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僕は奴隷

2006-11-21 | ポエム
font size="2" color="red" style="line-height:160%;">※再放送 本文は今年8月5日に10分間掲載された詩です。どうぞお楽しみ下さい


僕は奴隷


皿を洗う。


君がデートに出かける時
僕は床を磨いている


君が楽しい食事の時
僕は隠れて茶を飲む


君が映画を見る時
僕は皿を拭く


君が買い物をする時
僕はおじぎする。


君は安らぐ
僕は働く


どうしてオレは・・・

トイレ磨いてばかりなのか

時折帰り道で悲しくなる

いつの時代だよ、この生活


そして耳が痛くなる迄

ボリュームを上げ

グリーンデイを聞く。



あきらめろ



お前は奴隷だ※再放送 本文は今年8月5日に10分間掲載された詩です。どうぞお楽しみ下さい

探偵時代 6

2006-11-20 | ポエム

冴子・・・

お前ってやつは・・・


なんで電話をくれないか

どうしてそう


俺を苦しめる・・・


あああ・・・


胸がつまるんだよ・・・


ううう・・・


水がのどを通らない



今日も俺は待っている

事務所で湿っている


窓枠にほほをつけて


頬をつたうのは涙か

それともただの水滴か


部屋の空気はよどんでいる


おそらく外は寒いのだろう

窓枠の冷たさがそれを物語るのだ


もう、


冬だね・・・




その瞬間だ

脳に衝撃が走る



もっもしや・・・


忘れかけていた探偵の感覚



あの日、冴子は倒れていた


何故だ・・・

どうして彼女は倒れていたんだ?

ちょっと、待て

よく考えろ

あれこそまさに事件だったんじゃないのか!?

え、おい


どうなってるんだ


俺は頭を抱えた


何故もっと早く気付かなかったんだ俺は!


もし、重症だったら


いやこうしてる間に

彼女の命が危険にさらされているんだ急ごう

急いで彼女のもとへいかねばっ!


あああああ

おれぁなんてばかだぁ

1週間何してたんだぁ



大切な人を倒れたままにしてぇっ

ぅああっ


階段を駆け降り

久々の外気を吸った

えらく寒いぜっ


畜生っ


バイクにまたがり

エンジン全開


ウィーーン



ヴォンッ!!



どうか、

どうか無事でっ!

冴子ぉぉぉぉっ


つづく

探偵時代 5

2006-11-16 | ポエム

俺はゆっくりと煙を肺に溜める・・・


フー。

鼻から出す。


今は何時だ?

この事務所には時計すらねえんだ


ソファーにもたれて俺は目だけ動かしている

左の方向

そこには窓があるんだ


空はやはり白い


ここからじゃ海は見えない

ちょうど水平線のところが窓枠なんだ


畜生・・・


うー・・・



俺はどうすりゃいい!?

探偵時代 4

2006-11-07 | ポエム


オレは電話を待っていた


一分間がまるでオレの全人生かのように


長かった


どれだけ吸っただろう

吸い殻は灰皿から溢れ出し

床のじゅうたんをちょっとだけ焦している


苦しいぜ・・・

冴子・・・


お前の電話を待ってるんだよ~

オレはよ~・・・



ギュウッと眉間にしわを寄せる


外を見る


空は白く

カモメが遠くで泣いている

ジョナサン・・・


は~ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ



また一服


ふぅ


♪トゥルルルルルルル♪




オレは可能な限りのアクションで

ソファーから飛び出し


ドアを蹴り上げ

ドガーーン


階段は5段飛ばし

ヒューン

ヒューン

バイクにまたがり

いきなりエンジン全開


ヴォーーーーーーッ!



となりの電気屋のおかみさんも

驚いて見ている


なんたってオレが最高の笑顔してるから



音速並みのスピードさ


オレはその中で決心を決めた


今日、彼女に告白してるっ



ウァァァァァァァァッ!



ヒューーーン




ビュン

ビュン



つづく

探偵時代 2

2006-10-29 | ポエム

♪トゥルルルルルルル♪


明け方、4時。


無常にもオレは仕事に狩り出される


それにしてもやけに早いな。

畜生。

オレは寝起きの一服をベッドで嗜む


ふぅ~・・・


やれやれ。


ブリーフをはき

オレは洗面所へ向かった。


彼女に会う時はとびきり清潔にしないとな

どんなチャンスがあるかも分からんし


30分経過し身支度を調えたオレは


単車にまたがり


曝走した。


ウォォォォ~ン



さっと単車を止め

例の部屋へ。


途中足がつった。



いつきても辛気くさいところだぜ。


ドアを開けると驚くべき光景が目に飛び込んで来た


彼女が倒れているのだ


玄関の奥の方に


な、何があったんだ


オレは震えた


何が一番の驚きかというと

電気が煌々とついていることだ


今迄は暗がりでしか見えなかった彼女が

明るい場所に倒れている・・・


まるみえだ・・・


恥も外見も捨て去り

オレはサングラスを放り投げた


お、おおおっ


オレはしばらくじっと

そこを見つめていた


いや、本音を言えばいつまでも

そこを見つめていたかった。


ふっと目をそらすと

棚の上にオレ宛の便箋が


オレは封筒を開け、

中の紙を取り出した。


そのとき、フっと香った

彼女の香り

オレは卒倒しそうになった


いかんいかん、

今は仕事だ、ビジネスだ。


任務を果たさねば。


文章を読み終え、あらかた察しがついた


今度の仕事と今、こうして彼女が倒れていること

はどうやら関連しているらしい


彼女の安否迄は知るよしもなかった


オレは出発前、緊張を和らげようと

一服した。


ふぅ~


その時はあえて天井を見た


そして吸い殻を灰皿にいれ


ようし、行くか・・・


オレははっきりとした声でいった


「ハニー、愛してるよ。」


そして限界まで目を見開き

その場を光景を脳裏に刻み込もうとした


バタン


ドアを閉め私は階段を駆け降りた


単車にまたがり

エンジン全開


ウィィィィィィ~ン


走行中、オレは突如恐くなった



もしも、彼女が実は起きていたら・・・


オレの一言を聞いていたら・・・


今迄クールぶってきた努力が水の泡

それどころか明日からどうやって会えばいい?


いや、もう呼んでくれないかも・・・


ああああ・・・


目的地につき

例の如くダイナマイトで爆破


敵なんてもうどうでもいい。

勝手に消えちまいなって感じ。


オレは家に帰り


布団に潜り込んだ


なんとも言えないもどかしい気持ち


ああ、どうしよう。


どうしよう。

どうしよう。


明日の電話を待つだけだ。


つづく