

客1:「ひどーい」

客2:「その課長、たまにじーっと」
   「私のこと見てんの」

客1:「やばくない?」

客2:「ま、無視してればいいから」
   「黙ってるんだけど。」

客1:「危ないよ、そういう奴」

客2:「実はね、私がトイレ行くと」
   「ついてくんの。課長」

客1:「トイレ男女一緒なの?」

客2:「違うわよ、女性用に入ってくるのよ」

客1:「きもーい」



ゆうすけ:「それ訴えた方がいいですよ」


DAY 38


ウィーン・・・

ゆうすけ:「いらっしゃい」

     「ハッピー、ホワイト・デイ!」

客:「よせよ。」
  「楽しかないよ、ホワイト・デイなんて」

ゆうすけ:「そういわないで」
     「一杯どうです?」

客:「そうね。」
  「生で。」

ゆうすけ:「はいよっ」

プシュ~ッ

トン・・・

客:「 」

グビ

客:「会社の部下からもらってさ」
  「バレンタインに。」

ゆうすけ:「で、今日お返しですね」

客:「そう。」
  「今迄貰ったことなかったからさ~」

  「チョコ」

ゆうすけ:「プッ」

客:「笑った?」

ゆうすけ:「いえ」
     「プッ」

客:「お返し選びも初めてでね」

ゆうすけ:「で、何したんですか?」

     「プッ」

客:「シャネルの・・・」

ゆうすけ:「プッ」

客:「何よ。」

ゆうすけ:「シャネルの?」
     「フッ」

客:「ハンカチ」

ゆうすけ:「アハハハハハハハ」


DAY 39


フミ:「ゆうちゃん、変な顔するから見てて」

ゆうすけ:「いいよ。」


フミ: ニュ

ゆうすけ:「ぷっ」

     「おもしろい。」
     「でももっと面白くしたい?」
     「フフフフ・・・」

フミ:「うん、教えて!」

ゆうすけ:「じゃ首かしげてさっきの顔してみ」

フミ: ニュ

ゆうすけ:「ククククク」

     「でね、部屋の隅でその顔して立っててみな」
     「静かに」
     「クククク」

フミ:タッタッタッタ・・・

   「この辺?」

ゆうすけ:「うん。で、さっきの顔」

フミ: ニュ


ゆうすけ:「ハハハハ!」


DAY 40


ジェイ:「ワン!」
    「ワン!」

フミ:「ジェイ、うるさい!」


ジェイ:「ワンワンワン!」


フミ:「ジェイ、シーッ!」


ジェイ:「ワン!」


ゆうすけ:「僕に任せな」


ジェイ:「ワン!」

ゆうすけ:「ジェイ、おまえ」
     「抱っこしてやる」

     「おりゃっ!」

ジェイ:「アウ~」

ゆうすけ:「おまえは無力だ」

     「おりゃおりゃ」

ユサユサ・・・


ジェイ:「ウ~」

フミ:「ゆうちゃん凄い!」


ジェイ:「がウッ!!」


ガブッ

ゆうすけ:「うえっ!」

     「って~」


フミ:「誰かー!!」

   「ゆうちゃんが噛まれた」

   「ジェイに」


DAY 40


ウィーン・・・

客:「今晩はー」

バイト:「いらっしゃい」

客:「あれっ?」
  「マスターは?」

バイト:「買い出しみたいです」

客:「へえ~・・・」


バイト:「何します?」

客:「んー、」

  「生で」

バイト:「はい」

プシュー

トン

バイト:「どうぞ」

グビ

客:「こういうとこでさ」
  「働くってどう?」

グビ

バイト:「えっ?」

客:「いや、なんでこの店選んだのかなって」
  「ジョナサンとかあるじゃん、前に」

バイト:「選んだっていうか」
    「派遣されたんで」

客:「あ、派遣スタッフか」

バイト:「はい」

客:「それでここ来ちゃったんだ」

バイト:「はい」

客:「君いくつ?」

バイト:「17です」

客:「 」

  「そーかー」

グビ

客:「孫の年だなー・・・」

  「孫の前で酔っぱらうってのもなぁ・・・」

グビ

グビ

客:「あいつおせえなー」


グビ

トン

客:「もういっぱい」

バイト:「はい」

プシュー

トン

バイト:「はい どうぞ」

客:「高校生?」
グビ

バイト:「はい」

客:「学校楽しい?」
グビ

バイト:「はい」

客:「なに歴史とか勉強してんの?」

バイト:「それは、まだです」

客:「 」

グビ

客:「テレビとか見んの?」
  「今時の高校生は」

バイト:「はい」

客:「なんか楽しいのある?」

グビ
バイト:「あんまりないです」

客:「そーかー」

グビ

バイト:「じゃ、私あがりますんで」

客:「えっ?」

バイト:「 」
サササッ

客:「えっ?」

バイト:「どうぞごゆっくり」


DAY 41


ウィーン・・・


客:「こんばんわー」

ゆうすけ:「いらっしゃい」

客:「あ、今日すいてる」



ギシ・・・



客:「えーと、」

  「ファジー・ネーブルで」


ゆうすけ:「はい。」


トクトクトク・・・

トクトク・・・

カラン

トン



客:「なんで笑ってるの?」

ゆうすけ:「笑ってないですよ」

客:「ニヤケてるじゃん」

ゆうすけ:「そうですか?・・・」


客:「 」



コク・・・


客:「ねえ、気になるっ」
  「その含み笑い」

ゆうすけ:「いや、ほんっと」
     「何でもなんですよ」




客:「ま いいや。」

  「今日さ、野球見た?」

ゆうすけ:「いえ」

客:「そう・・・」


  「どっちが勝ったか知ってる?」



ゆうすけ:「いえ」


客:「もうっ!」
  「マスター、心ここにない!」


DAY 42


ウィーン・・・

客:「こんちわー」

ゆうすけ:「いらっしゃい」
     「お久しぶりですね」

客:「まあね」

  「生ちょうだいよ」

ゆうすけ:「はい」

プシュ~

トン

ゆうすけ:「お待たせしました」

客:「 」

グビ

客:「プハー」

ゆうすけ:「どうです?」
     「お店の方は」

客:「もう駄目だよ」
  「やるだけ金が出ていく感じ」

  「おたくが羨ましいよ」

ゆうすけ:「うちも厳しいですよ」

     「何言ってんですか」

客:「 」

グビ

グビ

客:「ここに客取られちゃったからな~」

ゆうすけ:「うちだって客いませんよ」

客:「この商店街の連中」
  「みんなうらやんでるぜ」

グビ

ゆうすけ:「うちうらやんでどうすんですか」
     「ジョナサンうらやんで下さいよ」
     「どうせなら」


客:「 」

グビ


DAY 43


ウィーン・・・

業者:「まいどー」

ゆうすけ:「ご苦労様でーす」

業者:「ここ、置いときますね」


ドンっ

業者:「ではここにサインを」

ゆうすけ:「はいはい」

業者:「 」

ゆうすけ:「あ、ペン貸して下さる?」

業者:「 」

スッ

ゆうすけ:「ここ?」

業者:「その枠にお願いします」

ゆうすけ:「  はいっと」

業者:「でですね、マスター」
   「ちょっとご案内なんすけど」

ゆうすけ:「なになに?」

業者:「値上げの」

ゆうすけ:「どの商品が?」

業者:「結構あるんすよ」
   「これ、一覧です」

スッ

ゆうすけ:「なにこれ!」
     「ほぼ全部!?」

     「えええ?」

     「牛乳、倍じゃん?」

     「きっつー」

業者:「来月から上がるんでね」

ゆうすけ:「なんとかならないの?」

業者:「大手は優遇してるみたいですけどね」
   「おたくは無理っしょ」


ゆうすけ:「あなたの力でさ、なんか、ない?」



業者:「ぶっちゃげさ、」

   「うちから取らないでさ、」
   「スーパーで買やーいーじゃん」
   「こんなちんけな注文さ」
   
   「牛乳1本と小袋わさびだとかさ」

ゆうすけ:「 」

業者:「オレはお遣い係かっつーの」
   

   「こんな店やめちまえよ」



外国人客:「アンタ イイスギダ」

     「マスター ニアヤマレ」


DAY 44


フミ:「ゆうちゃん、おやすみなさい」

ゆうすけ:「おやすみ」




1分後




フミ:スー、スー・・・



ゆうすけ:「フミ」




フミ:「ん?」

ゆうすけ:「おやすみ」


フミ:「  おやすみ・・・」





1分後





フミ:クー、クー・・・



ゆうすけ:「フミ、」



フミ:クー、クー・・・


ゆうすけ:「バカなフミおやすみ」



フミ:「ん」

   「おやすみ・・・」




ゆうすけ:「ごめんね。」
     「フミ・・・」




スー、スー

スナック・ゆうすけ

2006-02-18 | スナック・ゆうすけ
DAY 21

カラン・・・


客:「どうも~」

ゆうすけ:「いらっしゃい」


     「外は寒いでしょ」

客:「もう、冬だねぇ」

ゆうすけ:「冬ですねぇ。」


客:「生、で。」


ゆうすけ:「はいよぅ」


プシュ~・・・


トン

客:「 」

ゴクっ

客:「く~~~・・・」


ゆうすけ:「  」

客:「  」




客:「歌ってもいいかな?」


ゆうすけ:「どうぞ。」


ゴクっ

客:「 」
  「♪ サーイ・レン・ナ~イ ♪」
  「♪ ホーリィ・ナ~イ ♪」 

ゆうすけ:「  」

シクシク・・・

客:「♪ ホ~シ・ワ~・ヒ~カァリー ♪」



客:「ども。ありがとう。」
  
  「気分も晴れたよ。」


ゆうすけ:シクシク

客:「ごめんね。しんみりさせちゃった?」


ゆうすけ:「いえ、良かったです。」
     「なんか切なくなっちゃって。」

客:「こんな夜もたまにはいいよね。」

ゆうすけ:「そうですね。」

DAY 22

カラン・・・


客:「おー、寒っ」

ゆうすけ:「いらっしゃい」


客:「なんか暖かいのくれる?」


ゆうすけ:「ホット・ココア」
     「なんてどうです?」

客:「えっ、あ、まあ、じゃそれ」

ゆうすけ:「 」

シュボ~・・・・



ボボボ

ゆうすけ:「お待たせしました」

客:「ん、いい香り」

コク

客:「はー。」
  
  「んー。たまにはいいね。ココア」

ゆうすけ:「寒いとこれ欲しくなりますよ」

客:「ふー。」

ゆうすけ:「私も飲もっと」

コク

ゆうすけ:「ふー。」

コク

客:「ふー。」

コク

ゆうすけ:「はー。」

DAY 23

カラン・・・


客:「ご無沙汰~」


ゆうすけ:「どうも」


客:「ここは今年いつ迄?」

ゆうすけ:「実は昨日迄なんすけど」

客:「えっ!?」
  「あ、終わってんだ、もう」

ゆうすけ:「ま、いっすよ。」
     「何します?」

客:「いいの?」
  「じゃその前にトイレ借りるわ」

ゆうすけ:「あ、トイレ終わっちゃってんです」

客:「えー!?何それー!?」

ゆうすけ:「最後の掃除して」
     「お浄めしちゃったんです」

客:「お浄め?」

ゆうすけ:「最後の掃除」

客:「あ、そう。」
  「じゃ、いいわ。駅でするから」
  「そのまま帰るわ。」

ゆうすけ:「そうですか」

客:「浄めたとこへするのもやだしさ」

ゆうすけ:「その方がいいです」

客:「ま、じゃ良い年を」

ゆうすけ:「よいお年を」
     「よいしょんべんを!」

客:「やなこというねー」

バタン・・・

ゆうすけ:「また、ひとりか」

DAY 24

カラン・・・

外国人客:「ア・ハッピー」
     「ニュー・イヤー!」


     「アレ?ダレモ・イナイゾ」


ピラ



外国人客:「ナンダ?コノ・カミハ?」

     「ドレドレ・・・」


紙:「あけましておめでとうございます」
  「昨年をもちまして私退職いたしました」
  「今年はかってにやって下さい」
  「店主 ゆうすけ」

外国人客:「エー!ウッソー!」
     「シンジラレナイ」

     「エー?」


ゆうすけ:「よう。」
     「ティム。」

外国人客:「ユウスケ!?」
     「コレナニヨ!!」

ゆうすけ:「おう。もう店はやめだ。」

外国人客:「ジャナニシニココへ?」
     「ノコノコト」


ゆうすけ:「オレが働くのを止めただけだ。」

     「スナック・ゆうすけは続くよ。」

外国人客:「?」

ゆうすけ:「今日からオレも客って訳だ」

外国人客:「ワカラナイ」

ゆうすけ:「オレだって分からんさ」
     「これからどうなるのか」

     「只、このスペースは」
     「今後も解放されているってこと」

外国人客:「ワタシモ・オーケイ?」

ゆうすけ:「いいよ。もちろん」

     「もう商売じゃないってわけ。」

     「新しいこと始めようぜここでよう」
     「じいちゃんの店でよう。」

外国人客:「アタラシイコト・・・」

     「テロ?」


ゆうすけ:「それはないよね。」

外国人客:「タノシソウデス」

ゆうすけ:「テロじゃないよ。」

外国人客:「ナカマ・ヨビマス」

ゆうすけ:「いいよ。」

外国人客:「カクメイ・シマショウ」


ゆうすけ:「あんた、目がこわいよ。」

DAY 25

カラン・・・


客:「よう。」


ゆうすけ:「よう。」


客:「なに営業しないってほんとなの?」


ゆうすけ:「そのつもりだよ。」


客:「フリー・スペースって訳だ、ここは」


ゆうすけ:「オレの部屋だと思って。」


客:「飲む時はどうすればいい?」


ゆうすけ:「そのビール・サーバーの」
     「上にお金置いといてくれよ。」


客:「あれ?いくらだったっけ?」


ゆうすけ:「どうでもいいよそんなもん」


客:「じゃ20円っと。」


  「よっこいしょっと」


シュポーン・・・


客:「わ!泡が飛んできたっなんだこれっ」


ゆうすけ:「あ、樽が終わったんだ。」

客:「スーツ濡れっちゃったよ・・・」



ゆうすけ:「 」



客:「あーあ」



ゆうすけ:「 」

客:「で、ビールは?」


ゆうすけ:「もうないんだよ。今日は」

客:「やれやれ」


ゆうすけ:「やなら帰れよ」


客:「もうちょっといいじゃない。」

  「で、何してんの?あんた」

ゆうすけ:「考え中。」
     「金の儲け方ね。」


客:「考えてたって金はこないぜ。」

  「老人からのアドバイス・・・」
ゆうすけ:「黙って。」


客:「尖ってるね~。」

  「店やってる時のがいい顔してたよ」

ゆうすけ:「もう!黙って!」
     「帰って!来ないで!」


客:「お~ コワ!」

DAY 26

カラン・・・


客:「どーもー・・・」
  「あれっ」


ゆうすけ:「 」
     スー スー


客:「あらやだ、この人寝てるよ。」


  ジー。


ゆうすけ:「 」
     スー スー



客:「帰ろっと」

バタン!

DAY 27

カラン・・・


客:「おっす。」


ゆうすけ:「よー。」


客:「なに、表の看板?」


ゆうすけ:「原田塾?」

客:「うん。何それ?」

ゆうすけ:「色々考えてさ」
     「教育が一番向いてると思って。」
     「オレにとってね。」

客:「何教えるの?」

ゆうすけ:「思想だよ。」

客:「子供に?」

ゆうすけ:「未来を作るのは子供だぜ。」

客:「で、あんたに思想なんてあるの?」

ゆうすけ:「あるよ。」

客:「へー。」

ゆうすけ:「明治維新の前にはそんな」
     「塾があったらしいよ。」

客:「で、生徒はどうやって集めるの?」

ゆうすけ:「それがさ、名案があってさ!」

     「隣にスポーツ・ジムあるじゃん」
     「そこが先月ヨガ教室始めたんだわ。」

客:「?」

ゆうすけ:「で、それに通うマダムに営業かけてね。」

客:「その子供を預かると・・・」

ゆうすけ:「そいうこと」
     「託児所の感覚。学童?みたいな。」

客:「あんた信用されたんだ。」

ゆうすけ:「ひとり、昔の常連さんでさ。」

     「でもま、今のお母さん方って」
     「自分の生活優先らしいよ。」

客:「そうっぽいよね。」

ゆうすけ:「で、子供一人につき」
     「1時間3千円。ポッキリ。」
     「で、オレが思想を伝授すると。」

客:「コワ~・・・」
  「あんたみたいのが増えると思うと」
  「コワ~・・・」

  「で、いつから?」

ゆうすけ:「もう先週から毎日やってるよ。」

     「今日もやってたし。」

客:「ちょっと面白そう。」
  「今度見に来るわ。」

ゆうすけ:「授業中は立ち入り禁止だから。」

DAY 28

ウィーン・・・

客:「あっ 自動ドア!」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ」


客:「えっ、店に戻ったの!?」


ゆうすけ:「ええ。」
     「人生そんなに楽じゃなかった」

客:「やっと気付いたのね。」

ゆうすけ:「1ヶ月もご迷惑かけました。」


客:「ま、私はいいけどさ。」
  「こうやって来てる訳だし」

  「でも常連減ったでしょ」

ゆうすけ:「当然減りましたね。」

客:「どうする気?今後。」

ゆうすけ:「借金ですが、」
     「この店をリニュアール」
     「していくつもりです」

客:「ああ、それで入り口も」

ゆうすけ:「便利でしょ。」

客:「いや、私は前の扉が良かった。」
  「趣があった」

ゆうすけ:「 」

     「え、でもプロの業者が」
     「自動じゃなきゃって」

客:「そりゃその人達商売だもの。」
  「着けさしたいに決まってるじゃん」

ゆうすけ:「うわっ騙された!」

     「なんとか商法?」

客:「そんなレベルじゃなくて、」
  「あんたがアホなんだよ」


ゆうすけ:「そりゃないよ~」
     「いくらしたと思ってんのよ~」


ウィ~ン・・・



外国人客:「ワオ、ジドウ、イイネ!」


ゆうすけ:「でしょっ!!」

DAY 29

ウィーン・・・

客:「わっすごい爆音!」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ・・・♪


ゆうすけ:「らっしゃい!」


客:「すごい音だね」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャ♪


ゆうすけ:「JBL、JBL」

客:「えっ?」

ゆうすけ:「スピーカー、スピーカー」

客:「えっ?」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ♪


客:「ノリノリだね、生ちょうだい」

ゆうすけ:「えっ?」

音楽:♪チャチャチャチャチャチャチャ♪

客:「生、ちょうだい!」


ゆうすけ:「えっ?」

客:「もういいわ!」

DAY 30

ウィーン・・・


ゆうすけ:「いらっしゃい。」


客:「よっ」


ゆうすけ:「何します?」

客:「じゃ、ジン・ライムくれる?」

ゆうすけ:「はい」


客:「きちんとした店に戻って嬉しいよ」

ゆうすけ:「ありがとうございます」


     「ジンライムお待たせしました。」
トン・・・


客:「おっ 。」

グビ

客:「ん~。」

グビ


客:「異常気象だよなー。最近」

ゆうすけ:「ええほんと」

客:「あ、雪だ。」

ゆうすけ:「わっ、急にすごいですね」



客:「わー、凄い降ってきた」
  「この曲のせいじゃない?」

  「誰の曲?」


ゆうすけ:「レミオロメンの粉雪です」

客:「それだよ、きっと。」

ゆうすけ:「そうですかね。」

外国人客:「ワタシコノウタスキ」

ゆうすけ:「へ~。」



外国人客:♪コナ~ ユキ、ネエ♪

DAY 31

ウィーン・・・


客:「ねぇっ、隣の寿司屋つぶれたの!?」


ゆうすけ:「そうみたいですよ。」
     「先月いっぱいだったかな。」


客:「え~、今日あそこの穴子丼食いに来たのに~」


ゆうすけ:「あれうまかったですよね」

     「噛まないでもとろけるって」

客:「オレの知る中では一番の穴子だったよ」

ゆうすけ:「あのタレもね、絶妙で。」

客:「あ~!喰いて~!」



ゆうすけ:「うちのでよければ」
     「食べていきますか?」

客:「あるの?」

ゆうすけ:「レトルトですけど」

客:「もらおうかな。」
  「なんかもう穴子しか喰いたくない気分」


チ~ン・・・

ササッ


ゆうすけ:「はい、お待たせしました」


客:「ん、どれ」


ムニャムニャ




客:「う、うまい!」

DAY 32

ウィ~ン・・・


客:「  」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ。」


客:「ここ空いてる?」

ゆうすけ:「ええ。どうぞ。」


客:「ふぅ~。」


  「生で。」

ゆうすけ:「はい」

プシュ~



トン・・・

ゆうすけ:「はい、どうぞ。」


客:「 」

グビ

客:「フゥ~。」

グビ


ゆうすけ:「何かあったんですか?」


客:「  」

  「今日、妻と別れたんだ。」

ゆうすけ:「 、え、ええっ」


     「えええ」

客:「ま、君には分からん問題だよ。」

  「熟年離婚。」

ゆうすけ:「  」

客:「すれ違いの連続さ。」

グビ

グビ

グビ




ゆうすけ:「このキムチ、食べて下さい。」

客:「俺キムチ駄目なんだ、悪いね。」



ゆうすけ:「すれ違いましたね。」

客:「えっ?」

ゆうすけ:「私の気持ち、届かなかった。」

客:「えっ? どういう意味?」

ゆうすけ:「こういう積み重ねが」
     「奥さんには苦痛だったんでしょう。」


客:「食えないもんはしょうがないだろ」

ゆうすけ:「そうかもしれません」

     「私には分かりません。」

客:「分からないなら放っといてくれよ。」

ゆうすけ:「すみません。」

DAY 33

ウィーン・・・


客:「やってます?」


ゆうすけ:「やってますよ。」


客:「良かった入ろ入ろ」

子供:「お腹すいたよ~」

ゆうすけ:「いらっしゃい。」


客:「メニューどこ?」

ゆうすけ:「特に用意してないんですが」



子供:「お腹すいたよ~」


客:「カレー、あります?」

ゆうすけ:「中辛でよければありますよ。」


客:「ダメだわ。子供が食べるんですもん。」

  「お子様プレートなんかないわよね」

ゆうすけ:「ええ。ちょっとそういうのは。」



子供:「お腹すいたよ~」

ゆうすけ:「お向いにマクドナルドありますよ。」


客:「もう我慢できないのよこの子」

ゆうすけ:「ピザ、ありますよ。」

客:「すぐできるの?」


ゆうすけ:「10分少々で。」

客:「だからすぐ食べたいって言ってるでしょっ」


ゆうすけ:「  」



子供:「お腹すいたよ~」

客:「じゃもう、カレーでいいわ!」


ゆうすけ:「はい。」



チ~ン・・・

ササッ


ゆうすけ:「お待たせしました。」


客:「はいはいはい、ノリちゃん」
  「召し上がれ~」

子供:「いただきまーす」



モグモグ


子供:「お母さん、辛いよ~」


モグモグ


子供:「辛いけど美味しいよ。」


スナック・ゆうすけ 2

2005-12-01 | スナック・ゆうすけ
day 12

ゆうすけ:「私ね、見習いたい店があるんですよ」


客1:「どこ?」

客2:「早く言ってよ!」

客3:「気になるな~」


ゆうすけ:「今日で5周年を迎える」
     「BAR50です!」

客3:「おっお~!」

客2:「ハッピ バ~ス デ~イ」

客3:「この店もBAR50みたいだったらな~」




客2:「BARゆうすけ」

客3:「ダサイよ」

ゆうすけ:「分かってますから、黙って。」

客1:「これからBAR50さんに流れますか!」

客2:「いいね。」

客3:「いいですね」

外国人客:「ワタシモ・オーケイ?」

ゆうすけ:「みんなで行こう!」


day 13


カラン・・・


客:「こんばん・・・」


ゆうすけ:「しっ」


客:「どうしたのよ?」


ゆうすけ:「静に!」


客:「あ、犬!」


ゆうすけ:「せっかく寝てるんだから」
     「そっとしてやって下さいよ」

客:「へ~」


つんつん


ゆうすけ:「触るな!」

ビシっ


客:「いって~な~、チョップかよ~」

つんつん


ゆうすけ:「しつこい!」


ゴン!


客:「・・・・」

ピクピク


ゆうすけ:「客よ、犬の横で眠れ。」


day 14


カラン・・・


客:「こんばんはー」



ゆうすけ:「チッチキチー」

客:「はやってるねー、それ」

ゆうすけ:「もう、これいってれば間違いなし!」

客:「生、くれる?」

ゆうすけ:「    はい、お待ち」

ドン

客:「じゃ。おつかれー」

グビっ

ゆうすけ:「どうです?最近」

客:「まあね。普通よ。普通。」

ゆうすけ:「普通が一番ですよね。」

客:「今日はやけに大人しいじゃないの」

グビっ

ゆうすけ:「えー、まー。」

客:「社会に順応してきたか?この店もついに」

グビっ

ゆうすけ:「しないとやってけないっすよ。」
     「実際問題」

客:「そうだろうなー」

ゆうすけ:「リアルですよ。最近。」

グビっ

グビっ

客:「もう一杯くれる?」

ゆうすけ:「   はい、どうぞ。」

客:「将来不安になったりするの?」

グビっ


ゆうすけ:「そうですねー。」

     「やっぱり不安ですよね。」

グビっ

客:「この店、潰さないでよ」
  「こんなバカな店もう無いんだからさ」

ゆうすけ:「正直、自信ないです。来月やってるか」

客:「ずいぶん早いな、おい。」


ゆうすけ:「すでにやる気ないんです」

客:「っおい、どうした?何かあったか?」

ゆうすけ:「もう借金で、首がまわらなくて」

客:「・・・。」

ゆうすけ:「借りても借りても」

     「なんとかなりますか?」


外国人客:「イッツ ヨー ビジネス!!」


day 15


カラン・・・


客:「こんばんはー。」

ゆうすけ:「いらっしゃい。」


客:「とりあえず、生で。」


ゆうすけ:「はいよぅ。」

プシ~・・・

ドン

客:「   」

ぐびっ

客:「く~~~・・・」



ゆうすけ:「キムチ、お好きですか?」

客:「ん? 好きだよ」

ゆうすけ:「これ食べてみて下さいよ」

すっ・・・


客:「旨そうだねぇ。」
  「どれ」

ちゅぱっ

客:「ん! 旨いよ!」


ゆうすけ:「でしょ。」
     「オレ漬けたんすよ、それ。」

客:「まじで!? すごいね。」

ゆうすけ:「ども。」

客:「全部冷食っていうポリシーは止めたの?」

ゆうすけ:「ええ。」
     「客減っちゃって。」

客:「当たり前だよね。」

ゆうすけ:「キムチ売りにしようと思いまして。」

客:「ま、確かに旨いけどさ」

ちゅぱ

客:「もっと他にやることないの?」

ゆうすけ:「たとえば?」

客:「営業活動とかさ」

ちゅぱ
ゆうすけ「?」

客:「バカだね~。宣伝だよ」

ゆうすけ「?」

客:「横浜ウォーカーとかにのせんだよ」


ゆうすけ:「金かかるのは無理ですよ。」

客:「いや、オレさ、編集の奴知ってるんだわ。」
  「頼んでやろうか?」

ゆうすけ:「  」

客:「多分金かかんないぜ」

ちゅぱっ
ゆうすけ:「いや、いいっす」

客:「なんでよ!!」

ゆうすけ:「宣伝するものないですし。」

客:「キムチ載せればいいでしょうが」

ゆうすけ:「そいつはあくまで裏方です。」
     「アピールし過ぎちゃだめなんです」

客:「・・・へぇ~、ポリシーあるんだ」

ちゅぱ

ゆうすけ:「メニューにも載せませんしね」


客:「あんた、そんなことしてると店なくなるよ」

ちゅぱ
ちゅぱ

ゆうすけ:「かもね!」


day 16


ゆうすけ:「~、来ねーなー。」
     「客・・・。」

     「フウ。」











     「アブドル・ダムラル・・・」
     「ベルエス・ベルエスホリマク・・・」
     「いでよ 客・・・」




     「ふう。」

カラン・・・

ゆうすけ:「おっ!」


男:「NHK 集金でーす。」

ゆうすけ:「ここテレビありませんから。」

男:「あ、そうですか」
  「失礼しまーす」


ゆうすけ:「なんだよ、まったく」

     「今日は閉店だ。もう。」


day17


カラン・・・

客1 :「開いてます?」

ゆうすけ:「はい、どうぞ。」

客1:「開いてるわよ」

客2:「わ!良かった入ろ入ろ」

客3:「いいとこ見つけたわね」

客4:「全員座れるかしら?」

ゆうすけ:「お客さん、何名ですか?」

客3:「えとね、私を入れて」
   「10人かな」

ゆうすけ:「カウンターも入れれば」
     「大丈夫ですよ」

客3:「そうよね」

ドヤドヤ

ゆうすけ:「はい、これメニューです」

客8:「貴方ここ座りなさいよ」

客6:「私出口近くがいいわ」
   「早めに帰るから」

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ゆうすけ:「ご注文決まったら言って下さい。」

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ゆうすけ:「あ、それは触らないで下さい」

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ゆうすけ:「お手洗いはあちらです。」

ガヤガヤ

ガヤガヤ

客7:「注文しないと悪いわよ」

客9:「生でいい人~」

ガヤガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

ガヤガヤ

客6:「ビール10杯ね」

ゆうすけ:「はい」

ガヤガヤ

ガヤガヤ




ゆうすけ:「あんたらウッセーんだよ!」
     「もう帰れ!売るもんなんかねえ!」


day 18


カラン・・・


ゆうすけ:「いらっしゃい」


おやじ:「トイレ貸してくれる?」


ゆうすけ:「公衆便所でやってくれ」


おやじ:「ケチくせー店だ」


ゆうすけ:「はいはい」


おやじ:「じゃーな」


ゆうすけ:「はいはい」


バタン!


外国人客:「アナタ、キャクノ種」
     「ノガシマシタ」


ゆうすけ:「はい?」


外国人客:「サッキノオヤジ常連ニ」
     「ナッタカモシレマセン」


ゆうすけ:どきっ


外国人客:「マダマニアウ」

     「ユキナサイ」


ゆうすけ:「お、おお。そうする」


バタン


トットットットット・・・


ゆうすけ:「おい!」

     「おいじいさん、」


オヤジ:「フぇっ?」


ゆうすけ:「さっきは悪かったよ」
     「うちのトイレ使いなよ」

はぁ はぁ


オヤジ:「いいのかい?」

ゆうすけ:「いいよ」

オヤジ:「助かった!」
    「漏れる~っ」

トットットットット・・・


カラン・・・

バタン(トイレのドア)

オヤジ:「チャック、チャック」

    「ふ~っ 極楽、極楽」


バタン

オヤジ:「いや、助かった」
    「ありがとうよ」
    「漏らさずすんだよ」

ゆうすけ:「この季節漏らすとつらいよな」
     「気をつけろよ」

オヤジ:「ほんと、ありがとうよ、若いの」

ゆうすけ:「また来いよ。」

オヤジ:「ありがとうよ」


バタン・・・


ゆうすけ:「客の種、ゲット~!」


day 19


ゆうすけ:「えー、生中とピザで950円です。」

客1:「ほれ」

ゆうすけ:「はい百円のお返し」

客1:「 」


バタン・・・



客2:「ねえ、あんたさ、どんなアイドル好き?」

ゆうすけ:「えっ!?エヘへ」
     「アイドル?」

客2:「そう、いっぱいいるじゃん」

ゆうすけ:「そうっすね~・・・」
     「吉岡美穂さんかな~?」

客2:「やだよ、この人赤くなってるよ」


バタン!!


客1:「おぉ てめぇ釣り銭」
   「間違ってんじゃねえかよっ!」

ゆうすけ:「はいっ?」

客1:「いいから責任者出せ」

ゆうすけ:「あ、あの私がここの主人ですけど」

客1:「お前な、釣り銭1円ってどういうこっちゃ」
   「てめぇ」

ゆうすけ:「え、あ、あの・・・」

客1:「さっきオレは1050円渡したよな」

ゆうすけ:「確か・・・」

客1:「ちょっと来い」
   「外でろお前」

ゆうすけ:「一人でやってるもんで」
     「ちょっと、出れないんですよ」
     「すみません」

客1:「いいから出ろよてめぇ」

ゆうすけ:「えーと、それがですね~・・・」

客1:ドン!

客2:「ちょっとあんたいい加減にしなさいよ」

ドフっ!

客2:「なにすんの!警察よ」

ドフっ ドフっ ドフ!

ゆうすけ:(わ、やばいなこれ・・・)


客1:「ま、いいわ。」
   「早く100円よこしな」

ゆうすけ:「はいっ」
 
さっ

客1:「この客には悪いことしたな」
   「手当てしてやれよ」
   
ゆうすけ:「はいっ」


バタン・・・


ゆうすけ:「ほっ」
     (でも手当っていわれてもな~)
     (なにすりゃいいんだ?)

つん つん


バタン!!


客1:「てめぇ! また1円渡しやがったな」

ゆうすけ:「!!う、う~・・・」

客1:「ここ迄きたらもう笑えるよ。」

ドスン

客1:「おう、生中だ。」
   「飲み直す。」



ゆうすけ:「あ、えー。閉店なんですけど。」

客1:「なぬ~っ!?」


day 19


客:「あの、会計おねがいします。」

ゆうすけ:「まいど、」
     「えー、アイス・コーヒーで」
     「えー、350円です」

客:「 」
 
すっ

ゆうすけ:「ちょうどのお預かりで」

     「ありがとうございました」



客:「あの、」


ゆうすけ:「はいっ?」


客:「この店で働きたいんです」

ゆうすけ:「 」


客:「バイトとか募集してませんか?」


ゆうすけ:「いや、」

     「悪いんだけど、人雇う程」
     「売り上げなくてさ、、」

客:「無休で結構なんですが」


ゆうすけ:「えっ!?」
     「まじで!?」

客:「はい。」

じー

ゆうすけ:「んー。」
     「ま それなら」

客:「いいんですか!?」


ゆうすけ:「んー。いいよ。」

客:「とりあえず履歴書おいときます」

さっ

ゆうすけ:「どうも」

客:「いつからくればいいですか?」

ゆうすけ:「明日?」

客:「では、明日のこの時間にきます。」

ゆうすけ:「えーと、じゃエプロンと」
     「靴は黒の革靴で」

     「あとそのひげはそってきて」

客:「ひげ駄目っすか」

ゆうすけ:「うん。」

客:「では、よろしくお願いします」


ゆうすけ:「はい。よろしく」


バタン


ゆうすけ:(変わった人だなー)

     (なんでうちなんだろ)

ぴら

ゆうすけ:(履歴書だ、)

     (わっオレより年上じゃん)

     (大学院生か)

     (んー。謎が多い)


カラン・・・


外国人客:「ナマ オネガイ」


ゆうすけ:「  はい」

ドン

外国人客:「ニホン ノ タテモノッテ」
     「フアン ダネ」

ゆうすけ:「ま、イチブはね。」


day 20


カラン・・・


客:「よー、お久しぶりぃ」

ゆうすけ:「いらっしゃい」


客:「何、浮かない顔してー。」


ゆうすけ:「えー、まー」
     「ちょっと、へこんでまして。」


客:「言ってよ、オレでよければ」
  「相談のるぜ」

ゆうすけ:「実はですね、」

     「この店にバイトしたいって」
     「大学生が来たんですよ」

客:「えええっ!?」
  「ありえない」

ゆうすけ:「そこで否定されると」
     「先進めないんですが、」

客:「えーっ、それはありえんよ」


ゆうすけ:「いいっす、もう。」

客:「あ、そ。じゃ生ね。」


プシ~

ドン


ゆうすけ:「やっぱ続けていいっすか?」
     「途中迄言うと、なんつーか」

     「もどかしいっすよ。」

客:「いいよ、聞くよ。」

グビっ

客:「もう ちゃちゃいれないからさ」
  「ちゃっちゃとしゃべっちゃって」

ゆうすけ:「で、そのバイト希望の学生が」
     「来ないんスよ。」

客:「?」

ゆうすけ:「次の日から来いって」
     「そう伝えたんですが」

客:「なんだろね。」

  「分けわかんね、この話」

ゆうすけ:「私だって被害者ですよ!」

カラン・・・

学生:「すいませーん、遅くなって」
   「ちょっと突然病気しまして」

ゆうすけ:「もう、騙されたかと思ったよ」

学生:「ほんと、すいません」

客:「何、彼がここで働くの?」

学生:「はい。お願いしたんです。」

客:「へぇ~・・・」


ゆうすけ:「それはそうと、君」
     「ひげは剃れっていったよね。」

学生:「あ、やべ!」

ゆうすけ:「トイレあるから剃っといで。」

学生:「いや、カミソリとかありませんし」


ゆうすけ:「じゃあ、帰って結構。」


学生:「はい。すんませんしたー。」



バタン


客:「あんた強気だね~」

ゆうすけ:「どうも。」

スナック・ゆうすけ

2005-11-05 | スナック・ゆうすけ
PROLOGUE

皆さんこんばんは!
ご無沙汰しておりました。
わたしが満★乳斎です。
最終回が終わったにも関わらず
戻ってきてしまいました。

「やっぱり書きたい!」

只、もういいたことは終わっちゃってる
し何かけばいいのか。

そんなこんなで新連載スタートです。

その名も「スナック・ゆうすけ」
よりミーン・レスな文章を皆様にお届け!
さ、入ってみましょうよ。
古びたドアをあけて、さあ。
day 1

カラン・・・



客:「久しぶりー。マスター。」

マスター:「やぁ」

フキフキ(マスター、コップを拭く)

マスター:「どうしました?浮かない顔して」

客:「いやね、いいこと無くて。オレの人生」

フキフキ

客:「いいことある?」

マスター:「私は孫の顔を見るのが生き甲斐でしてね」

フキフキ

客:「家族の~♪ 風景ってか。」

フキフキ

マスター:「自分らしく生きなきゃ」

フキフキ

客:「オレ、孫いないもんな~」

フキフキ

カラン・・・

外国人客:「イングリッシュ、オーケイ?」

マスター:「オーケイ」

外国人客:「アー、スモウク、オーケイ?」

マスター:「オッケイ!」

フキフキ

外国人客:スー、ハー

外国人客:「ヤスクニ、オーケイ?」

マスター:「アイ・ドン・ノー」

day 2


カラン・・・


マスター:「いらっしゃい」

客:「この席、いいですか」

マスター:「どうぞ、ご自由に。」

客:「よっこいしょっと」



マスター:「久しぶりですね」

客:「そうね」

マスター:「はい、生ビール」

客:「いきなり、びっくり」

グビっ

客:「突然でなんだけど、マスター、
   この店って一日の売上どの位?」

マスター:「まあ、3、4千円ってとこかな」

客:「! よくやっていけますね」

マスター:「道楽ですよ」

客:「やつれた顔でそう言われてもね~」

マスター:「いや、本当ですよ」

客:「だって3千円じゃ赤字でしょうが」

マスター:「まあ、いいじゃないですか」

客:「おたく、変わってるよ。全く」

グビっ!

day 3



カラン・・・



マスター:「いらっしゃい」

客:「どーもー。ごぶさたしてま~す」


マスター:「相変わらずいい尻してるね!」

     「胸もいい。」

客:「マスターってやらしいのね」

マスター:「そう?」

客:「ま、どうでもいいですけど。」
  「ジン・ライムいただけます?」

マスター:「450円、前金だよ。」

客:「前金でしたっけ?」

マスター:「変えたんだよ。」
     「売り上げ厳しいからさ」

客:「少しでも早く現金化したいのね」

マスター:「さ、払った・払った」

客:「店の雰囲気ってのも大事だよ、マスター」

マスター:「はいはい」

客:「なんか、つらそうね。」

マスター:「分かる?」

客:「眉間にしわよってるもん」

マスター:「実わさ。」
     「孫がさ。」

客:「聞いてるわよ、続けなさいよ。」

マスター:「ニートになっちゃた・・・」

客:「働かないんだ、いい歳して」

マスター:「もう26だよ」

客:「いいじゃない、別に。何が気になるの?」

マスター:「世間体、かな?」

客:「じいさんがそれだから孫はニートなのよ」

マスター:「やらしいじいさんじゃダメかい?」

客:「孫にとっちゃ最悪でしょうね。」

マスター:「ずばり言うね」

客:「ま、あたしは嫌いじゃないけども。」

マスター:「!」

客:「それよりお酒まだ~?金払ったんですけど」

マスター:「あー、スマン、スマン。」
     「はい、生ビール」

客:「ジン・ライムなんですけど」

マスター:「お、お、そうだった」


day 4


客:「マスター、あとどれくらいで閉店?」

マスター:「1時間くらいですかねー。」

客:「じゃ、これからさ、カラオケ行こうよ!」

マスター:「んー。」

客:「歌おうよ」

マスター:「んー・・・。」

客:「つらいこと忘れてさ」

マスター:「悪くないですね・・」

客:「それって行くってこと?」
  「決定?」

マスター:「ファイナル・アンサー」

客:「はい、決まり。じゃ、一時間後に。」

マスター:「歌ヒロ前で。」

~1時間後~

マスター:「お待たせしました。」

客:「さ、じゃ入りましょ」

~5分後~

マスター:「♪あ~な たとドリス・デイ!」

客:「♪ハッパ・ラバラバ」

マスター:「♪お~どろよ マッシュポーテイっ!

客:「♪ハッパ・ラバラバ」

~3分後~

客:「♪ウェンザ ナイっ ヒスコン!」

マスター:「ヒスコン!」

客:「♪エンド レリイスコン!」

マスター:「イスコン!」

~3分後~

マスター:「♪あれから~ 僕達は~」

~3分後~

客:「♪オ~ ネスティ~・・・」

~3分後~

マスター:「♪絶え~まーなくー・・・」

~3分後~

客:「♪ふぅ~」

day 5



カラン・・・・


キィ~ィィ。


ポタ・・・

ポタ・・・


客:「あの~、誰かいますか~?」
  「お酒呑みに来たんですけど~」
  「お~い」

ワン! ワン!

客:「わっ、ビックリした」

マスター:「誰じゃ~・・・」

客:「あ、閉店ですか?」

マスター:「全て、終わりじゃ~」

客:「あ、そうですか、じゃどうもー」

マスター:「わしを救ってくれ~・・」


バタン。

day 6



カラン・・・

客:「おひさし・・・あれっ」
  「マスター? いないのかな」
  「お~い!」

ゆうすけ:「祖父は死にました」

客:「どちら様ですか?」

ゆうすけ:「マスターの孫の」
     「ゆうすけです」

客:「マスターが、死んだ?」

ゆうすけ:「はい。癌でした。」

客:「・・・、そんないきなり言われても」
  「オレたち常連はどうなっちゃうのさ!」

ゆうすけ:「これからは私がこの店を営業します。」
     「祖父が私と同じ名をつけたこの店を」

客:「マスターはお前さんをかわいがってたからな~」

シクシク

ゆうすけ:「ニート生活も飽きてきてたし」
     「ちょうどいいタイミングだったんです」

客:「そうかい。じゃ、早速ビールでもいただこうか」

しゅぱっ

ゆうすけ:「へいっ おまち!」

day 7




カラン・・・

客:「どうも~」

ゆうすけ:「あ、ども。」

客:「調子はどうだい?若だんな。」

ゆうすけ:「まあ、気楽にやってますよ」

客:「料理とか、覚えてんの?」

ゆうすけ:「全部冷食です。」

客:「え~、」

ゆうすけ:「もうね、人間が調理する世の中じゃない。」

客:「客に向かってその台詞、どうかな~」

ゆうすけ:「なら帰って結構。」

客:「おじいさんと違って強気だねー。」

ゆうすけ:「私、先しか見てないんで。」

客:「若いのに、威勢がいいね~」

ゆうすけ:「こうやって生きてきましたから。」
     「生き抜いてきましたから!」

客:「ここに来る迄ニートだったんだろ」

ゆうすけ:「何飲みます?」

客:「じゃ、生ビール」

プシ~・・・

ゆうすけ:「ヘイっ お待ち~っ」

day 8




カラン・・・


客:「 あ~やっと開いてた~。」
  「もう、5日も休んで何やってたのよっ」


ゆうすけ:「客のあんたに言う必要ない」

客:「・・・。」 

  「いつもそうだけどなんでそんなに強気なの?」

ゆうすけ:「オレの店で何しようが関係ねーだろが」

客:「最悪のサービスね。」

ゆうすけ:「うるせー、だまれ」

客:「生ビール。」


ゆうすけ:「隣の店で飲め」

客:「私にだって客の権利があるのよ。」

ゆうすけ:「ドアの看板見てから言えよ」
     「その台詞」

客:「あ!クローズだ。」

ゆうすけ:「帰った、帰った」

客:「あなた、こんなんじゃ店ダメにするよ」
  「おじいさんの大切な店。」

ゆうすけ:「オレにとっちゃこんなダサイ店
      関係ねーんだよっ!」
     「こんなグラス」

パリーン・・・・

     「こんなレジ」

ガッシャーン・・・

客:「だれか~っ」

ゆうすけ:「こんなメニュー燃やしてやる」

ビリっ ビリっ ぼうっ!

ドカッ ドカッ 
バチっ! ボン
ボボン!


day 9



カラン・・・


客:「やってる?」


ゆうすけ:「いらっしゃい」

客:「昨日は荒れてたみたいだね。」
  「外から見てたけど、凄い音してたよ」 

ゆうすけ:「見てたんすか」
     「なんかむしゃくしゃしてて。」
     「一人女性客がいたんだけど    
      悪いことしちゃったな~。」
     
客:「その子はもうこないだろうね」

ゆうすけ:「でしょうね。」

客:「ま、じゃとりあえず・・・」

ゆうすけ:「生ビール?」

客:「じゃなくて、ワインもらおうかな」

ゆうすけ:「赤でいいですか?」

トクトクトク・・・

客:「白が良かったんだけどな~」

ゆうすけ:「すみませんね、先走っちゃって」

客:「まあ、いいよ。いただくよ。それ。」

ゆうすけ:「はい、お待ち」

客:「ちょっと、少なくない?量が」

ゆうすけ:「すみません」

トクトク・・・

客:「お、お、もういいもういい」

ゆうすけ:「すみませんね、」

ゴクリ

客:「んー。いい。これなんていうワイン?」

ゆうすけ:「そこのコンビニに売ってますよ」

客:「その答え、味も素っ気もないね」

ゆうすけ:「私に味を求められてもね~
      困るんですけど。」

客:「つまみ、何かできるの?」

ゆうすけ:「ええ。そこのメニューにあるものは」

客:「じゃあね、ピザ」

サッ

ゆうすけ:「はい、どうぞ。」

客:「あっためてよ!」



day 10



カラン・・・



客:「よっ!」

ゆうすけ:「   」

客:「生中ね。」

ゆうすけ:「はい。」

客:「お宅、どう思う?このご時世?」

ゆうすけ:「なんともしんどいとかしか」

客:「だよなー。」

ゆうすけ:「どうやったら稼げますかね?」
     「・・・三木谷みたいに」

客:「ネットで儲けるか・・・ねっとり」


ゆうすけ:「フ、フフフフフ・・・・」

客:「うけた?」

ゆうすけ:「フフフフ・・・」

客:「そんなに面白いか?」


ゆうすけ:「いや、ツボでした」
     「フフフ」

客:「そうかい。」

ゆうすけ:「はい、生中お待ちどうさま」
     「フフフフ」

客:「おいおい手、震えてるよ、こぼしてるよ」

ゆうすけ:「お、おおおお!フフフフ」

客:「取るからいいよ、おけよ!」

ゴトン

ゆうすけ:「ふー。おさまった。」

客:「もう、まったく。」

ぐびっ

ゆうすけ:「ねっとり儲けたいっすよ!」
     「アハハハハハハ」


day 11


カラン・・・・



ゆうすけ:「らっしゃいっ!」

客:「 ! 」

  「突然威勢いいからびっくりした。」

ゆうすけ:「ちょっと、気持ち入れ替えまして。」


客:「それはそうとさ、見たよ、テレビ。」

ゆうすけ:「8時のやつ?」

客:「特ダネ」

ゆうすけ:「オレでてたでしょ」

客:「そう、ビックリしちゃった」
  「おー、あいつ映ってるよって」
  「もう、大笑い。」

ゆうすけ:「あんな場所でね。」

客:「そう。で事件だってあんな凄惨なのに」
  「あんたが映ったらコメディーだよ」
  「あれ自分、気づいてなんでしょ?」

ゆうすけ:「全然。ノーチェック」

客:「誰かビデオ取ってないかな~」

ゆうすけ:「あの番組取ってる人いないでしょ」

客:「小倉さん取ってる人はいないよね。」

ゆうすけ:「おもしろビデオですよ。あれは。」



カラン・・・


外国人客:「ヒサシブリ・デス」

ゆうすけ:「らっしゃい。」

外国人客:「ヒサシブリ・デス」


ゆうすけ:「それしか覚えてないのか」
     「おまえ・・・」